第61話 圭佑のお願い。
本日これが2話目になります。1話目を読まれてない方は1話戻って読んでくださいますよう宜しくおねがいします。
今日の昼食の輪には圭佑が入っている。そのため美優は欠席だ。
なぜ圭佑が来ているかと言うと俺にだけでなく美樹にもお願いがあるらしく話がしたいとのことだ。
「せっかくの団らんにお邪魔してすいません」
圭佑は畏まってそう言った。
「いえ。蒼汰さんのお友達ですから問題ないですよ? よかったらいつでも来て下さいね」
「そうだね。蒼汰くんの友達なら遠慮はいらないよ」
ふたりは笑顔を浮かべてそう言ってくれる。本当に俺にとって唯一と言っていい男友達の圭佑を受け入れてくれることは感謝しか無いよ。
「で俺と美樹にお願いってなんだ? 俺にならわかるけど美樹までって」
みんなで昼食を取り始めてから俺は圭佑に会話を切り出した。
「ああ、今度の日曜日に亜美姉ちゃんがデートするって言い出したわけなんだけど蒼汰を連れてこいって言っててさ。ダブルデートをしようって」
亜美姉ちゃん……何言っちゃってんの?
「大体圭佑と亜美姉ちゃんがデートって今更だろ? 今まで似たようなことしてたわけだし」
「蒼汰の言うとおりだね……ふたりでお出かけなんて腐るほどしてるよ。だから亜美姉ちゃんダブルデートがしてみたいって言いだしたわけさ」
「デートじゃ物足りないからダブルデートがしてみたいと……そういうことか。というか相変わらずだな、亜美姉ちゃん」
圭佑と付き合いだしても全く変わらない亜美姉ちゃんに俺は少し呆れてしまった。
「まあそういうことだね。それで遠藤先輩には申し訳ない話なんだけど蒼汰と相楽先輩にも一緒に来てもらいたいと思ってさ。まあそれがお願いだよ」
圭佑も千夏の気持ちを聞いているためか申し訳無さそうな顔をして話してくれた。とりあえず内容はわかったけれど、俺としても千夏を置いていくのは俺は嫌だなあと思っていると
「蒼汰くん、美樹と行ってあげて。私のことなら良いから」
千夏がそう言ってくれた。でも……と躊躇する俺に
「そりゃ私も行きたいけれど今回は我慢するから。ただし私からひとつお願いがあるんだが良いかい? 」
お願い事をしてくる千夏。さて……出来ることならするけれどなんだろうと思いながらも
「ああ出来ることならするよ。なに? 」
俺が尋ねると千夏は顔を赤くしながらも
「後日、私ともデートしてくれ。ふたりでね」
というお願いをしてきた。それならいいかなと俺は美樹を見てみると少し頬を膨らませながらも
「千夏ちゃん、うまいことふたりきりのデート取り付けましたね。私の場合たしかにふたりでデートですがダブルデートですから……ほんとのふたりきりじゃないです。でも斎藤さんのお願いですし、蒼汰さんも手伝いたいと思っていると思いますから……我慢します。それにふたりきりのデートは今後出来るでしょうし……」
そう言葉にしてなんとか受け入れてくれたようだ。
ただ、美樹のほうが膨れてしまうというわけのわからない状況になってるのはどういうことだよ。とりあえず
「ああ、わかったよ。後日千夏とデートするよ」
そう千夏に告げた後
「圭佑、そういうことだから日時を後で連絡してくれ」
と予定を連絡してくるように話しておいた。俺の言葉を聞いた圭佑は
「わかったよ蒼汰。それと遠藤先輩、相楽先輩ほんとにすいません。ありがとうございます」
ふたりにお詫びとお礼を告げていた。
それを見た俺は亜美姉ちゃん、圭佑を困らせてばかりなんだろうなあとその状況を想像してしまい苦笑してしまうのだった。
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