第七話 0.01~0.001、そしてちょっとした問題
すごく悩みました
長宮さんからいろんなことを教わり、力もだいたい使えるようになったところで、訓練は終わりということになった。
「長宮さん、今日はありがとうございました」
お礼をすると、長宮さんは笑いながら、
「ふふ、どういたしまして。おかげでいいもの見せてもらったわ」
と、返してきた。
「いいもの?」
「面白い後輩ができたってことよ。さあ、もう現実へ帰りなさい。続きはまた明日。よろしくね。」
「はい。よろしくお願いします。」
そして、僕は、視界の隅に浮かぶログアウトのボタンを押した。
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目の前に、こちらに背を向けて男性が座っている。大きな背中はときどき、小刻みに揺れる。カタカタという音で、彼がパソコンをいじっていることが分かる。
「ねえ、パパ。何してるの?」
後ろから、部屋に入ってきた僕が質問する。
振り返った男性―――――パパがほほえみながら答える。
「おう、今やっているのはな―――――――――
ここで、僕は現実へと戻ってきた、が……………
(なんで、父さんの夢なんか………いや、そもそも夢、なのか………)
「大丈夫ですか?」
「うわっ!」
隣を見ると、夕霧さんが僕の顔を覗き込んでいた。その顔はちょっとだけ驚いている。叫び声をあげたせいで、少し驚かせてしまったようだ。
「あ、いえ、少し考え事をしていただけです。大丈夫です」
「そうですか。一度ネットワールドに入ると、現実との違いに酔う人もいますから、何もないなら頼もしいですね」
「夕霧さんは酔ったんですか?」
「それはもう。その時の話、聞きますか?」
夕霧さんがニヤッと笑っている。意外。
「いえ、結構です」
「あれは初めて戦闘訓練をしたとき………ただの冗談です、あっ頭グリグリするのだけはご勘弁を、ちょっまっあぁぁぁぁ」
「で、何かあったんですか?」
「うぅ………いえいえ、伝言を伝え忘れたことを謝ろうと思いまして。すいませんでした」
「ああ、それくらい大したことありません。学校や仕事で忙しかったかも、と思っていたので、気にしてないです」
「そう言ってくれて、ありがとうございます。それから、梶狩さんから伝言があります。」
なんだろう。何かあったのか?
「二、三日したら、パトロールに連れてってくれるそうです」
なんだろう。散歩感がすごいする。なんだよ、連れてってくれるってなんだよ。
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長宮さんと、さらに夕霧さんからも指導を受けて、三日なんてあっという間に過ぎ、パトロール当日。梶狩さんは
「この人が、新入り隊員の新鳥有夢君だよ〜。ほら、あいさつあいさつ」
なんかテンションが変だった。隣にいる夕霧さんと長宮さんが呆れた顔をしている。
「よ………よろしく、お願いします」
「「「よろしくお願いします」」」
目の前に、緊張した様子の三人の一般隊員が並んでいる。前に幻獣の人が三人もいれば当たり前か。だけど、多分僕は…………
「しかし………彼をパトロール隊に入れて大丈夫なのですか。見たところまだ子供のようですが………」
ほらやっぱり。隊員の一人が異を唱えてきた。まあ、前にいる隊員も見たところ二十歳は越えていそうだし、高校生じゃ子供に見えるよなぁ。と、考えていたら
「大丈夫大丈夫。それ言ったらもっと小さい夕霧ちゃんはどうなるのさ」
梶狩さんが爆弾を投下した。チラッと隣を見ると、夕霧さんがすごく不機嫌そうな顔をしている。
(有夢さん、有夢さん、男の人ってやっぱり大きい人が好きなんですか?)
(いえ、そんなことはないと思います。夕霧さんはかわいいですよ。)
ん?今、口を滑らしたな、僕。まあ、いいか。
「それに、持ってる力はフェニックスだよ」
「「「すいませんでした」」」
ちょっと見てない内に、隊員三人が納得して頭を下げている。ちょっと展開が早すぎて追いつかない。どうなったんだ。
「幻獣の力は凄まじいからね。例え戦闘に慣れていなくても結構戦えるほどだよ」
なるほど。そしたらこの対応も納得がいく。あれ、今心読まれたぞ。
「ま、話はそれくらいにして、ちゃちゃっとパトロールいこうよ」
と梶狩さんが(無理矢理)話を終わらせたので、全員でネットワールドに入り………
「それじゃあ出発〜」
なんか全員特撮ヒーローみたいなアーマー着てるんですけど。丸みを帯びた形じゃなくて、あちこちトゲトゲしてるアーマー着てるんですけど。そんなの習ってないんですけど。
「梶狩さん、そのアーマーどうやって出すんですか」
「え?」
「いや、その着てるアーマー。どうやって出すんですか」
「教わって…………ないの?」
梶狩さんが、長宮さんと夕霧さんをチラッと見ると
二人は目を(アーマーで見えないけど多分)そらし………
「…………さて、」
「「すいませんでしたぁ!」」
土下座する二人を見ながら、僕はこんなOCVCにいて大丈夫なのか心配になった。
お詫びと訂正
前回の話で、「長宮さん」が途中から「高宮さん」になっておりました。失礼いたしました。
もうそろそろ、設定的にカッコイイキャラが出ます。ヒントはカード系です。




