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詩log  作者: 箕雨シキ
5/10

log5

Twitterでの簡単な企画および、ハッシュタグ使用作品を含みます

 Poem - log5



身体を抱きしめるのは 自分だけじゃない

暖かい空気も 指すような空気も

ぜんぶぜんぶ 受け止める

眠くなるような布団も 抜け出せないコタツも

ぜんぶぜんぶ 感じられる

この身体を抱きしめるのは

君だけじゃないし

僕だけでもないけれど

ぜんぶぜんぶ 忘れたくないから



 ----


吐息の向こうで嘆く声に負けたくないから

いつまでも進めないくせに怒れない自分が嫌だと

僕の声は聞こえるのだろうか



 ----


頭の中の音が漏れ出す

そんな夢 あるわけないのに

甘く響くその音を

共有できたら どれほど鮮やかか

そんな夢 あるわけないのに

僕らは今日も

互いの音を響かせあう

そんな夢を 祈りながら



 ----


ふわりと甘い饅頭の味に

にやりと笑むほほが赤らむ

となりの顔にも負けない

そんな暖かさに 心が揺れる

あまり話さない君だけど

どうもまだまだ 未熟なようで

君をずっと 離したくないなぁ

鼓動より早い息に 紛れて囁く

「×××××」

たった五文字の 温もりを



 -----


(@spice5waterさんより“ヘリウムガスを吸い込んだ俺”を頂いて)

ヘリウムガスを吸い込んだ俺は

夜空まで届くだろうか

消してやめて止めてと泣いた あの夜の空まで

この身体は心は声は感情は 届くだろうか

空高く舞い上がる風船に背を向けた

なによりも早く なによりも強くと

願うだけなら 星はいらない

目指す場所はまだまだ遠い



 ----


(@togami_nanaeさんより“カラスがタンゴしてますよ”を頂いて)

「カラスがタンゴしてますよ」

あら、ありがとう。

でもカエルさん、私は器用にできないの。

「あんなに綺麗なのに」

そう、あんなに綺麗なのに。

私はちっともできやしない。

「諦めたのかい?」

いいえ違うわ、そんな野暮な事私はしない。

でも羨ましくなんかないんだから。



 ----


音割れが響く日々のヒビに

垣間見たかつての過去と加護とカゴを掴めないから

何だっていいのさとほざき叫び喘ぐ暇があるので

相変わらず進まない歩に、帆に、穂に

苛立ちをこめて 握りつぶした。



 ----


吐いた、吐いた、吐き出した

その目が陰り歪む暗い

吐いて、吐いて、吐き出した

広がる苦味に吐き気はおさまらない

とにかく口の中を すすぎたくて

また吐いて、吐いて、ただ吐いた

なにも変わらない自分に吐くより

簡単だった



 ----


(タグ使用作品)

美しく咲き誇る花より豊かなのは

枯れ果てた花を尚愛でいだ

そして祀り 生きる僕らだ

#死と言う言葉を使わずに表現してみろ

(死んだ人を忘れない僕らに 贈る)



 ----


眠るように死んだ君を

抱き込んで愛す同罪の僕を 許してくれ

(乞い願うのが罪だとしっても 僕はずっと 謳う)



 ----


片手の指で数えられる愛と

両腕でも抱えきれない愛と

両手の指が折る数より降った涙と

片腕を伸ばしても届かなかった君へ

わたしのなにかがこぼれおちるより先に

届けよ



 ----


足して引いて傾けて?

駆けたら逃げて割るなら逃げて

引きずった愛情より 割り切った感情へ

助けて足すから欠けない心

さかずき飲み干す采配ははい



 ----


雪解け水の喉越しより鋭い僕ら



 ----


甘噛みした 闇よりもっと深くまで

手の届かないそれへ 手を伸ばした僕ら

一枚の紙が静かに静かに 千切れて燃える前に前に

鍵を開けたのは後の祭り

欠いたのは愛か死か欲か富か

過ぎた時間を取り戻すのは愚か者

過ぎる時間にあがくのは 無様か憐憫か

永遠の錯覚より 強い衝動を




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