表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/54

09 オーク娘

Wikipediaでオークは堕ちたエルフという記述を発見。なら美女でもいいじゃない!

 オークというのは堕ちたエルフだ。大昔、神に近しい位置にいたエルフの一部が堕落し、変化した姿だと言われている。が、それも今は昔の話。現在は人類の一種族として確立している。一部ではオークという名称のマイナスイメージから緑人やグリーンズという名称を使おうという運動が起こっているらしい。


 元がエルフだったからか美形が多く、ただ一点肌が緑色という点でのみ人間とは違う。外見的にはそれだけだ。ただ、誘惑には非常に弱く、太った者が多くいるのも同じく特徴に挙げられるかもしれない。


 だから、例えば彼女の様な自制が出来るオークは非常に美しい。


 緑色の肌は若葉のように瑞々しく、艶やかで張りが良い。顔かたちはエルフに近く、ルビーのように赤い瞳だけが異質な妖しさを湛えている。実際は目の色素だけが薄いらしいのだが。


 ただ物凄く食べることが好きで、体型を維持するためにとても努力していることを僕は知っている。彼女もやはり、誘惑に弱いのだ。


 コンビニに行けばデザートの一つや二つ必ず買うし、夜になれば夜食を作り出す。それで現在のスタイルを維持しているのはもはや感動の領域だ。


「あなたも少し、お腹出てきたんじゃない?」


 彼女と似たような食生活をしてきたのだ。嫌な予感は当たるものである。


「ねえ。運動すれば少しやせるかも」


 彼女達は、見捨てられることに強い忌避感を示す。普段の行動から、大切な人とは極力共に過ごし、見捨てられないよう努力する。それは種族の由来から来る習性なのだろうか。


 今回の提案も、僕のため、というより自分が僕と共にいたいから、かもしれない。


 彼女の真意は恐らく、一緒にいたい、だ。


「分かった。一緒に運動しよう」


 目に見えて彼女の表情が緩む。常に自分を戒め厳しくいようとする彼女だが、僕はそんな彼女より今みたいに笑っていてくれたほうが嬉しい。


 ただ、同じメニューをこなすのは、少々辛いだろうな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

心の琴線に触れたら押して下さると活力になります
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ