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新世紀の殉教者

Bの墓碑銘

作者: keisei1

 風が吹く 一際強い風が


 それは僕と君達を 永遠に隔ててしまったようだ



 僕と君は親友みたいに 時に近づき 離れ


 いさかい 手を取りもしたけれど 所詮は他人だ



 僕は今 心安らかでいる どうか僕の死が


 君の心を かき乱さないように 願うばかりだよ



 僕が時に自分の死にだって 無関心でいるのは秘密だよ


 だって人は 命あるものは 全て死すべき時が来るのだから



 テレビでは そう 藻屑と消えた あの宇宙飛行士と同じように


 僕の死が報じられているけれど 君は無関心でいいんだよ



 僕と君は所詮他人 僕の死は君には関係ない


 だから君は 君自身の人生を 精一杯生きればいい

 


 僕が時に自分の訃報にでさえ そっぽを向いているのは秘密だよ


 なぜって人は いや 命あるものは いつかは死ぬんだからね



 今は 幼い頃手にした サキソフォンの音色が ただただ懐かしい 


 ビートニクスの「路上」も 僕が手にしたドラッグも


 「ASHES TO THE ASHES」 灰から灰へと葬られるのを願うばかりだよ



 僕との想い出が 色鮮やか? たしかにそうだけど


 僕の人生は泥まみれでもあった それは君も知っていること



 どうか僕には もう近づかないでほしい そっとしておいて欲しいんだ


 僕は僕自身の 目まぐるしい人生を 少し一人で振り返ってみたいんだ



 僕が時に 自分の生死にだって 背を向けているのは秘密だよ


 なぜって 人はみな 命あるものは 死に行く運命だからね


 

 僕は言ったよね 「君と僕が再会する時 他人であるのは幸せなことだ」と


 この言葉ほど 今の僕の胸に 染み渡るものはない だって所詮は他人なんだから



 君が泣くことはない


 君が涙することはない


 君が落胆するはことない


 君が打ち沈むことはない


 

 風が吹く 一際強い風が


 それは僕と君達を 永遠に隔ててしまったようだけれど


 僕は時に この場所へ もう一度 降りてくるかもしれない


 その時は ね 分かるだろう?


 

 STARMAN 彼はやはり空で 僕を待っていたんだね


 それじゃあ さようなら



 つくづくも懐かしいよ あのサキソフォンの音色が



「ビートニクス」とはアメリカの文学運動の一つ

「路上」とはボウイ氏が、思春期に影響を受けた著作の一つ

「ASHES TO ASHES」「STARMAN」とはともにボウイ氏の代表曲の一つです。


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