表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/226

石砕きの刃と共に 3

 翌朝。

 久しぶりのベッドは、快適だった。

 できるなら、手放したくない、この心地。

 でも、だからこそ、今晩もこのベッドで眠るために頑張らないとね。

「んー、よく寝たー。おはよう皆」

「にゃあ」

(俺もっと寝てるう)

「キュー!」

(おはようございます、二リハ!)

「ピー!」

(おはよう!)

「モエル、身支度を整えたらごはん食べに行くわよ」

「にゃあ!」

(おう、早くいくぞ!)

 よし。皆も元気ね。


 冒険者ギルドに行くと、キュール達とはすぐに会えた。

 キュールとランゾは入口付近で待ってくれていたのだ。

「おはようございます、二リハさん!」

「おはようございます」

「ええ、おはよう。ポリシャは?」

「今、依頼を見に行ってます。まあ、大していつもと変わらないだろうけど」

「あー。やっぱりここも、出現モンスターは結構きまってるんだ?」

「はい。二リハさんランクの相手なら、クラウドマンですね」

「雲の体を持ったモンスターね。やっぱりこのあたりだと有名?」

「はい。ここで4ランクと言ったら、クラウドマンかゲジーラですから」

「ゲジーラ?」

 そのモンスター情報は見てなかったかも。

「どんなモンスターなの?」

「あの、二リハさん。ゲジーラはおすすめしません」

「そうなの、キュール?」

「ゲジーラは、毒を持ってるんです。ていうか、全身が毒で」

 ランゾがそう言う。へえ、それは厄介そうね。

「ランゾ、気にするところが違うわよ!」

「ん」

「キュール、どういうこと?」

「二リハさん。ゲジーラは、全身が毛だらけなんです。しかも見た目はワームで、ぞわぞわと動くんです!」

「うっ」

 それは、辛い。

 ちょっと想像してから思う。想像したくない姿だ。

「たしかに、戦いたくはないわね」

「そうですよね。あんなもの好きで見たくはありません!」

「だがキュール。ゲジーラは放っておくと増えて、出現率が上がる。注意するにこしたことはないぞ」

「注意する以前に見たくないの!」

 ごもっとも。

「そうね。キュールの言う通りだわ」

 誰だって、好き好んでおぞましいものを見たくはないだろう。

「あ、そうだ。毒といえば、毒耐性のアクセサリーを持ってたわ」

「へえ、良いですね。二リハさん」

「ええ」

 私はちょっと迷ってから、2人に言った。

「ねえ。もしあなた達のおかげで依頼がスムーズに進んで、助かったと思ったら、あなた達への報酬、いや、褒美でこの耐毒のネックレスをあげるわ」

「え、いいんですか?」

「ええ。このあたりに毒モンスターがいるのなら、使いたい人が使えばいいと思うから」

 今のところ使う機会はなかったし、別にいいだろう。

 この子達にも、頑張ってもらいたいしね。

「でも、ただでもらったら悪いので」

「だったら、これから稼いだお金で私から買ってほしいわ。もちろん、いらないというならこの町で売るという選択肢もあるけど、せっかくこれから一緒に依頼をこなすんだから、できるかぎりなにかしてあげたいなって」

「そんな、ありがとうございます。二リハさん!」

「ありがとうございます」

「まだ何もしてないわ。あ、そうだ。たしかこの耐毒のネックレス、4ランクまでの毒しか防がないから、気をつけてね」

「二リハさん、おはようございます。今依頼を見てきました!」

 あ、ポリシャが来た。

「ありがとう、ポリシャ。で、どんな依頼があったの?」

「はい。二リハさんならもしかしたら、クラウドホースも倒せるんじゃないかって。どうですか、二リハさん!」

「え?」

「クラウドホース?」

 その名前も初めて聞くわね。

「ポリシャ。あんたってやつは。いきなりクラウドホースはないでしょう!」

 どうやらキュールは知っているみたいだ。

「え、でも、二リハさんだし」

「まずはクラウドマン。二リハさんも、そうしましょう」

「え、ええ」

 ひとまずうなずいておく。まあ、これまで注意していたのは、クラウドマンだったし。

「まあ、クラウドマンにも楽勝だったら、いいですけど」

「あの、まず、クラウドホースって?」

 そう訊くと、キュールが答えた。

「簡単に言うと、クラウドマンより強い4ランクのモンスターです」

 なるほど。

 4ランクだけど、4ランクモンスターより強いのか。

「ちょっと興味あるわね」

「でしょ。そうですよね!」

 ポリシャは元気だ。でも。

「そのクラウドホースは、めったに出てこないの?」

「いえ。クラウドマンが現れる霧の森の奥で、普通に見えるそうです」

「そう。なら、今日はクラウドマンを倒しに行くわ。まずは様子見ね」

 クラウドマンを倒しに行くのが、どれだけ大変かもわからないしね。

「そうですか」

「それがいいと思います。それじゃあ、私達はアースフロッグね」

「そうだな」

「ちっ。それしかねえかなあ」

 ランゾがうなずき、ポリシャが舌打ちする。

「ポリシャ。絶対今無理はダメよ。スタンプホースに苦戦したんでしょ」

「あ、あれは。はい」

「今なら、私もいるから。根気よく強くなりましょう。時間があれば、また模擬戦をしてあげるわよ」

「え、あ、はい。ありがとうございます」

「二リハさん強いからな。まあだからこそ、やる意味はあるんだが」

 ランゾがそう言ったので、私は思わず笑った。

「さあ、それじゃあ依頼を受けましょうか」

 立ち話を続けるのも、時間がもったいないわよね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ