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番外編-08 そう思える私がいるのですから。



 関係が変わったと私、美優にも3人から話がありました。聞いたときは驚きでしたがよくよく考えると蒼汰くんに姉さんと千夏先輩ふたりが迫る構図は以前から知っている私にとっては前となんにも変わってないじゃないと思ってしまいました。


 ですが新見くんにとってはやはり大きなことでしたから一応相談に乗っている身として心配していたのですが、新見くんは


「山口から直接話は聞いたよ。聞いたときは納得は行かなくてさ。もどかしくてさ。山口を殴っちゃったんだよね。でもさ、遠藤先輩が受け入れたのに関係のない俺がいつまでもそう思ってても駄目だなあって。だから今は遠くから見守るしかないかなあって」


 そう言うのでした。私は思わず


「新見くんは諦めないんだ……」


 と聞いてしまいました。すると新見くんは


「諦める諦めないじゃなくてさ。遠藤先輩を好きな気持ちは俺の中にあるわけでそれを否定する気にならないから。だからさこの先どう変わるかはわからないけどその気持ちがある限りは遠藤先輩を思ったままで居るかなあ」


 そう私に答えてくれました。




 でも実際は週一回の昼食時に新見くんにとって辛いものを見せつけられるのです。千夏先輩ももう遠慮なんてしなくなりましたから。千夏先輩は新見くんにもそのことは伝えたそうです。「周りなんて気にしないから。蒼汰くんが好きだから」と。


 たまに相談で「ああ遠藤先輩可愛いけど……山口めー」なんて冗談交じりに愚痴を言うようになった新見くん。それくらい私で良ければ聞いてあげようと思うようになり、以前よりも新見くんと話して過ごすことが多くなりました。


 また、昼食時も新見くんは私によく話しかけるようになり、よく考えれば中学時代よりも付き合いが深くなっているいるんだなって不思議に思うのでした。




 そんな時間を続けていれば少しは気になってくるもので、新見くんのことを知りたいなんて思う私が居ることに気付くのでした。恋愛でいう好きとかそういうんではないのですけどね。

 ただ言えるのは彼との付き合いが私の心を少しずつ軽くしていってくれているのは確かなんです。圭佑くんのことを考える時間が少しずつ 少しずつ減っているんだなって。


 だから私は姉さんに「亜美さんに会うから連絡をとって」とお願いすることにしました。


 


 もう大丈夫だとそう思える私がいるのですから。

お読みいただきありがとうございます。

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