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赤珊瑚と桃珊瑚の見た思い(2)

 実菜穂が少し緊張している。いつも神様のことなら興味深々に元気な感じになるのに、この時ばかりはいつもの実菜穂ではなかった。


「ねえ、陽向ちゃん。私、ユウナミの神とは別の空気を感じるの。あの随身門からだけど。あそこにいる神様が私たちをずっと見ている気がする」


 実菜穂は随身門を見つめた。陽向も実菜穂の見つめる先に目をやった。


「真奈美さん、実菜穂ちゃん。目に見えるとおり先には随身門があります。この赤色と桃色の線は随身門の二柱のものに間違いありません」

「そうなのですか。赤色と桃色。鮮やかな感じ。門の神のイメージというか東門仙様とは違う雰囲気がします」


 真奈美も線を見つめている。


「真奈美さんの感じたことは、間違っていません。この線が見えるということは二柱に何か意図があるということ。二柱については知っておいた方がいいと思うから、少し話を聞いてください。ユウナミの神の随身門は………」

             

 

             ◇ ◇

 

 三人は参道を進んだ。陽向から線の外側を歩くように言われたので、赤色の線の外側を歩いていた。随身門に近づいて行く。線は左右の随身門の柱へと延びてそこで切れている。向かって左が赤色、右が桃色である。


 三人はそこで歩みを止めた。随身門の先が全く見えなくなっていたからだ。夢ではない現実の世界。随身門の二柱は三人を足止めしているのだ。


 目の前にして改めて随身門の美しさに心を奪われた。朱色ではなく鴇色に染まる随身門は、ユウナミを守るに相応しく優しさと力強さを感じさせた。


「真奈美さん、実菜穂ちゃん。きます!」


 実菜穂と真奈美は、目を凝らした。


 三人の前に白い光が地上から二本現れた。その光の中に柱がいる。女神である。左は赤胴に白鉢巻を身につけ、太刀を差し、弓を持ってる。右からは同じ姿である桃色の胴を纏った女神が現れた。見た目は若い女武者といったところだ。人で例えたら二十歳くらいだろうか。目は少し細く、鼻はスッと高い。ハッキリとした顔立ちは守りの神という言葉がピッタリであった。勇ましくそして柔らかい姿。驚くことに、二柱の顔はそっくりであった。肩まである黒髪が風になびいているとこまで同じである。違うのは胴と弓の色。


 二柱が先を通さぬよう参道をふさいで立っている。一歩たりとも通しはしないという思いは、その顔から窺うことができた。


(陽向ちゃんの話のとおり。ユウナミの神の随身門は女神なんだ)


 実菜穂と真奈美はその姿に見とれながら、二柱の物語を思い出していた。

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