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絶望をしたときに期待されているもの(6)

 実菜穂は自分の席で、明日からのスケジュールを確認していた。


(補講は5日間で前期は終わる。そこからは学校は休みだ。そこでユウナミの神の社に行く。門が閉じられるのはいつなのだろう?考えてみたら、自分もどう行動して良いのか分からない。みなもにいろいろ教えてもらわないといけないし。確かに準備がいるなあ。いまは、行動の第一段階のところ。真奈美さんが動かないと話にならないか。みなも、陽向ちゃんが導いてくれるって言ってたなあ)


 実菜穂は先の見通しが無いことに気づいて苦笑いをしながら、自分の髪をなでた。滑るように指が流れていくのを確かめることで、真奈美の優しさを感じることができた。


(真奈美さんが自信を喪失をしているのは、琴美ちゃんの真奈美さんへの思いに対して、自分は琴美ちゃんに負の思いがあったことを責めているから。それは、分かる……言い方、まずかったかなあ)


 実菜穂は頬杖をしてため息をついた。


「実菜穂ちゃん!」


 自分を呼ぶ声に実菜穂が振り向くと、そこには、真奈美と陽向がいた。真奈美は、実菜穂の肩をつかむと頭を下げた。


「お願い。教えてちょうだい。私、どうすればいいの?何をすればいいの?教えて。琴美が戻るなら、何でもする!」


 真奈美は頭を下げたまま、涙を流している。その雫が床に落ちていく。実菜穂が陽向を見ると、陽向はゆっくりと頷いた。実菜穂は、みなもがするように真奈美を優しく抱きしめた。


「真奈美さん。まずは自信を持ってください。真奈美さんが琴美さんに置いて行かれたように感じたのは、真奈美さん自身がお姉さんとしての責任を十分に感じていたからです。琴美さんもそれを感じていました。お互いがお互いを思い合っているのに、どこかすれ違っていた。それだけなんです」


 実菜穂は、真奈美の肩を抱き上げ、頭を上げてもらった。


「私たちがしなければならないことは、ユウナミの神のもとに行き、琴美ちゃんの御霊を返してもらうようお願いすることです。ただ、おそらくこのまま私たちが行っても、その声を聞いてはくれないでしょう。だから、今、準備をしています。準備をしてくれている神様がいます。その神様が言うには、まず、補講を終えろと言ってます」


 実菜穂はそう言うと、ぎこちなく笑って真奈美を見た。真奈美は、呆気にとられた顔で実菜穂を見た。陽向が真奈美の手を取って優しく答えた。


「大丈夫です。さっき、伝えた神様。準備に少し時間が必要なんです。動くときは一気に動きます。それまでにこちらも済ませるものは片づけておくようにということです」


 うまく言えずにいた実菜穂は陽向の説明に納得して、流石だと感心してしまった。  

 

 真奈美は二人を見ながらゆっくりと頷いていた。


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