恋人は斎宮
茜さす
優しき君の
下萌に
徒らに指
あそばせて
夜分に響く
しもた屋に
慈しみては
愛わたりゆく
闇中は
しとど濡れ落ち
いかばかり
熱き血潮に
やけどすら
しかねぬ君の
いとほしさ
浅ましき男の
遣る瀬なき性
しかばねに
至るまでもと
喘ぎつつ
疚しさ共に
死の床へ
行く末願ひ
あくがれて
止みて微睡む
四肢緩ませて
夢過ぎて
曉月登り
屋中には
東雲の光
否めずと
愛に萎えたる
やつがれの
下向く想い
痛み悟れよ
明けぬれば
闇脱ぎ捨てて
しづとした
斎姫あり
妖し我が君