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詩log  作者: 箕雨シキ
10/10

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 Poem - log10



お願い、という心の声が

貴方にも、貴方にも、貴方にも

ひとかけらでも聞こえたのなら

少しだけ、目を閉じさせて

耳を塞がせて、口をつぐませて、体を横たえさせて

わたしの声が、ほんの少しでも聞こえたのなら

お願い、貴方の優しさをわたしに



 ----


すぐに枯れてしまう 鮮やかなしあわせの色より

淡い色でも咲き続ける しあわせを抱いていたい



 ----


暖かさが恋しい

抱き合ったまま溢れた言葉

その響きの中にかすかな暖かさを感じるから

僕はこっそりと、苦笑いを君の頬に



 ----


無秩序な秋の香り

彷徨さまようしかばねに笑ったのはしゃれこうべ

つんとした秋の香り

君の手を握ってまた走る

鮮やかな秋の香り

家から家へ、君と一緒に

秋の香りを感じたならば

Trick so Treat

お菓子を片手に、君と悪戯いたずら

今だけ許される、秋の中で



 ----


好きなことを好きなように 好きなだけやっていくには

少し不安定な世界の中で



 ----


新しいことに挑戦して、必ずしも成功するわけではない

それは、得てして生産性のない、あるいは無謀なことかもしれない

けれど、その一歩を踏み出した事は

また違う道への切符になり

新しい道へと、つながっている

手にした答えだけが、財産ではない

その道の先で、きっと光は待っている



 ----


自分を自分で守るためには

ほんの少し強くあらねばならない



 ----


咲くまでに時間がかかるからって

水をやる手を止めては

その花が咲くこともなくなってしまう

君の手が、止まらなければ

きっと、花も君に答えてくれるだろう

咲いた花は、君のために咲いたのだから



 ----


向かいの君が小さな手を振るから

僕は君を抱きしめようとした手を 下ろした



 ----


何かを守るために何かを犠牲にできる人は、

どこまでもまっすぐな人

揺らがない心を持っていて、自分らしさを知っている人

人はみんな違う

当たり前で、忘れがちなこと

それは真実という言葉になって 常に君たちを守っている

でもきっと

ただ感情で弾圧する君は

まだ少しだけ 幼い



 ----


言葉について

回る感情、弾けた想像

言葉を変えて

泣いた感情、眩んだ想像

言葉に頼って

発した感情、歪んだ想像

言葉が伝える

あなたの感情、わたしの想像

ただしさ なんてわからないから

言葉が持ってる 曖昧さを

きっと僕らは 愛してる



 ----


甘い甘い缶コーヒーを片手に君を待つ

また、同じように

口の中に残ったのは、甘みか苦味か

空になった130円の重み、投げ捨て

そばにいたおじいさんの声が反響

すみませんと声が残響

ほら、また

電車が過ぎた

また、同じように

まだ、こない電車

幻想、願望

待つ、また同じように



 ----


うそつきの言葉、魔法をかけて

詩人はうそつき、うたを歌って

言葉をつむぐ、風に乗せて

嘘をついたのは誰?

人は詩人に本当を求める

君が臨んだ狭間の海に

揺られたゆたう言葉の波

嘘つきの本当、詩人はうたう

またひとつ、嘘を吐きながら



 ----


(お題使用作品 @krkrzkkodaiさん)

紙に敷き詰めた愛してるの言葉

破り捨てるも咀嚼そしゃくするも 君の自由

あなたには 僕の思いが聞こえてますか?



 ----


やりたいと思うことをやれるなら

君に力があるのだろう

やりたいと思っているのに諦めてしまうなら

君は振り返りすぎているのだろう

無理だと、端から諦めて、何も動かないなら

もったいないじゃないか

君の力を、君が信じてあげないで どうするの?



 ----


イチョウが色づいていてきれいだと

生き急いでいる人の何人が 思い出すのだろう



 ----


何かが好きだと 胸を張って言える人に



 ----


君よ、見えない優しさに助けられるなら

また同じように、君も

それが誰も、例えば君自身さえ気づかないような

ほんの少しの優しさでも

そっと微笑む人がいるのなら

この世界だって、まだ捨てたもんじゃないでしょう



 ----


寒い雨に打たれるのもいいけど

隣の君と一緒に

ココアをみっともなくすするのだって

いいかなって

風邪をひくなと

君が抱き寄せてくれるなら、なおさら

きっと風邪をひくのは君のほうだから

温かいお茶を持って君の元へ、なんて

そんな、小さな雨の日



 ----


世界に幾億の愛があるのだから

小さな心から伝えるたったひとつの愛が

その中に埋もれないようにと めいいっぱい

やわらかな色を抱えて あなたへ

届け 届け

抱きしめた暖かさを忘れないように

小さな心でも 暖かく

見えない心でも 確かなもの

愛に包まれ ともに




 ----


鮮やかな色があるのなら

その隣には悲しみの色もあるだろう



 ----


見えない光を追いかけるのは 怖いですか?

塞がれた道を切り開くのは 怖いですか?

「ああ、怖い」と

そう思える自分であるなら

逃げずに歩む、強さがあるのです

きっと、あなたの中には きっと

暖かな強さが、あるのです



 ----


目を閉じたら降ってくる 甘く冷たい雨のように

心の中に響く言葉が 汚染されているのなら

心をえぐるその言葉が 汚染されているのなら

目を開けて その口から言葉を聞かせて

綺麗に飾ったその言葉で

わたしの前に柔らかな色を見せて

汚染された世界の中で あなただけの声を



 ----


心の闇とか、思惑、言葉の裏側まで知ろうなんて浅ましい

知ったところで、もうどうしようもないのに

それなのに

知りたいと、どうしようもなく焦がれて

怨嗟を吐く姿が、おぞましい

雲に隠れた月の淡い光が

朝になったら跡形もなく晴れてしまうように

人もまた、おぼろげなものなのに



 ----


汚染されている言葉の隅の

切り張りされた壁の中

一人ぼっちの君がいた



 ----


過信するな、見誤るな

ドブに落ちるのはお前のほうだと

誰かの声を、また信じた




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