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詩log  作者: 箕雨シキ
4/10

log4

Poem - log4



わかっている癖に やめられないクセ

身を滅ぼしてもわからないなんて

どうしようもないくらいに 人間なのね



 ----


目を閉じて手を伸ばすなら

君のその手を優しく掴もう

目をあけて足を踏み出すなら

君のそばで優しく笑おう

僕たちはきっと そのくらいしかできないから



 ----


喉の奥につっかえた何かよりも

心の叫ぶ声がする

目をとじて浮かぶ世界には

ただよう量が多すぎて

僕には少し

荷が重い

――君が笑ってくれるなら



 ----


呑み込んだ言葉の数の どれだけ多いことか

涙の数なんかの 比じゃないわ

世界の端っこでまた

心の声は呑み込まれるの

――張り付いた笑顔の裏を知られたくて



 ----


月の前に涙のあとを

隠しきれない僕の弱さを

なにもかもあざ笑うように

どこまでも消えない現実

願うのは罪だと知った

動かないなら 怠惰であるなら

進まないなら 学ばないなら

なにもかもに 意味などない

忘れられない夜が終わる

僕は少し 成長できたかな



 ----


板と板の狭間から抜け出せない

物語の終わりのはじまり

始まりが終わるころにまた

板の狭間から 抜け出せない

人生なんて愉快なげぇむ

どこまでいっても 何をしたって

板に挟まれた僕らには

げぇむだってわからない

笑ってしまうくらいに単純な

人生げぇむ



 ----


赤いバラ 真っ赤なバラ 真紅のバラ 紅色のバラ

黄色いバラに隠れるように

血が溶けたような赤いバラがひとつ

花畑に埋もれる視界

うるさいくらいに響く 胸の音と風の音

静かな世界に

わたしはたった ひとりだけ



 ----


ぐらりと揺らぐ大地の上

覚めやらん誇りを抱いて

掴め、謳えと その手の夢を



 ----


恋に恋する星空がありまして

愛に愛する太陽もありまして

けれどもどちらも実らないので

次第にふたりは

恋をするのも愛をするのも

あきらめてゆくのです

散りゆくわたしたちに

与えられた時間が少ないのは

咲きゆくわたしたちが

ふたりに答えなかったから ですね



 ----


空に輝く星なんかを眺めるより

いつまでも君の隣で笑っていたい



 ----


現実逃避のポイントワン

泣き崩れるように咲き誇ったら

連れ出して

二度と目を視ない 空に残して

奇跡にすがる 馬鹿に成りきる

簡単だろう 現実逃避のポイントワン

通過したなら 進めるのになぁ

いつか夢見た 世界になるなら

現実逃避のポイントワンで

ただ少し 歌っていようか



 ----


手を握る瞬間

なにを考えてるの? なんて

花が舞うような 君が にくらしいよ

ぜんぶ分かってるくせに。なんて

僕もまだまだ 負けてないよな?

手をつなぐ瞬間

なにも考えてないんだよ

ただ つながるだけで嬉しいから

ただ そばにいるだけで

恋しいから



 ----


美しい君、哀れな君、可愛い君、健気な君

いくつもいくつもある君

どれもすべて君に違いなくて

どれもすべて本当の気味じゃない

君はその役を演じきらなければならないなんて

笑っちゃうくらい難儀な君に

僕からの 忠告は届かない



 ----


肩を並べて歩いた道

さかさまに泣いた あの夜は

いつの頃かと 笑えるよ

でもまだまだ僕は 未熟者

足りない脳みそ引っ張って

君へと続く階段にさえ

指先一つ 引っ掛けるのが精一杯



 ----


恋なんて。

それがまっすぐ聞こえてきた

風にさらわれる前だから笑ったの

でも君は 知らないふりして涙する

それがなんだか やっぱりおかしくて

わたしも一緒に 涙する

抱きしめるより先だから踊れない

さみしいな。

きっとこれは ちっとも聞こえやしないのだ



 ----


(タグ使用作品)

#もし人の死後が星ならば

愛する人を眺められる私は幸せ者ね

でもその空が

雨に雲にと曇るなら

私の涙は 報われますか



 ----


小さな瓶に 詰め込んだ夢

いろんな色に いろんな味で

たぷんと揺れる たくさんの夢

嗅いで舐めて眺めて味わう

小さな瓶に 詰め込まれた夢

輝く瓶を 傾けて

今日もまた 夢の一つを零してく



 ----


ぬるま湯に浸かりすぎた君

怠惰に感けている場合じゃないでしょ?

ほら さっさと働け

命を浪費するのも 安くないよ



 ----


存在を恨むなら 実態を恨むなら

その短絡的思考を やめにしないか




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