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現実と仮想の狭間の記憶  作者: 秋初数奇
OCVC(にとって)の日常編
15/20

第十四話 看破

大変遅くなりました。すみません。

「お前……………タロットのこと、全然知らないだろ」


「え?」


夕霧さんが驚いた顔でこっちを見る。


「自分の力を分からずに、ここまで戦えるとは思えないのですが……………」


「そ、そうだろう!どこからどう見ても使いこなしているではないか!」


「口調変わってるぞ」


「使いこなしているでしょう」


例文かよ。


「簡単だよ。Fortune-teller、お前はさっきからタロットカードに描かれた絵の通りのことしか起こしていない。the towerは雷に打たれて崩れる塔、the starは壺から水を流す美女、deathは鎌を持った死神。タロットのことは詳しくは知らないけど、もっとたくさんの意味があるはずだ。少なくとも、俺たちが今みたいに、逃げていられないほどの意味が」


「くっ…………だが、絵の通りだけでも手数の多さは変わらない!」


そう言うやいなや、Fortune-tellerは大量のタロットをばらまいた。


炎羽(えんば)


俺はそうつぶやき右手をあげると、大量の燃える羽を飛ばしカードをすべて燃やした。


「ちっ…だが、まあいいでしょう」


そうつぶやくと、Fortune-tellerはカードと火にまぎれて姿を消した。


「くそっ、逃げたか」


俺がそうつぶやくと、夕霧さんがとなりに来た。


「すぐに戻りましょう。梶狩さんに報告です」


「ああ、分かった」


すぐに俺たちは現実(リアル)へと戻り、梶狩さんがいる部屋へ走っていった。





― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―


どこかの場所(リアル)で、誰かと誰かが、机を間に話している。


「………で、どうでした?Fortune-teller。新しく入ったらしいというプレイヤーは」


Fortune-tellerと呼ばれた誰かは、口元に薄笑いを浮かべながら答える。


「そうだな、面白くなりそう、とだけ言っておこう。それ以外はよく分からん」


そしてもう一人は、嬉しそうに、そしてどこか無邪気そうに答える。


「それは良かった。今度こそ、停滞を拒む者だと良いのですが。それはそれとして、いい加減口調を揃えてくれませんか」


「アレは仮想(あっち)限定の口調だ。じゃなきゃ境界が歪む。で、俺はどうすればいい?」


「引き続き接触を。可能なら成長を。それがあのお方の望みです」


「はっ、変わらずか。まあいいぜ、ノってやるよ。報酬は頼むぜ、ロ・ン」


Fortune-tellerは出ていった。どこかの場所に残った、ロンと呼ばれた誰かは、静かに()()()()()()()()

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