第十六話 接触Ⅱ:Fortune-Tellerかく語りき
前回は、大変お待たせしてしまい申し訳ございませんでした
「まあそう慌てずに、少しお話でもしませんか?」
Fortune-Tellerはなんて言った?お話?
「話すことなんて何もない!」
新鳥はその背から炎の翼を生やす。だが、Foutune-Tellerはひるまない。
「知りたくありませんか?この世界について」
「・・・」
「私達の目的とは何か」
「・・・」
「そもそも私達がなぜ存在するのか」
「・・・それは、話して、いいことなのですか?」
新鳥より一歩前に出て夕霧が聞く。
新鳥はまだ、交渉事には慣れていない。
自分でも分かっている。だから口は挟まない。
「ええ。むしろ貴方達は知っておいたほうがいい」
「私達から、他の誰かに漏れたとしてもですか?」
「一番最初に、貴方達が知れば後はどうでもいいのです」
「では、この場はお互いに見逃すということで」
「あらら、いつの間に。まあいいでしょう。私だけじゃ貴方達に勝てそうもないのでね」
そして、Foutune-Tellerは語りだす。
ーーーーーー最初はたった一つの集まりから始まったそうです。いつ誰がどうやって始めたのかは分かりませんが。やがて人が増え、大きくなっていった集まりは、対立が絶えないようになり、意見の違いからいくつもの組織に分かれました。私も属するノワール・スピンデル、後は・・・虫だらけのセクトインなど、ほとんどが元は同じ集まりだったのです。その目的はただ一つーーーーーー
「この世界を手にいれたモノ現れし時、さらなるすべてを手中におさめる力が生まれる」
新鳥は夕霧の顔を見る。だが夕霧も知らなかったようで、新鳥に向かって小さく横に首を振った。
「・・・それは、いったい?」
「私達の間での、まあ、言い伝えのようなものでしょうかね」
『言い伝え』 Foutune-Tellerは確かにそう言った
この世界に言い伝えなんてものがあっていいのか
「さて、伝えるべきことは伝えましたし、帰らせていただきましょうか」
「「・・・」」
慣れているとはいえ、夕霧も交渉のプロではない。だから二人とも、Foutune-Tellerを止められなかった。
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パトロールを終わらせ、本部に戻るまでの間、二人の間に会話は無かった。本部に着くと、いつも通り夕霧は梶狩に何があったのかを報告していく。
「・・・それから、パトロール中にFortune-Tellerの接触がありました」
「なんだって!大丈夫だったか!」
「はい、対話で済みました。それに、大丈夫だったので戻ってきてます」
「ま、まあそれはそうだが・・・」
「それより、あちら側に『言い伝え』なるものがあると判明しました」
だが、梶狩は今度は驚かなかった。
「ああ、知ってるよ」
当たり前のように、彼は答える。




