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詩log  作者: 箕雨シキ
9/10

log9

 Poem - log9



また一歩

歩き続けて足が痛いかい

考える脳がつかれたかい

光はまだ、消えない

また一歩

小さな段差をのぼったね

道は果てなく、長いだろう

道中、辛くて泣いて、道の終わりが見えなくて

吐いて逃げたくなるだろう

でもね、君の周りは色に溢れているのだから

また一年後、また一歩進めばいいんだよ



 ----


そのやいばがこの胸を抉るように

その苦しみが甘美に僕を誘惑する

溶けて混じって泡立って

存在と言葉をなくした僕

気づかないうちに溺れてく

甘い甘い海の底

羽をなくして飛べない鳥は

目をつむって吐き出した



 ----


記憶になくたって、感覚は覚えてる

忘れていく 流れていく

色彩鮮やかな感情

どこまでもそばにいて

いつまでも忘れないことはないから

苦しいと、辛いと感じ、疑問を抱き不満を感じても

その手を取ることをやめない

その体を抱きしめることをやめない

あなたの命がある限り、ずっと変わらない



 ----


わからないけど、わからないなんて言えないの

嫌だけど、嫌だなんて言えないの

そういう、場所



 ----


気まぐれ猫の声が泣く

聞こえない振りして目を閉じた

人の驕り

部屋の隅っこ一人でぽつり

見えない振りして耳を塞いだ

人の弱さ

何も見えない聞こえない 真っ暗闇の世界

誰もいない 人の世界

人間の 世界



 ----


見慣れない景色、光景

初めて見る創造の世界

触れて見える世界にひとり

ぽつんと立つ ひとりきり

怖さや不安よりも 際立つ思い、感情

はじめての土地 その思いを胸に踏み締める

見慣れない景色 見果てない景色にひとり

ぽつんと立つ中

景色に守られている僕 ひとりきり



 ----


夜の音、さみしいと聞こえた気がした



 ----


寝ることは

休息、救済、安心、安堵。

確認、回想、拒絶、孤独。

そして、逃避

であるというのに、いや、であるからこそ

人はみな、また眠る。



 ----


新しい時代に臆するより、動き出す歯車に笑いかけたい

ともに歩むことを誇りに、流した涙を互いに拭う

夢を見ているからって、非現実的だと誰が言った?

臆するな、律するな

ともの姿を心に感じて、残酷な世界に笑いかける

君の時代を歩む君に、最愛の敬礼を



 ----


雨の香りにさらされる体温、髪型がうまく決まらない日

やっぱり少しうっとうしいのに、君は雨に楽しげにはしゃぐ、はしゃぐ

素直じゃない僕、ぬれたかさを振り回す

湿気にふわふわの君の髪、雨の香り

ぬるま湯につかるような、雨の香り

君はまだ、隣ではしゃぐ、はしゃぐ。雨の香り



 ----


いつか君がいなくなったら

そんなのは妄想だと笑い飛ばすのが、少し難しくなってきたのです

それは僕が弱いせいでも、君が頑張ったからでもない

ただとまらない時間の流れの中で、君のそばにいたいだけ

いつか君がいなくなるその時にも

そばにいて、出来れば笑って抱きしめていたい

ただそれだけ



 ----


自分が何をしたいのかと問う、荒んだ甘え

どこにでも転がっているのに

人は逃げ出したいと想い続ける

安寧を求めて

耳を塞ぎ、隠れてまでも求めている

常に問い、逃げ続けながら

求めているのは、変わらない秩序、安寧



 ----


悲しさがないなんて、誰が言ったの?



 ----


のぞきみた、景色の前で

泣き崩れた 足が震える

また泣いてるの? 同じようにまた

まだ泣いている、同じようにまだ

見てはならない、景色の前で

同じように、何度も同じように



 ----


僕らはそれぞれ、自分の階段を駆け上がる

あると信じた頂上を目指して

自分の納得できる答えを求めて

ずっとずっと、たどり着くまで




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