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この子は!(1)

 ファァ~ア


 実菜穂はホテルのレストランに入るとアクビをした。まだ瞼がすこしたるんでいる。陽向と真奈美は実菜穂より幾分しっかりとした顔つきであったが、やはり少々寝不足気味な感じを漂わせていた。その理由は、夜中まで続いたお喋りタイムである。本当なら、お風呂を上がり、明日のために早く休む予定であった。けど、そこは年頃の女の子が三人。ワイワイ、キャッキャとなるのは当然であろう。


 お喋りのきっかけは小さい頃の思いで話で、それから熱中したことや学校のこと。さらに王道の恋バナに話は弾む。なかでも、盛り上がったのは真奈美が中学の時に後輩から告白されたという話だ。これには実菜穂も陽向も食いついて盛り上がった。その結果、寝不足状態の今になっている。


 ホテルの朝食は、メインを和食か洋食か選ぶスタイルであった。メインのおかず以外はご飯、パン、味噌汁、スープその他副菜が自由に食べられるようになっている。


 実菜穂は洋食を選び、陽向と真奈美は和食を選んだ。

 洋食のメインは、フワフワのオムレツと厚切りベーコン。どちらも焼きたてで、ベーコンの香ばしい香りが何とも食欲を刺激した。ちなみに和食は厚切りの鮭とだし巻き卵である。和と洋優劣がつけられないほど美味しそうである。実菜穂はメインのほかパン、サラダ、ヨーグルトにフルーツを取った。


 真奈美は姿勢正しく食事をしている。箸使いも見事なもので、感心して眺める実菜穂と陽向の視線に思わず箸を止め、笑顔を見せた。今までの真奈美では見ることのなかった照れる姿。その可愛らしい笑顔に実菜穂と陽向は、「なるほど!」と昨夜の恋バナに納得した。



 三人は駅のロッカーに荷物を預けると、海岸方面にそびえ立つ鳥居を眺めた。ユウナミの社を示す鳥居だ。離れていてもその威厳をまざまざと感じることができた。


(あそこに琴美がいる)


 真奈美はキュッとポーチを握る手に力が入った。


「行きましょう。ユウナミの社へ」


 陽向が声を掛ける。実菜穂と真奈美が頷く。

 通りを歩き、横断するために信号を待つ。そこには警察署からの立て札があった。     

 実菜穂たちは何気に眺めた。 


 

「19時頃、横断歩道で人と車の事故があった。その目撃者を探している」というものだ。日付を見ると28日で昨日のことである。


 夏の日差しが辺りを眩しく照らし始めていた。

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