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詩log  作者: 箕雨シキ
7/10

log7

 Poem - log7



色鉛筆で書いた昔の空

鉛筆で書いた未来像

万年筆は僕の足元を照らしていて

消えていく思い出と、記憶の消しカスは

しらないままにゴミ箱に捨てられる

この弱い僕の、輪郭を描いたのは

アクリルの絵の具の色彩

願いと言葉を書く墨汁を眺めながら

また明日の白い紙へと

足音が響いていく



 ----


ならばその道から目を背けるな

いくら逃げたい道であろうとも

数ある道からそこを選んだお前なら



 ----


あくびの数だけ、声が漏れていく

止められない声を聞いて欲しいのか

聴かれたくないのか、わからなくて

それでもあくびは絶えず溢れるから

苦しいのか嬉しいのか、わからなくて

喉の奥から漏れて、消えて

諦めて、今日も寝ることが休息

逃げて逃げてまた明日



 ----


砂糖だけを食べていたい。甘い甘い、誘惑。



 ----


何かに手を伸ばして

なんで生きているのかと問いかけて

それなのに見えないものは、掴めなかった

求めていたって手に入らない

望んでいるから、苦しいんだ



 ----


染み付いた夢を引き剥がそうとして

うまくいかずに身体が泣いた。



 ----


吐き出す口を今、求めてる

その先に踏み出す勇気よりも

今はここでとどまっていていいのだと、思わせて

目を閉じて、吐いてしまう前に



 ----


脆弱なセメントに顔をうずめた



 ----


君の中にある嘘つきが

僕の心を揺さぶるから

さらわれた本当に手は触れない

伸ばしても伸ばしても

君の中には嘘つきが住んでいる

嘘つきは笑う、泣いて、また笑う

僕の言葉は、届かない



 ----


また僕は耳をすまして、声を聞く

小さな名もない、綺麗な声を

目に見える、小さな声を



 ----


線香花火が落ちる前に

君の涙が落ちる前に

僕の手は、それを掴めるのですか



 ----


やってみたら、見えない物が見えてくる

怖がらないで、逃げないで

たまには一歩を、大きく踏み出してみる

そうすると、新しい何かが、仲間が、世界が

そこには広がっている

気づいたら、自分もその一人になっている

辛いことも、悔しいことも

君の一つだから

たまにでいい、ほんの少し

いつもより大きな一歩を



 ----


夢のない夢物語

愛のない恋愛遊戯

罪のない慟哭裁判

逆さまサーカス

トリは泣き顔、洒落頭

結末を望むまで始まらない未来

苦しめられて、足掻いてもがいて、抜け出せない

書き殴った中身のない白色の紙に

暖かいスープを添えて

飲み干して咀嚼する既視感の余韻。人生書物



 ----


それもまた物語で、それもまた一つの人生

互いが衝突するのは当たり前

ただ、事実から相手を憶測するのは

おこがましいと知れ

おこがましい事をしなければ

生きていかれない自分達を知れ

それが人に与えられた生

幸せを願うなら、生きていたいなら。



 ----


”おかえり”と、言って欲しいだけ



 ----


「逃げられると思った?」

なんて君の声を思い出す

「また戻ってくるよ」

そんなことない、僕の声は震えを帯びて

「泣いて、そう。それで?君は進んだ?」

耳の奥で響くハルモニア

雑音とは言えない

僕の譜面台にあるのは正か誤か

「ほら、ほらほらほら。生きて戻っておいで」

それは、甘い誘惑の声



 ----


終わりのない”頑張れ”は、僕らを苦しめる



 ----


最初の君は死に、次の君は生きる

いつかまたその君が死んだ時

新しい君は誕生を喜び笑う

この不条理な世界に生まれた君に

最後の死が訪れることはきっとない

君の誕生日に、目一杯の憂いと祝福をこめて

この残酷な世界に

それでも生まれてきてくれて、ありがとう



 ----


ひねくれものを排他するせかい



 ----


わたしの姿は

みなもに揺れているような、偽りの姿。

ただゆらゆらと、揺れているような

わたしの姿



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