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ロイスの取材記録(2)

事件名: 鮮血の魔女(グラットン公爵家 惨殺事件)

通し番号: 072


取材日付: XXXX.08.21

場所(取材回数): Bar夕暮れ(1)

対象(取材回数): デニス・タッカー調査官(1)

取材者: ロイス・ワーク(記)


◆◆◆◆◆◆◆◆


こうやって、ロイスと顔を合わせるのも久しぶりだよな。

卒業以来だから......5年ぶりくらい?


えっ、7年? まじかよ、そんなに経ってたっけ。

忙しすぎて時間感覚が麻痺しちまってるなー。


で、今日は何の用なんだ?


...おいおいおい、どこで耳にしたんだよ。

答えられねーよ、箝口令敷かれている極秘事項だぜそれ。


....。

やめてくれよ、カミさん人質にするのは。

分かったよ。だが、絶対に俺が喋ったって誰にも言うなよ。

そして絶対に記事にはするなよ。オフレコだからな。




ああ。惨劇の起こったグラットン家の夕食の場。

確かに紅茶の入ったカップには盛られていたさ。

致死量を大幅に超える遅効性の毒物が。


いや、一家の死因はドリスによる出血性ショック死だったよ。

仮にドリスが手を下さなくとも、あの一家は結局死んでたってだけの話さ。


不可解と言えば、もう一つ。

毒を盛られたのは、メアリー、デジー、ドリス、リズの4人。

何故か当主ジムのカップには、毒が盛られてなかったのさ。謎だろ?


...。

いやいや、滅多なことを口走るんじゃねーよ。

グラットン公爵当主といえば、この国の要人だぜ。

下手に叩いて国政に飛び火でもしたら、大蛇が出てきてお前消されるぞ。


そもそも上層部が求めているのは、ドリスの悪事の足しだけだよ。

誰が毒を盛ったのかなんて、誰も気にしちゃいない。


だから、

毒を盛ったのはドリス。

令嬢の細腕で殺し切れなかった場合の保険に用意した計画的な犯行。

それでいいだろ?

上層部もそのように処理しているさ。


...。

ジムのカップについては、その...うっかりだな、てへぺろってやつさ。


茶会の主催ではないドリスに毒は盛れないって?

あれだ、死んだ従女と共謀してなんかしたんじゃねーのか?

魔女の信奉者ならどんな汚れ仕事でもやるだろ。

事が済んだら従女に身投げさせて証拠隠滅とか、

魔女らしい所業で結構じゃねーか。



はい、この話題はこれでおしまい。

もう事件から一月経ったんだよ。

これ以上蒸し返して何になるってんだ。だからこれで終わり。な?


...おい、絶対に記事にするんじゃねーぞ

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