年上の妹(2)
真奈美はその日以来ひっきりなしに二人の前に現れては、よく話しをするようになった。不思議なのは、二柱がいるときは他の生徒は話しかけることはないのに、真奈美だけは例外で二人に話しかけてきた。特に昼休みは一緒に過ごすしており、みなもや火の神もそれを眺めていた。
当初からではあるが、実菜穂と陽向との接し方が全く違っていた。陽向に対しては、べったりと甘えるのである。ある時は陽向の髪型を真似してみたり、憧れの人のように抱きついてみたり、髪を整えてもらったりもしていた。今日にいたっては、陽向が使っていた髪留めのゴムまでおねだりして譲ってもらい喜んでいる。
一方、実菜穂に対してはその逆というのが当てはまった。実菜穂の髪を梳かしたり、実菜穂の髪に合うシャンプーは柑橘系よりフローラルの香りで保湿力があるものが良いだの、髪型に合う服はこれだのとアドバイスをしたかと思えば優しく抱きしめてみたり、この参考書がよく分かるからと自分が使っていた参考書を譲ったり、問題で分からないところを教えくれたり。これまた今日は、これが使いやすいからと結構な値がしそうなシャープペンシルまで持ってきたので、さすがに受け取れないと丁寧に断った。
「陽向さん、実菜穂ちゃん、それじゃまた明日」
真奈美は笑顔で自分の教室へと戻っていった。
「陽向さん、実菜穂ちゃん。さん・と・ちゃん」
実菜穂は陽向と自分を交互に指さしながら不思議に思う顔つきで笑っていた。陽向も不思議がって真奈美が去っていく方向を眺めていた。




