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7話 第一回会議前半戦ー01


「他に、質問は?はい、孝示。」


「また俺?………まあ3人しかいないからな。……………そうだな、また会議の名前の事なんだけど、本部会議っておかしくないか?せめて「本部の会議」だろ。」


「却下。」


「何故?」


「漢字で統一した方がかっこいい。」


また意味の分からん事を。

「かっこよくても、意味が通らなかったら、それは駄目だろ。」


「駄目じゃない。忘れちまったのか、孝示?俺たちの会議は、いつだってかっこ良さ優先だったじゃないか。なぁ、なぎ?」


「そうだねー。」


そうだったっけ?

そんな記憶は、俺の中に一切残っていないのだけれど。

でも多分、渚ちゃんがそう言うのだから、俺の記憶の方が、どうかしているのだろう。

「そう、だったような気もする。分かった、その名前でいいよ。」


「他に質問は?無ければそろそろ本題に入ろうと思います。ちなみに、会議名は、随時募集中です。かっこいい名前を思いついた人は、どしどし応募して下さい。」


応募?

ここには俺たち三人しか居ないのに、変な事を言うなよ。

幽霊の類は信じていないが、さらりとそういう事を言われると、気持ち悪いだろ。

会議モードのコイツだけは、長い付き合いだけど、未だに理解できない。

まぁ多分これから先、一生理解出来る事は無いだろうけど。


「はい、質問。」

俺はもう特に質問はなかったんだが―――というより、質問なんて最初から無かったようなものだけど―――どうやら渚ちゃんはまだあったみたいだ。

元気よく手を挙げる。


「ん、どうぞ、なぎ。」

お茶を一口啜りながら、緒田が応じる。


「いつも使ってたホワイトボードは、今日は使わないんですかー?」


その口ぶりが、小学生が先生に質問する時みたいで、少しおかしかった。

他の奴だったら、小学生かよ、と突っ込む所だけど、渚ちゃんは可愛いから、そんなのどうでもいいや。


「あ?ああ、そうだったな。久しぶりだから忘れてた。確かにアレを使った方が、雰囲気出るかもな、………………ちょっと待ってろ、捨てては無い筈だから。」


確かここら辺に、と呟きながら、押入れをごそごそとする緒田。

それにしてもよく覚えていたな、渚ちゃん。

俺だって、言われるまで忘れていたのに。


10秒とかからずに、緒田がホワイトボードを引っ張り出してきた。

薄汚れてはいたが、まだ十分使えるだろう。


「それにしても、よく覚えてたな、なぎ。」

埃を払いながら緒田が言う。


「私はよーにー達が忘れてた方が驚きだよ。」


「二年も経つとさすがにな。単純になぎの記憶力がいいんじゃないか?なぁ孝示。」


俺に振らないでくれ。

「………そうだな、正直俺も覚えてなかった。」


「えー、酷いよ二人ともー。」


「う、ごめん。」

と素直に謝った俺に対し、緒田の奴は、


「まぁそんなに怒るなって、なぎ。でもお前のその記憶力の良さは、きっとこの先、おおいに約に立つぞ。」

と、自分勝手な事を言っていた。


いやいや、お前も謝れよ。


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