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桜の美しい日のこと…

AM.8:00――――――――――


「行ってきま~す…ふぁ~寝みぃ」


県立東高校2年初日、普段は人気のない公園も花見客でいっぱいだ

春が来たと感じられた最初の日になる

楽しそうだな~と思うと同時に俺はなぜ今日学校に行かなくてはならないんだ!と客を憎む

そんな公園を横目で睨みがら自転車で通過すると…

………………事故に遭う


「危ねぇー!!」


ガシャンッ!


「ってぇ!おい、大丈夫か?」


「っててて…大丈夫です………!」


……あっ!

見覚えのある顔だ

小柄で華奢な体、生意気な目付き、トレードマークのランドセル……は、ねぇな

少し長めの髪は短くなってはいたものの………


「よう、久しぶりじゃねぇか希來きく


はっきりと覚えていた

今年の冬に知り合ったあの坊やだ


「て、てめー!………誰だ?」


………泣くよ?泣いちゃうよ?((T_T))

酷くね?忘れるなんてあんまりだ!


「あ!思い出した

女装趣味を持つ変態ヤローか!?」


……泣くよ?泣いちゃうよ?((T_T))

酷くね?なにその覚えられ方!


「いやぁ久しぶりだな、哉翔かなとも今日から新学期かぁ」


「ちゃんと名前覚えてんじゃねぇか!!

つーか、えっ何?お前あれは?ランドセルは?

なに学ランなんか着てんの?」


お返しだ!


「はぁ!?ケンカ売ってんの?フツーに考えればわかるだろ!中学生!!おれ昨日から中学生だ!!」


ははは~

ケンカ口が治ってねぇな

っと、そろそろ行かねぇと遅れるな

話しすぎたな


「あぁそうかい、頑張んな~じゃあな」


相変わらず適当に受け流す


「ちょ、ちょい待ち

お前なんで今日学校なんだ?明日からだろ?」


ほぉ~(゜〇゜)

よく知ってんな


「今日は入学式準備、午後から入学式なんだよ

だからまぁ、昼に帰れるね

お前は昨日入学式だったんだっけ?」


そうなのです、今日は新二年生は入学準備なのです

無駄に一日登校日なのです

あぁ~かったりぃ


「そうだよ、まぁ精々頑張れば?」


なんだその半端な言い方は


「まぁ、どうもとでも言っとくかね

んじゃそーゆーわけだからじゃな」


「おう」



゜.゜.゜.゜.゜.゜.゜..


セーフ!!


「おせぇーよ哉翔、後5分で遅刻だったな、チッ」


おーい、今チッって聞こえたんだけど気のせいか?

まあ、いいけど…


「わりぃ、さっき事故った」


「…ひき逃げか」


「ちげーよ、衝突だ」


「ホントはひき逃げダロ?」


「だから違うって!

お前らどんだけ俺を加害者にしてぇんだよ!!」


コイツらはもう一人の俺(女装)の事を知る

唯一の友達

からかい口調の方が去年同じクラスで仲良くなった

籠山こみやま つむぎで、幼なじみの真面目そうなやつが

望月もちづき 薔一そういち


「あっそーいえば薔一、さっき先生が

お前探してたよ?生徒会の仕事じゃね?」


「そうか、じゃあ行ってくる」


こう見えてソウは生徒会書記である

どうやら今日は俺達とは違う仕事が入ってるらしい


そんなこんなでかったるい仕事が始まった

もういっそのことサボろうか…


「哉翔~、屋上の鍵持ってきてよ~」


………どうやら紬も同じ事を考えていたようだ

因みにウチの高校は屋上への

生徒の立ち入りは禁止である

がしかし、去年その屋上へ行く試みをしたところ、

あっさり入れてしまったのである!


「え~やだぁ」


とは言うもののその時は俺が犠牲になったんだよね

またあれをやれと言うのはちょっと…って感じだな

覚えてないとは言わせねーぞ!


「やだって、まさか真面目に作業する気なの??

もうオレの知るカナちゃんは居ないのね~」


「あぁぁ~!!やめろぉぉ~!!んなデケー声出すな!」


なんと言うことを言い出すんだ!全く!!

周りに聞こえたらどうするんだ!!変人扱いだろ!


「…お前の方が声でデケーよ、みんなこっち見てんぞ」


…オーマイゴッド!

俺としたことが体育館中に響いてしまった


「と言うわけだから、下手な動き出来なくなったな

大人しく隅っこの目立たないところでサボろうか」


サボることには変わらない

場所はどこでもいいだろう


「チッ、また見れると思ったんだけどなぁ」


おい、そっちが目的かよ

とにもかくにもこんな調子で作業は進んでいった

上手く隠れては持参した漫画で時間を潰すという

なんとも無駄な一日を少しは惜しんだり…

真面目に作業してる人に申し訳なく思いながら

俺は漫画に没頭していた

だから時間がたつのが早くていつの間にか体育館は

華やかな雰囲気の場所に変わりっていた

いつの間にか俺達以外の人が居なくなっていたことに気付いたのは生徒会と仕事を終えたソウが来たときだった


「お前ら……またサボったな!」


…第一声はまあ、その言葉が正しいだろう

毎度のことながらソウは呆れ顔で

怒りを通り越している

あはははははは……はぁ、


「お、お帰り~ソウ

いやぁサボるなんてとんでもない!

もう頑張り過ぎちゃって早く終わったからだよ、

なあ、紬?」


「そ、そーですよ?サボってなんかいませんよ?」


こーゆーときは息が合ったりして


「おい、その言い訳何回聞いてると思ってんだ…!嘘だな?サボったな?」


オーノー\(>_<)/

流石は学年首席!

何回も同じ手には乗らないということか!

畜生!こうなったら


「違うよ薔一、哉翔がサボろうぜって言ってきたんだよ!オレは無理やりイヤイヤサボらされたんだ」


テメェー!!何根も葉もないこと抜かしてんだー!!

そもそも先に言ってきたのお前だろうが!!

うわぁ…ソウこえーよめちゃくちゃ睨んでるよ!

早く弁解を


「ちげーだろ、紬が言い出したんだ

信じて~!幼なじみを信じて~!ソウ様❤」


「うるさい!!もういい!お前ら片付けん時、

倍やってもらうぞ!帰る!」


あちゃー(×_×)やっちまったな、こりゃ……


「あー待って薔一、オレも帰る~」


あのやろうソウの機嫌とるきか?

お前じゃ無理だろ、つーか明日んなりゃ

機嫌治るだろ

俺は長い付き合いだしな、大体わかるわ


「じゃ、俺よりたいところあるから…じゃな」


「あれ?哉翔一緒に帰んねぇの?」


「はっ、どうせ彼女待たせてんだろ」


ピンポーン!(^^)!

こう見えても俺には彼女というものがいる

まぁ、ネットで知り合った女も…男もいるにはいるが本命ではない


「あーそっか、邪魔しちゃ悪いもんな~じゃあな」


しっし

早く行け行け






゜.゜.゜.゜.゜.゜.゜゜



「よぉ、待ったか?」


「…待った」


うっ( ; ゜Д゜)

きっぱり言うな、きっぱり


「…お腹空いた、お昼、行こう」


「あぁそうだな、何食べる?」


「…う~ん( ̄~ ̄;)、イカゲソ…?」


……オヤジか!

で、このオヤジが好きそうなものが好きらしい俺の彼女は中学んとき知り合った佐頼さより 珠絢しゅんという

静かで無口でおっとりした感じの子で

基本的に何考えてるかわからない


「お前なぁ…イカゲソって…どこで食えんだよ?」


俺が知ってる限り酒屋だな


「…ん~わかんない、けど、哉翔の食べたいものでいい」


こう言う優しいところが好きだ////

でも食べたいものが特にないな…どうすっかなぁ


「……ないの?食べたいもの」


考えてると珠絢が訪ねてきた

……ないな


「…じゃあ、お昼、いいや、帰ろ?」


…………いや、そういう問題ではなくね

食べたいよ?昼食は取りたいよ?


「コ、コンビニ行くか?」


「……うん」


現在の時刻は13:02お昼はとっくに過ぎてるがそこからコンビニへ向かった




゜.゜.゜.゜.゜.゜..




「ありがとうございました~」


コンビニで適当に食い物買ってここから近い珠絢の家に向かった

因みに俺の家は隣町だ

つまり俺は毎日学校へ通うために電車でここまで来るわけだ、学校に行くためだけに……かったるぅ


「…哉翔、明日のテスト勉強しよ……?」


歩きながらそんなことを言ってくる

真面目だねぇ、薔一も呼ぶか?

俺はどっちかというと勉強とか……ハッ!


「…哉翔はバカだから、ちゃんと勉強しないと、進学も卒業も、出来なくなる」


……地味に傷つくな、おい

だが安心したまえ!!

いざ挫折となっても俺は十分稼げるし将来的に

困らないんだぜ……もちろんプライドは捨てるがな


「…私、哉翔に勉強、教える」


そう言えば珠絢も頭よかったっけ?

薔一程じゃないけど………30位以内だったか

ウチの高校は一学年320人だからすごいほうだ


「……哉翔」


俺なんか半分いけばいい方だな

まあ、勉強しないにしてはすごいほうか?


「……」


……ん?どうしたんだ?急に黙ったな


「珠絢?どうした?」


「……哉翔、無視する……私、お節介?」


………珠絢

んな、泣きそうな顔すんなよ

お前のこと考えてた……りして?


「バ~カ、無視してねぇよ、お節介でもねぇよ

話すより聞いてる方が楽なだけだ

……まあ、勉強教えて貰おうかな」


「……うん、よかった」




「ヒューヒュー♪彼女?」




…………!

この声は……


「よ、よう、希來じゃねぇか……」


最悪だ、タイミング悪ぅ、つーか何でこんな時間に

こんなとこ居んだよ……!


「……誰?哉翔の友達?」


ちげーよ!こいつが友達とか冗談じゃねぇ!

まあ、珠絢には後で説明するとして……


「おねぇさん、この男はまずいよ?やめた方がいい、知ってる?この男…」


なに人の彼女口説こうとしてんだ!このガキ

つーか俺のなに知ってんだ!?


「…えっと、哉翔の、個性的な趣味、のこと?」


お前はこいつの話聞かなくていんだよ!


「……え?おねぇさん、知ってるの?

知っててこの男と付き合ってんの!?」


「はっはっは~、見たか希來、

珠絢はこんな俺でも好きなんだぜ」


……もう、やけぐそです


「お、おねぇさん、今なら引き返せる!!

こんな鬼畜野郎、絶対ダメだ!!」


オイィィィ!テメェー!!なに勘違いしてんだー!!

何をどう考えたらそうなるんだ!


「…ううん、私、哉翔 がいい、哉翔が…好き」


………珠絢////

そんなにはっきり言われると照れる

そして希來、そんな化け物見る目みたいな目で俺を睨んでんじゃねぇ


「…と、言うわけだ希來、俺らはもう行くぜ?

あ、そーいえばお前学校は?」


「はぁ?今朝言ったろ?昨日入学式だったって

そうなれば次の日はテスト、三教科だったから午前中で終わり、わかった?」


あ~なるほどな、そういうことか(・o・)


「…あなた、頭良いの?その制服、有名私立校…」


え?そうなのか!?

学ランなんて見ても違いが殆んどないから

わかんなかったな

それにしてもコイツが!?


「おぉ~知ってるんですか?いやね、

僕も有名私立校だって聞いて受けてみたんですけど

余裕でトップ合格でした」


そんなにスゲーのか…!

つーかなに自慢してんだよ!


「…だったら、あなたも哉翔のお勉強、手伝って?折角天才君が哉翔のお友達、なんだし……ね?」


おいぃぃー!!珠絢ー!!何言ってんのぉー!!

希來が俺に勉強を教えるだと!!

俺はそこまで落ちぶれてねぇよ!


「おねぇさんのお願いなら断れませんね」


「…じゃあ、決まり」


「勝手に決めんな!」





゜.゜.゜.゜.゜.゜.゜..



話し込んでたから珠絢の家についたのは

14:00近かった

結局希來もノリノリでついてきやがった

簡単に昼食を済まして明日のテストに向けて勉強が始まった

乗り気じゃない俺は……今、希來をどうやって珠絢から引き離そうか迷っていた


「さっすが珠絢さん、よくこんな問題解けますね」


「…ここは、得意分野、だから」


この数時間でよく打ち解けられるな、おい

そして俺にはレベルが高すぎてついていけねぇよ

もはや天才の領域だな……


「それに比べて哉翔はバカだな、ついてこれてないっしょ?」


「…悪かったな、さっさと帰れ」


「……哉翔、どこがわからない?私、教えるよ?」


悪いな、全部わからん…!

どこやってるのかさえわからん…!


「いや、俺はもう勉強はいい、寝てるわ」


「…?哉翔、具合悪いの?」


いいえ、やる気がないだけです


「大丈夫~…

あ、そうそう16:00に起こして、おやすみ~」


「寝るなぁ!」


バシッ!


「痛ッ!何しやがる!希來」


「折角珠絢さんが勉強教えてくれるっていうのに

なんだその態度!こんなに優しくて綺麗で可愛い人がお前の彼女とは……!あー勿体ない」


あのなぁ…

後半はただの嫉妬だろ


「…いいの、希來君、私は、哉翔といる時間があれば、それでいい、哉翔が勉強したくないなら、無理にさせたくない……哉翔、まだ私を捨てないで」


………


「はぁ?意味わかんない!…なんでこんな男が

いいの?だってこの男、珠絢さん以外の女の人とも遊んでるよ?……男も、か」


……………


「…うん、知ってるよ?でもそういう約束だから」


………

……最低だとか、思われるのが普通だろうか

だったらこう答えよう

“そうだよ?俺は最低な男なんだぜ”って


「……い、意味わかんない

あ~あ、そろそろ16:00になりそうだから帰るよ」


あれ?16:00近かったんだ?寝る暇も無かったな

とはいえ、これだけは言っておこう


「…珠絢、

俺はお前が俺に飽きるまでずっと好きでいるよ?」


事実だ

この言葉に嘘はない、確かにこんな良くできた彼女は俺には釣り合わねぇけど

いや、むしろ珠絢じゃないと俺にはガールフレンドは出来なかただろう


「……………え?」


「どうした?聞こえなかったかい?」


「……ううん、嬉しい」


へぇ~

嬉しいのか、こういうこと言われると

知らなかったわ

でもって珠絢…


「…これは、Aエーくらいか…?」


「…!し、失礼な!あの、その、Bビーはある、よ?」


…いやね、いきなり抱きつかれたからさぁ

ここはねぇ、確認しちゃいますよ


「おい変態〔ガゴン!〕帰んぞ〔ガゴン!〕珠絢さん今日はありがとうございました♪お邪魔しました~」


痛ッッ!

二回も殴りやがった、アイツ…!


「…バイバイ、また来てね」





゜.゜.゜.゜.゜.゜..



………………………………無言


「で、なんで一緒に帰ってんのかな?希來君」


「はぁ?決まってんじゃん!

夜道は痴漢が多いからだろ?…まあ、変態に痴漢から守れっていうのも矛盾してるけど」


いつまで言ってんの?変態、変態って

知ってる?変態って理科の重要語句でも使われてるんだよ?変態にもいろんな意味があるんだよ?


「あっ、そーいえばさぁ、知ってたか?

お前と出会った時の…冬だっけ?喫茶店で会っただろ?あんときの警察どうやらおれたちのことじゃなかったらしいぜ?向かいの店で強盗が入ったとか」


ほぅ…それは知らなかった

てっきり俺らが店で騒いだからかとばかり

思ってたな


「じゃあ単なる勘違いかよ、そのために恥かかせやがって!とんだはた迷惑な話だな…もう終わったことだけどな」


3カ月位前だしな

にしてもそんなにたってるのによく希來のこと気付いたな、俺

まぁ、騒ぎすぎたからか?


「あ、着いたここでいい

じゃあお前も気を付けて帰れよ?哉翔

あと、明日学校終わったら例の喫茶店に来い

じゃな~」


喫茶店?なんで?

希來暇もなく希來は大豪邸に姿を消した

コイツの家…ここ、なのか?

めっさ金持ちじゃねぇか……!

やべぇ、腰抜けそう



゜.゜.゜.゜.゜.゜゜


とまあ、何故か希來を送り届けて17:00


「あ、あの、穂並ほなみカナさんですか?」


「あ、はいっ…えっと永井さん?」



俺のお楽しみな時間の始まり始まり~♪ヽ(´▽`)/





















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