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人を出迎える神(5)

 真奈美は、オカッパ頭の女の子が気になって仕方がなかった。


「あなた、この子のお姉ちゃんなの?」


 真奈美はオカッパ頭の子に聞くと、素っ気なく頷いた。


「そうかあ。うん、分かった。お姉ちゃんの分も面倒見る。どれにする?」


 真奈美はそう言うと、オカッパ頭の子の手を引いてクーラーボックスに連れて行った。オカッパ頭の子は、上機嫌になり色々品定めをしたうえ、アズキのアイスを手にした。


 姉妹に挟まれ、真奈美はベンチに座った。機嫌よく姉妹はアイスキャンディーを頬張っている。真奈美はその様子に何となく嬉しい気持ちがこみ上げて仕方がなかった。


「私の名前は真奈美だけど、お姉ちゃん、お名前は?」


「イワコ」


 オカッパの子は、口いっぱいに頬張りながら答えた。


「イワコちゃんね。なんだか頼りがいのある名前だなあ。妹さんはなんて言うの?」 

「コノハ」


 お団子頭の子は、可愛らしくアイスキャンディーを小さくかじりながら答えた。


「イワコちゃんとコノハちゃんね。誰かを待ってるのかな?」


 親御さんらしい人が見あたらず、子供二人だけなのが気になって真奈美は聞いた。 

 

「そうなんだよ。ちゃんと言われたところで待ってるのに、この子勝手に離れちゃうんだから。あちこち探してやっと見つけたと思ったら、これだもん」


 イワコはコノハを見ながら注意するとアイスキャンディーを平らげて、その目は真奈美が手にしているアイスキャンディーに向けられていた。真奈美はそれに気づく。


「そうかそうか。イワコちゃん、偉いなあ。ちゃんとコノハちゃんを心配したんだね。ほんと優しいんだね。じゃあこれ、まだ手をつけてないからイワコちゃんにあげる。だから、コノハちゃんを許してあげて」


 真奈美はイワコの頭を撫でると、持っていたアイスキャンディーを渡した。イワコは喜んで受け取り、それを美味しそうに食べていた。イワコの姉として堂々としている姿に真奈美は自分もこのような姉でいたかったと尊敬に似た気持ちがこみ上げ眺めていた。


「それにしても、イワコちゃんとコノハちゃんは誰を待ってるの?」

「へーと、ハンニンのひほ」


 真奈美の問いにコノハはアイスキャンディーを咥えたまま答えた。何を言っているのかよく分からなかったが、その姿が可愛らしく思わず笑ってしまった。イワコもアイスを咥えながらつられて笑っている。


「真奈美、さん……」


 聞き慣れた声が聞こえてきた。


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