5話 緒田の逆襲ー02
「では、第一回【事件特別捜査本部会議】を始めます。」
緒田が、急に声を張り上げる。
そうか、そういえばそうだった。
こういう会議みたいなの、昔から好きだったな、緒田は。
小さい頃は、
【あのにっくきガキ大将を何とかしようの会】とか、
【夜の小学校に忍び込んで、本当に怖いのかどうかを見てみようの会】とか、
【500円玉だけで、本当に50万円も貯めれるのかどうか検証する会議】とか、
まぁそういうくだらない事をよくしたもんだ。三人で。
それが。
今ではこのありさまだ。
呆れてものも言えない俺の隣で、ぱちぱちと、控えめな拍手が起こる。
そんな仕草も、やはり可愛かった。
俺が見ているのに気づいたのかどうかは知らないが、
ふと、渚ちゃんと目が合ってしまった。
慌てて目を伏せる。
………露骨な反応をするべきではなかったが、恥ずかしくて、どうしようもなかった。
おそるおそる視線を上げる。
また目が合う。
今度は視線を逸らさない。
さすがに俺にも意地がある。
俺のその挙動不審な態度をどう解釈したのか知らないが、渚ちゃんは柔らかく笑ってくれた。
昔と少しも変わらない、否、昔よりもさらに美しい笑顔で。
またも目を逸らしそうになる。
が、ぐっと堪える。
渚ちゃんは、俺の目と、手元を交互に見ていた。
「……………。」
仕方なく俺も拍手する。
緒田も何故か拍手を始め、しばらくの間、三人分の拍手が、狭い部屋に響いた。
そんな空気が俺は、何故か少し心地よかった。