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第一話 逃亡
主人公はどこにでも居る一般人です。
「ハアッ、ハア、ハア、ハア...」
走る。何も考えずに、ただひたすらに走る。
追って来てはないと分かっていても、それでもなぜか走り続けずには居られなかった。
「くそ、こんなハズじゃ...」
なんでだ。どうしてこうなった。
俺は...俺はただ、変化が欲しかっただけだ。
現実は余りにも退屈だから、もっと楽しい所に行って、
もっと楽に稼いで、もっと楽に好かれて...
それだけなのに、なんで、どうして、こんな事に...
「...クソッ...」
俺は路地裏に蹲りながら、こんなことになった経緯を現実逃避混じりに思い出していた。