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ロイスの取材記録(1)

事件名: 鮮血の魔女(グラットン公爵家 惨殺事件)

通し番号: 017


取材日付: XXXX.07.29

場所(取材回数): バーンハル学院(2)

対象(取材回数): トリム子爵家 フィン嬢(1)

取材者: トミー・クライス、ロイス・ワーク(記)


◆◆◆◆◆◆◆◆


真実というものは唯一ではあるが、

人の目の数だけ万華鏡のように見え方が変わる

というのが私の持論である。

その点においては、元従女ミサの死によって一つの目が

失われてしまったことを残念に思う。


彼女が最も真実に近い存在だったのか、

世間で言われている通りの盲目的な『魔女の信奉者』だったのか、

彼女との対話を通じて知る術はもう存在しない。

幸いなことに、彼女は手記をもって己の真実を記録していたはずだ。

彼女の目については、手記の入手に期待したいと思う。



死者を冒涜するつもりは毛頭ないが、

己の命を対価に主義主張を行った彼女のやり方は

多勢の悪意の前では非常に無力であったと私は思う。

多勢の悪意に対抗するのは、私たち報道に携わる者の役目だ。

彼女の意思をこのペンに引き継ぎ、真相解明に力を注ぐことを

改めてここに誓おう。


では、私の役目とは何なのか。

グラットン家の屋敷外での一家に対する目を見つめることではないだろうか。

そこで、バーンハル学院にて取材を再開することとする。

青春を謳歌する学生たちの目に映る一家を追い求めたい。



ところで、今回は非常に不本意ながらトミー記者も同席することとなった。

......彼を新聞社の一室に放り込んで鍵を掛けておくことはできないのだろうか。

もう既に胃がキリキリと痛むのだけれども。

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