表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/14

ロイスの取材記録(1)ー フィン嬢の回顧 ー

わたくしがトリム子爵家のフィンです。

ええ、取材を始めていただいてもよろしくてよ。



__________________


グラットン公爵家のリズ様はとても愛らしい方でした。

眩いほどに輝く金髪、心音に合わせるように変わる豊かな表情、

親しみを感じるその振る舞い。

わたくし達の周りにはリズ様を疎む者は誰もおりませんでした。


そんなリズ様が唯一表情を曇らせる時がございます。

ご自身の家族についての話題の時です。

そもそもリズ様が進んでご家族の話をされることは

少なかったと記憶しています。

例外があるとすれば、ドリス様に対してでしょうか。


ドリス様の話題をされる時のリズ様は、

紅の目を輝かせ、とても誇らしげでいらっしゃいました。

ご家族の中でもドリス様とだけは、きっと深い姉妹愛を育んで

いらっしゃるのでしょう。リズ様からは親愛を感じましたから。




ドリス様も同じバーンハル学院に通っていらっしゃいます。

リズ様とご一緒にいるところで、わたくしも何度かお会いしたことがございますよ。

ただ、わたくしはその....あの方を苦手に感じておりました。


もちろんドリス様も素晴らしい方なのですよ。

艶やかな銀髪、見惚れてしまうほどに整ったお顔、令嬢然とした所作、

柔らかな物腰。同じ貴族の令嬢として羨望を向ける存在です。


ですが、わたくしには時より、物喋る人形のように思えることがあるのです。

常に社交的な笑みを浮かべ、一線を引きこちらへ踏み込むことのない姿勢は

無機質さ、冷たさを感じるのです。ドリス様の感情を見て取ることができないのです。


リズ様に対する接し方も同様です。

お屋敷では異なるのでしょうか。

リズ様がなぜドリス様に対して、これほどの親愛を向けているのか

首を傾げたくなるのです。


これではまるで一方通行の片思いのようではないですか?

次回の投稿より、23時 定期更新でいきたいと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ