第十二話 怒りと塔
タロットの力の持ち主「Fortune-teller」が現れてから2週間が経った。その間も、パトロールぐらいしかやることがなく、目立った事件もなかった。
「なんだかなぁ~」
思わずため息をつくと、隣を歩いていた夕霧さんも同じようにため息をついた。
「パトロールばっかりで、本当に何も起きませんからしょうがないです。でも、本当に何も起きないのは暇なのです」
………………暇、ですか。
「どうしたのですか?微妙な顔をしています」
「いや、なんでも………ていうか、今どこに向かってるの?」
「パトロールですので、決められたルートを通るだけです。強いて言うなら、スタート位置です」
「ですよね…………ん……なにこれ………」
すぐ近くに何かが浮いていた。これは……
「カード……」
「ですね…」
書いてある図柄は………崩れる塔………もしや!
「ノンさんっ、危ない!」
夕霧さんを抱えて離れた場所へ跳ぶと、さっきまで立っていた場所に雷が落ちた。抱えた夕霧さんを見ると、僕の顔を驚いた表情で見つめていた。
「有夢さん、どうして……」
だが、その言葉は、ここにいる二人以外の声で遮られた。
「おやおや………仕留められると思ったんですが…………どうやら、ちゃんと勉強してきたようですねぇ」
僕らを見つめる白黒の影……Fortune-tellerはシルクハットをいじりながら、意外そうにつぶやいた。
新鳥は、Fortune-tellerをにらみながら答えた。
「高い塔は、雷で崩れるからな!図柄が何を示してようが、解釈はテメェ次第ってことか!」
お待たせしてしまって申し訳ございません。




