第十四話 看破
大変遅くなりました。すみません。
「お前……………タロットのこと、全然知らないだろ」
「え?」
夕霧さんが驚いた顔でこっちを見る。
「自分の力を分からずに、ここまで戦えるとは思えないのですが……………」
「そ、そうだろう!どこからどう見ても使いこなしているではないか!」
「口調変わってるぞ」
「使いこなしているでしょう」
例文かよ。
「簡単だよ。Fortune-teller、お前はさっきからタロットカードに描かれた絵の通りのことしか起こしていない。the towerは雷に打たれて崩れる塔、the starは壺から水を流す美女、deathは鎌を持った死神。タロットのことは詳しくは知らないけど、もっとたくさんの意味があるはずだ。少なくとも、俺たちが今みたいに、逃げていられないほどの意味が」
「くっ…………だが、絵の通りだけでも手数の多さは変わらない!」
そう言うやいなや、Fortune-tellerは大量のタロットをばらまいた。
「炎羽」
俺はそうつぶやき右手をあげると、大量の燃える羽を飛ばしカードをすべて燃やした。
「ちっ…だが、まあいいでしょう」
そうつぶやくと、Fortune-tellerはカードと火にまぎれて姿を消した。
「くそっ、逃げたか」
俺がそうつぶやくと、夕霧さんがとなりに来た。
「すぐに戻りましょう。梶狩さんに報告です」
「ああ、分かった」
すぐに俺たちは現実へと戻り、梶狩さんがいる部屋へ走っていった。
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どこかの場所で、誰かと誰かが、机を間に話している。
「………で、どうでした?Fortune-teller。新しく入ったらしいというプレイヤーは」
Fortune-tellerと呼ばれた誰かは、口元に薄笑いを浮かべながら答える。
「そうだな、面白くなりそう、とだけ言っておこう。それ以外はよく分からん」
そしてもう一人は、嬉しそうに、そしてどこか無邪気そうに答える。
「それは良かった。今度こそ、停滞を拒む者だと良いのですが。それはそれとして、いい加減口調を揃えてくれませんか」
「アレは仮想限定の口調だ。じゃなきゃ境界が歪む。で、俺はどうすればいい?」
「引き続き接触を。可能なら成長を。それがあのお方の望みです」
「はっ、変わらずか。まあいいぜ、ノってやるよ。報酬は頼むぜ、ロ・ン」
Fortune-tellerは出ていった。どこかの場所に残った、ロンと呼ばれた誰かは、静かにその場から消えた。




