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第02話 お断りさせていただきます。



「はい、ではいきなりですが、相楽 美樹は山口 蒼汰さんに恋をしています。よろしければ一週間限定で恋人になっていただけないでしょうか? 」


 いや、ほんとにいきなりでした。相楽先輩が俺のことを好きってこと? でもよくわからない。俺、告白されたんだよな……多分。ただ、一週間限定ってなに? 恋人になるのに期間限定? ちょっと何言っちゃってんの? 俺馬鹿にされてんのかな? 遊ばれてるの? それとも、私と一週間付き合えてよかったねって後で言いたいわけ? 何この先輩。いかん……思考が停止するわ。。。こんなの。


 俺の思考が固まっているところに、遠藤先輩が


「美樹、多分山口くんは困惑してると思うぞ。告白したのに期間限定とか、普通私でもいきなり言われたら理解できない。」


 横からフォローを入れてくれた。


「あっそうですね。すいません、私としたことが。えっとですね、期間限定の理由ですが私は山口さんに恋してしまいました。理由は……すいません、秘密です。恥ずかしいので……

 ですが、私は多分学生生活でしか本当の恋愛はできません。家庭の事情というところなのですが。ですので1度位は本当に好きな人と恋人になってみたいと思い、今日はお話をさせていただきたいとお呼び出しさせて頂きました。」


 横にいる遠藤さんを少し見て、相楽先輩はそう言った。


 ふむ、どうも先輩は俺のことを本当に好きになってくれた感じ? まあ、恋愛ごとが苦手な俺だから良く判断ができないが。ただ、俺のことを見ていてくれるんだろうなあ、それは嬉しいことだけど。だけど家庭の事情かぁ。でもさぁもし別れたくないほど好きになったらどうすんの? 引き離されるの? まあ俺がそうなるかと言うとそんな未来が見えはしないが。それにさぁ恋愛できないって聞くと許嫁? 婚約者? でもいるんじゃないの? って感じがする。もしいるなら浮気じゃん、俺そういうの嫌いなんだけどなあ。


ちいと聞いてみるか。


「えっとすいません。ひとつ聞きたいんですけど、家庭の事情って許嫁か婚約者でもいるってことですかね? 」


 と聞いてみると、相楽先輩は……困った顔で、


「はい、顔も性格も何も知らない方なのですが許嫁がいるそうです。学生生活が終わったら……多分その方と結婚することになるかと思います」


 ふむ、やっぱりそうだった。ということは返事は決まりだなぁ。せっかく俺のことを見てくれる人が現れたのかなって思ったんだけどなあ。


「でしたらその返事ですがごめんなさい。お断りさせていただきます」


 俺は淡々と断りを入れた。


お読みいただき有難うございます。

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