第十三話 逃走追走激走
遅くなりました!申し訳ございません!
落ちていたカードから攻撃を予測し、回避までしてみせた新鳥は、今…………
「うわぁっ、うおっ、とっとっとっ、どわっあぶねっ」
次々と落ちてくる雷を、走って避け続けていた。
「新鳥さんって戦闘になると性格変わるのですね。ちょっと意外です。でもあれもあれでかっこいいですよ」
…………のんきな夕霧を抱えながら。
「いい加減、おっと、もうそろそろっ、自分でよっと、避けてくれてもっ、いいんじゃないか!」
「じゃあ降ろしてください」
「そんな暇がっ、あるように見えっ、るか!」
「一応、銃撃はしているんですけど、あんまり効いてないみたいです。ただ……」
VCCOは、隊員全員に何かしらの銃型武装を支給している。『銃型』がつくのは、銃と同じ効果を持つようにプログラムされた3Dデータだからだ。夕霧が所持しているのは真紅の自動拳銃。外見は普通の銃と変わらない。変わらないが、中身は現実の銃とまるで違う。その最大の特徴として……………
「…………………ただ、カードは『燃える』みたいです」
『属性』の付与が可能なのだ。
「とりあえず……………撒ければいいんだけど………」
「障害物は作れないので無理です。このまま状況整理しましょう」
「作れない?」
「フォーチュンができるのは、タロットカードの召喚、及びそれの投擲、カードに応じた何かの召喚、と思われます」
「作れない…………?あ〜っ!まあいい!えーと、カードは上限ありのチャージ式で召喚してる…………でいいか?」
「当たりなのです。よく勉強したのですね」
「父親が勉強だけは厳しくてな。それより、攻略法はなんか…………」
しかし、ーーーーーーー目の前に突如として巨大な壁が出現した。いつの間にか、足元にも目に見える床ができている。
「チッ……………塔をいくつも並べて壁にしたか。見かけによらず脳筋なんだな」
「まずいです!水です!…………………もうちょっと驚いてくれてもいいんじゃないですか」
「いやだって、全部蒸発してるし」
火は本来、水と相性が悪いが、とてつもなく高温の炎なら話は別だ。
「使ったカードは…………星…………?the towerで雷と塔…………the starsで…………洪水…………まさか…………」
「あのカード、エ○いです。変態マジシャンなのです」
「うるさいぞ!」
Fortune-tellerがキレた。
「フッフッフッ…………追い詰めましたよ。さあ!切り刻んであげましょう!」
いつの間にか、彼の手には大鎌が握られていた。
(死神のカード………やはりあいつは……………)
「その前に…………一つだけいいか?」
(もし…………もしも俺の推測が正しかったとすれば…………)
「いいでしょう。最後の一言ぐらい、聞いてあげますよ」
夕霧が不思議そうに見つめる中、新鳥は…………決定的な致命傷を彼に与える。
「お前……………タロットのこと、全然知らないだろ」




