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現実と仮想の狭間の記憶  作者: 秋初数奇
OCVC(にとって)の日常編
14/20

第十三話 逃走追走激走

遅くなりました!申し訳ございません!

 落ちていたカードから攻撃を予測し、回避までしてみせた新鳥は、今…………


「うわぁっ、うおっ、とっとっとっ、どわっあぶねっ」


次々と落ちてくる雷を、走って避け続けていた。


「新鳥さんって戦闘になると性格変わるのですね。ちょっと意外です。でもあれもあれでかっこいいですよ」


…………のんきな夕霧を抱えながら。


「いい加減、おっと、もうそろそろっ、自分でよっと、避けてくれてもっ、いいんじゃないか!」


「じゃあ降ろしてください」


「そんな暇がっ、あるように見えっ、るか!」


「一応、銃撃はしているんですけど、あんまり効いてないみたいです。ただ……」


 VCCOは、隊員全員に何かしらの銃型武装を支給している。『銃型』がつくのは、銃と同じ効果を持つようにプログラムされた3Dデータだからだ。夕霧が所持しているのは真紅の自動拳銃。外見は普通の銃と変わらない。変わらないが、中身は現実の銃とまるで違う。その最大の特徴として……………


「…………………ただ、カードは『燃える』みたいです」


『属性』の付与が可能なのだ。


「とりあえず……………撒ければいいんだけど………」


「障害物は作れないので無理です。このまま状況整理しましょう」


「作れない?」


「フォーチュンができるのは、タロットカードの召喚、及びそれの投擲、カードに応じた何かの召喚、と思われます」


「作れない…………?あ〜っ!まあいい!えーと、カードは上限ありのチャージ式で召喚してる…………でいいか?」


「当たりなのです。よく勉強したのですね」


「父親が勉強だけは厳しくてな。それより、攻略法はなんか…………」


しかし、ーーーーーーー目の前に突如として巨大な壁が出現した。いつの間にか、足元にも目に見える床ができている。


「チッ……………塔をいくつも並べて壁にしたか。見かけによらず脳筋なんだな」


「まずいです!水です!…………………もうちょっと驚いてくれてもいいんじゃないですか」


「いやだって、全部蒸発してるし」


火は本来、水と相性が悪いが、とてつもなく高温の炎なら話は別だ。


「使ったカードは…………星…………?the towerで雷と塔…………the starsで…………洪水…………まさか…………」


「あのカード、エ○いです。変態マジシャンなのです」


「うるさいぞ!」


Fortune-tellerがキレた。


「フッフッフッ…………追い詰めましたよ。さあ!切り刻んであげましょう!」


いつの間にか、彼の手には大鎌が握られていた。


(死神のカード………やはりあいつは……………)


「その前に…………一つだけいいか?」


(もし…………もしも俺の推測が正しかったとすれば…………)


「いいでしょう。最後の一言ぐらい、聞いてあげますよ」


夕霧が不思議そうに見つめる中、新鳥は…………決定的な致命傷を彼に与える。


「お前……………タロットのこと、全然知らないだろ」

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