第11話 姉さんはぽんこつでした?
私、美優は家に帰宅後自分の部屋でくつろいでいた。
コンコン
「美優ちゃん居ますか? 」
姉さんが来たようです。私と姉さんとの仲は姉さんからすり寄ってくるということもあって良好です。よく姉さんと比較され嫌な思いをしたりすることもあるけれど、それは姉さんのせいではありません。人の心をわからない周囲が悪いだけだから。だから嫌ったりはしません。
さて、今日もまた山口くんのことでも話に来たのでしょうか。
「姉さんですか? 入ってもいいですよ」
私は姉さんに入室の許可を出しました。
「美優ちゃん羨ましい……」
いきなり羨ましいと言われてしまった私。
「えっとどうしたんですか? 姉さん」
「だって山口さんと今日お話してたでしょ? 私もしたいです」
そういうことですか……
「山口くんとは今までも話すことはありましたよ。今日は姉さんのお気に入りの方がどんな方か気になって話しかけてみました」
「私も早く気軽に話しかけられる関係になりたいです」
姉さんは少し落ち込んだ感じでそう言いました。
「姉さん、思うんだけど、まず山口くんと友達になったらどうですか?恋人の関係は断られたわけですけど、友達になれれば気軽に話したりしてもいいでしょ? 」
その言葉を聞いた姉さんは、今にも飛び上がりそうなほど喜びに満ちているように見えました。
「美優ちゃん頭いいですね。私考えつきませんでした」
「美優ちゃんありがとね。さて、千夏ちゃんと作戦考えなきゃ」
そう言って姉さんは部屋を飛び出していきました。
姉さんは喜んでいるようです。ですが、なぜ姉さんは山口くんに対してはこんなにぽんこつなのでしょうか? いつもの姉さんどこへやらです。
はぁ、千夏先輩、姉さんの相手大変ですね。頑張って下さい。
お読みいただき有難うございます。