水色の飴玉
掲載日:2021/05/28
"何色だい"
お爺ちゃんが飴玉を指差して言う。
"水色だよ。"
僕は見せたあと、飴をなめて、
途中で飽きて
噛んで、飲み込んだ。
お爺ちゃんはその様子を
見るわけでもなく、
ただ、木を眺めていた。
僕の中で具現化された
お爺ちゃんの優しさは
今でも"オレ"を優しくさせる。
まだオレの息子は5歳で、
じいさんになるまで、
だいぶ時間があるが、
オレは息子の子供に、
水色の飴玉をあげたい。
たしかソーダ味だった。
子供時間が伸びやかなのが一番。
じいさんの考え方。
じいさんには、息子は会えなかった。
じいさんは、最期、
ばあさんに笑いかけ、
"ありがとうな"
と言い、翌朝亡くなった。
愛されることを
忘れてもいいけど、
じいさんがくれた飴玉は忘れない。
オレだって、いつかは老いるからな。
待っててくれろ。




