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クウォーター金髪美少女と姉との修羅場と過去のお話

「でー!2人はどこまで進んだの?」

ラミが作った夕食を3人で食べている中、舞さんが唐突にそんな事を言ってくる。

「お、おい!何言ってるん...」

僕の叫びを阻むように続けて舞さんが

「で~実際はどうなの?ラミちゃん!」

とラミに話の矛先を向けだす。ラミは頬を今まででもトップクラスくらいには赤く染めている。

「...ば、バニーガールです...」

とラミが食卓の場で一番馴染まなく破壊力の強いワードを言い放つ。

「えー!羽一ちゃんやるー!流石私の息子?弟?うーん、もう!わかんないけど!とにかく流石!やるときはやる男ね」

ラミの発言を良いことに舞さんはニマニマしながら僕の頭を撫でながらそんな事を言ってくる。僕は手を払いのけ

「違うからな!あの時はラミも色々あって混乱してたし、僕もしてたから意図してじゃないから!」

とラミから共感を得るためにラミの方を向きながら叫ぶ。

するとラミは僕の小指をにぎにぎと握りだし、さらに頬を赤らめて

「...私は羽一になら...み、見せたい...と思って見せたのに...」

と恥じらいうつ向きながら呟く。ラミは傷ついている素振りは全くなくヘタレな僕への不満としてこの発言をしていると思うが

「ご、ごめん。でも、勘違いしてほしくないのは、すごく心臓に悪かったけど...可愛かったから」

とラミがあの日の行動を後悔しないよう僕自信の本音をこぼす。

「...か、可愛かったんだ...うれしい...ありがと...」

とラミは毎度恒例の腕をパタパタ上下に動かしながら呟く。この動きすごく小動物みたいで可愛らしいのだが、ラミの豊かな胸が揺れぶるんぶるんと揺れこちらまで目のやり場に困り恥ずかし思いをすることになるのは困りものである。

そんな僕らの姿を見て舞さんはさらにニマニマこちらをみてくるのだった。


あれから2時間後。僕と舞さんはマンションのベランダで昔話をしていた。

ちなみにラミは入浴中である。

「いやー。まさか、あの羽一ちゃんがこんなに可愛い女の子連れてくると思わなかったなー」

「いや、連れてくるって言うか、舞さんが勝手に家入ってたから遭遇しただけなんだけどな。それに、親友だから!」

と僕は思わずツッコミをいれる。

「まあーまあー。良いじゃないのー。色男さん!でも、舞さんお姉ちゃんは嬉しいのだよー。羽一ちゃんに大切な人が出来るのは」

と舞さんは珍しくどこか真面目そうな表情を浮かべ呟く。

そんな舞さんの表情に僕はどこか懐かしさを覚える。

僕と舞さんの出会いは僕が小学校6年生の大晦日だった。

当時、僕はいじめに合っていた。理由はわからない。いや、理由なんてないのかもしれない。自分の自己欲求を満たすため。ストレス発散のため、そんな適当な欲求の矛先がおそらくたまたま僕だっただけだろう。

いじめの最初の方はただ、主犯格の奴1人と取り巻き2人から暴言をはかれたりするだけだった。だが、だんだんといじめっ子人数が増えていき、しまいには傍観者などを含めるとクラス全員へとなってしまった。もちろんいじめられる前は仲がよかった親友なども同様で僕はいじめられていることより親友に裏切られた事に絶望した。それから僕の表情は死んでいき、それに伴い心も死んでいった。

普通の人はそのような状況の場合。家族に力を求めるのだろうが、僕の家族は力になってくれる事はおろか、相談にすらのってくれず僕の精神は病んでいった。

そんな日々が続きながらも何とか耐え忍んでいた小6の大晦日の日。

僕は初めて舞さんと出会った。舞さんは遠い親戚らしく、僕は本当に幼い頃に会ったことがあったらしいが自我が芽生えてからはおそらく初めての対面だった。

舞さんはほぼ初対面にも関わらず僕の表情が曇っていることに気がつき新味になって学校の話や家族の話の相談にのってくれた。

舞さんは穏やかに僕の話を聞いてくれて僕が涙を溢した時には涙を拭い抱き締めてくれた。本当に人生で初めて愛に触れた瞬間だったと思う。

それから舞さんはその日の夜。僕の父をひっぱたき母、妹に怒ってくれた。初めて僕の為に人が怒ってくれたのだ。本当に嬉しかった。

それから僕は舞さんの家に中学校の3年間住むことになった。

そして、中学卒業と同時に僕は舞さん達に頼ってばかりではいけないと思い、舞さんの家から1キロ以内の家と住むと言うことを条件に独り立ちを許してもらい一人暮しをすることになった。

そんな中。去年。僕が高校一年生でラミが中3の時に僕たちは出会った。

ラミは夜の20時頃、小6の時の僕ように何にも期待していないようなどこか絶望した表情を浮かべ1人、駅前の公園のベンチに座っていた。

僕はそんな彼女を舞さんのように助けたいと思い、声をかけた。最初の方は警戒されたが、ラミは途中で僕が怪しい人手はないと悟ったのか色々な話を聞かせてくれた。

最近、親が再婚して家族が出来たこと。新しい家族に嫌がらせをされていること。学校ではと言うと過度に期待されてつらいとの事。

その全てを僕が受け入れ、話を聞くとラミは溜め込んでいた涙を溢した。それからすぐに僕たちは仲が良くなり、僕も過去の事を話すとラミはいじめっ子達に対して「...許せない...私がいたら、絶対に守ったのに...」と怒ってくれた。

そしてラミは過去も含めていや、全てを受け入れてくれそうな豊かな胸で僕を抱き締めてくれた。

その日から僕たちは親友になったのだ。

とそんな事を僕はふと思い出すのだった。

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