log3
Poem - log3
都の香り 花の香り
音跳ねて しゃぼん玉
消える前に 冬の香り
都の思い出 ふわふわり
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愛情と感情と何もかも投げ捨てて
飛び込んだ海はきっと
何よりも冷たく無情なのだろうか
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束縛しいな男なんて、苦々しい抹茶より重たいわ
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雨で落ちる金木犀
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凍るような冷たい風に
揺られおちる金木犀の花
香りを見失って
追いかけるなら逃げられて
たどり着かない夢の虹
晴れ渡るつめたい空に
遠くのぼるつばめの群れを
見失わないうちに、はやくはやくと
転びつまずき哀れなままで
手を伸ばせ
解放の丘から静かな町へ
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“とりっく おあ とりーと”
歌にのせてふわふわり
“おかしをくれなきゃ 楽しくないな”
駆ける足音お祭り色の空気といっしょ
まだ終わらない、明けない夕空
“とりっく おあ とりーと”
おねぇさんの指 愉快な音で
“お菓子なお祭り、楽しまなくちゃ”
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直接触れるわけじゃない
時に静かにたまに激しく
嫌われたりすかれたり
美しいときも鬱陶しい時も
貴方がいつも変わらないから
ただ音ばかりに木をとられて
貴方を抱きしめることができないなんて
響く音 感じる香り
どこまでも いつだって
貴方は降り落ちてくる、雨
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降り積もる雪なんかより
笑い泣く赤子なんかより
歌い踊る遊女なんかより
咲き誇る秋桜なんかより
なにより貴方の 笑顔が好き
そんなこといえないけれど
言ったらきっと はにかむように
笑う貴方がやっぱり 好き
なんだかどうにもわからないけど
ふふ、と笑うくらい 恥ずかしいなぁ
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雲の動きが早いなら
空まで届く 手を伸ばす
あまりに寒いとなげくより
ただひとつ 眠りにつくやさしさを
茜の穂にたつ赤とんぼ
目を閉じて見える景色に
ただすこし 願いをよせて
歌声に負けないように
ただひとつ 貴方のために貫く想い
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手を取り合って踊るより
ただ居心地のいい関係であればいい
その先に何があるのか
僕らにはわからなくても
ただ居心地のいい 互いでありたい
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打てば響くように広がる想い
そして響けば心の奥にまで
留まる言葉と浮かぶ涙に
違うのよ、と思わず笑うの
花が舞うように うれしいだけなの
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【欠伸】
大きな口を開けるの
目を小さく細めて
赤い口内を覗き込んで
白い歯が鋭く尖りこちらを見るの
ふぁ、涙が浮かぶころには
夜空の月が傾くわ
冷えた空気に触れるまなこに 目が覚める
ああもう少し
あと少しだけで
宵闇の奥まで 落ちていけたのに
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水を割るような冷たさと
浮かび上がる貴方の微笑み
重ね泡せた愛憎の渦
どこまでも消えないそれぞれ
指先を伝う 伝わる 伝えられない
想いは遠く 果ての水面へ
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どうしても捕まえられない
跳ねる水に飛び込むような
慌てん坊のおてんばさん
逃げてるのか 避けてるのか
ぷかぷかりと 笑って消える
見つけられない 花のよう
忘れられない 鮮やかな麻に
陽の映る 水面に浮かぶ
捕まえられない 君だけの
紫の思
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推奨のような瞳が 僕を見る
息を吸うより簡単で 単純
冷たいくらいに まっすぐな瞳
この手が触れるより先に 消える
追いかけて 追いかけて
猫が鳴いた夜
とても寒いから 逃げてるのか
その手が空を掴むなら
この手は君の目を握る
怖いかい
君の瞳が 僕には怖い
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距離感を見失った黒猫のように
弧を描く三日月は笑わない
泣きわめく 声も届かない
近いようで遠く 遠いようで近すぎる
それに気づかないなら
黒猫はこっちを見つめるだけで
いつまで経っても笑わない