表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
詩log  作者: 箕雨シキ
8/10

log8

Twitterでの企画および、ハッシュタグ使用作品を含みます

 Poem - log8



忘れられない想いがあった。過去の話

抗えない衝動に負けていく

流れて、その果てまで

償えない罪を抱いている。現在の話

蝋燭に手をかざし、触れてしまった僕の罪

暖かな火を、灯してしまった罪

君の頬を伝うのは汗か涙か

それでも僕は、謝らない。夏の話

#夏色デイズ



 ----


また遠くで一つ。一つ聞こえた破裂音

身体中を駆け抜け地面へと響く音

ぴりりと空気を散らす音がする

また一つ、音は視覚的に破裂する

隣を歩く君も、一緒に見上げる

二人で、空を見上げる

じわりと夏の暑さに目眩、くらり

また遠くで一つ、破裂した音

器用に切り取られた、二人の世界

#夏色デイズ



 ----


僕たちは何度も交わる

ゆめは幻、映らない美

蛍の物語、そして君の物語

その美しさに身を打たれ

物語が交わる点で

僕たちは互いの光をうむ

全て違うから交わり

交わらない点で僕はまた

憧れる、夢を見る

夏が終わり、またはじまっても

この物語は変わらない

#夏色デイズ



 ----


空いっぱいに広がる白が

わたしの視界を眩しく染める

雨の音、形ない音

夏の雨空は少し違う

白くて、そして明るい

またあした、きっと澄み渡る青を覗かせる空

ひとときの休息、雨の音

またあした、きっと騒がしいくらいの夏が来る空

ひとときの雨、光を待つ雨

#夏色デイズ



 ----


相手にどう劣っているかを考えるより

自分には何ができるのか考えよう

もしかしたらそれは

相手にはできないかもしれない

きっとそれは、君の誇りだ、意地だ

揺れ揺られる波の中に浮かぶ

紛れもない、事実だ


 ----


相手にどう劣っているかを考えるより

自分には何ができるかを考えろ

もしかしたらそれは

相手にはできないかもしれないから

嘆きの恨みより、裏返した恨みを持って進め

自分はこんなことができるんだぞ、って

胸を叩いて歩け、歩いていけ



 ----


すべての解答は、死ぬことじゃなく、生きることだ



 ----


息を吐く、吸って、また息を吐く

目を閉じて息を吐いて

目を開けて息を吸う

まるで世界の一部であるかのように感じて

また息を吐いて、吸って、息を吐く

上も下も後ろも前も

友も苦しさも愛も後悔も夢も何もかも

すべて世界の一部なら

属する輪を抜け出さず、抜け出せず

今日もまた、息している



 ----


浮かぶ点と点が線をつなぎ

線と線は互いに絡まり互いにすり抜けていく

いつでも君のそばには点があって、線がある

一人じゃないし、一人になれる

僕たちは互いが互いを少しずつ知っていて

少しずつ重なり合って色彩を放つ

ほんの少しの絡まりが

僕らをこんなにも鮮やかに、彩り続ける



 ----


セピア色の世界で輝く、その諦めない瞳

願っても僕は、瞳の先を見ることはない

いつまでも変わらない色彩の中

君の瞳をみている時には

僕はまるで僕じゃなくなる

セピア色の世界、君に負けた、僕

手を伸ばした先、鏡中に映るのは

つまらない色の、僕の瞳



 ----


鳥のさえずりを聴く暇さえないのなら

僕たちはなんのために

何をしているのだろう



 ----


暗闇の中、ほとんどの声が聞こえない頃

時々はいりこむ隙間風

身体を撫でて消えていく

そんな風にさえ

僕たちは、怯えながら暮らす

何度も何度も

懲りずに怯えながら、暮らす



 ----


ヒトは漫然と生き、漫然と死ぬものだ



 ----


眠れない夜に願うこと

愛か、欲か、どちらにしたって

所詮は自分自身のためで

眠れないから愛を歌うとか

眠れないから欲に塗れるとか

どうせ、どうせ、自己嫌悪

また夜空の星に笑われる

繰り返す同じ時

眠れない夜になると

人間は身の程知らずに姿を隠す

結局は、自分のために



 ----


(常闇)

瞼を閉じてやってくる闇は

瞼の裏の景色で

僕が目を閉じる時

眼は休むことなく働く、働く

本当の闇が見えないなら

今とらわれている闇は、

きっとまばゆいほどの偽物の闇

そんな闇に屈服するくらいなら

常闇に呑まれてしまえ

僕が目を閉じるのは

本当の光を感じるため



 ----


永久(とこしえ)の闇に

うたった唄が呼び寄せた

香しい愛情を蔑むことが

できる女であれたのならば

幾夜の哀しみも楽になるのに



 ----


貴方には見上げるような空もない

手のひらを返す世界を恨み

抱擁する愛情を蔑む

貴方には見上げるような空がない

貴方の知らない空模様から

降ってくる星は貴方には見えない

だから

貴方には見上げるような空はない



 ----


(企画参加作品、タグ使用)

見つからない言葉をじっと待って

窓越しの雲ひとつ眺める

伝えたい想いも、吐き出したい感情も

見つからない言葉にただ、抱きしめられる

揺らいだ雲の言葉だけ

こんなに鮮やかに、こんなに淡々と

響いているのに

(poem_雨に唄えば) #pw雨唄組



 ----


白々白々と、さざなみに負ける

目に見えない感情をはらんだ

怠惰をもって排除される

世界は小さいのに、僕たちは小さいのに

向けられる熱意に耐えきれないよ



 ----


まあるいおぼろ月が僕を見ているから

見上げるような野暮はせずに

背に受けて歩く、歩く

あかるい街灯が僕を照らすのは

僕が迷惑をかけないか見張る為

だからまた足を進める、地面を蹴る

そして歩く、歩く

雲が月を隠したから

僕は空を見上げて笑ってみる



 ----


この星の真ん中で空を見上げる

暖かい闇の中、円を描く雲

広い世界のたった一点

僕が見上げたその瞬間から

ここが星の真ん中、たった一人

まろやかな闇の中、白と灰の雲

この世界を見上げた僕は

胸の鼓動と一緒にまた眠る



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ