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ステマじゃないよ 映画のお話 ③アウトレイジ&アウトレイジ・ビヨンド

 ううーむ。


 これって正直言って全年齢対象エッセイに書くのは憚られる内容かもしれん。なんてったって劇場公開時は「R15」指定が付いた映画ですから。でも書かずにはいられない、そういうわたしの感情を理解していただきたい。


 二本を二回ずつ観てから書いています、この文章。

 個人的には「アウトレイジ」の方が好きです。


 ネタバレになると不味いかもしれないので、本当に純然な感想を書きます。言わずと知れた北野武監督作品、これはバイオレンス系ですね。

 わたしはバイオレンスじゃない系統w「キッズ・リターン」「ほしをつぐもの」も大好きなんですが。最近になって「アウトレイジ」観たら、めちゃくちゃにハマりました。

 実は知人から

「これ女性には薦められない」

 と言われてはいたのですが、全然まったく問題なかったです。多分、香港ノワール映画を見慣れているせいもあるのでしょう。


「アウトレイジ」と「アウトレイジ・ビヨンド」、前後編の構成なんですけれどもね。前編の位置づけになる「アウトレイジ」は暴力残虐シーンに溢れています。

 歯医者の治療を受けに来て咥内が血まみれになったり(思わず「ぎゃああ」って声を上げますね)

 中華料理屋の厨房で菜箸を取り、目にも止まらぬ速さで標的の耳へとグッサ! と差し込み、そのオッサンが呻いているのにも関わらずにまな板にあった中華包丁で指をバサッと切ったり(個人的には菜箸シーンが物凄くショックを受ける)

 おまけに椎名さんの殺害のされ方が残虐すぎたり。

(椎名さんの死に方が可哀想過ぎる……唯一、この映画で、イヤなところはコレ。業界用語では「キーホルダー」と呼ぶそうです)

 ……しっかし香港ノワール映画の元祖を築いた呉宇森さんでも、こんな残虐な殺し方はしないよ(汗)、記憶にある限りでは「ワイルド・ブリッド」で頭蓋骨になってまで撃ち抜かれる張学友くらいかな。

 あっ、人肉饅頭もあったか(笑/正式名称は「八仙飯店之人肉饅頭」)。あれは黄秋生さんでしたね。あれもひどい。ノワールじゃないけど(笑)。


 でもね、本質を見逃しちゃいけない。

「アウトレイジ」、これってね、サラリーマン社会のどうしようもない理不尽をも表現していると思うのですよ。

 この作品では鉄板すぎるほどの「縦社会」を表現していると思います。

 上から命令されたら、それが自分の意に染まないことでも徹底してやらなければならない。

 もしも毛筋ほどでも「みずからの感情」を入れてしまったら、それは「みずからの死」を意味することでもあるから。

 だから命令を受ける側は上の立場の人間が間違ったことを言ってると思っても、逆らうことなんて出来やしない。それを表現するための残虐描写の数々であって、別に「殺し方」が問題じゃない。そこまで追い詰められた下っ端の思惑だと。

 そこに共感できない人は多分、受け付けないでしょう。


 これを観て改めて思ったわ、男女共同参画なんか糞喰らえだって。だって、男の人の方がね、よっぽど過酷な状況でも「妻子を養うため」とか色んな理由付けで、職場にとどまっているからね。男性の方が革新的なことを嫌って守りに入る性質があるにせよ、我慢に我慢を重ねてね。そういう意味でも女は逃げ道あるから楽だわ。自分のこと庇護してくれる存在があったら「わたしの場所はここじゃない」って、身軽になることも出来るから。


「アウトレイジ」での、椎名桔平さんの目がいい。獰猛な視線の奥底に絶望が満ちている。死ぬ直前のラブシーンは圧巻です。


 さて「アウトレイジ・ビヨンド」。こちらはハードボイルドとして名作です。残虐シーンは、ほとんどありません。私的な意見ですが三浦友和さんの最期のシーンがいいです。パチ台に伏され、大きく呼吸をしながら息絶えるところ。又、たけしさんが友和さんを刺すときの「店内の歪み」が最高に痺れます。

 自分的に「わあ……」と吐息が出てしまったのは、中野さんが撃たれる直前。

 宅急便の人(実は刺客)に対して、前作でも見せなかった優しい眼差しを向けるんですよね。あの目、いいですねえ。

「野球やろうぜ」この一言もいい。

 たとえ軟球でも、あんなにガシガシエンドレスに頭部に当てられたら絶命しちゃうよねえ。

 他に好きなシーンは松重さんが調書を取ってる時。真向かいにいるチンピラの頭を灰皿で「ぺこん」と殴るところ。

 あれいいですねえ、チンピラくんも素直に頭を出しているところが可愛い。ふたりとも、すごく可愛らしい。

 ビヨンドは細かい違和感があるんだよね、わたし個人的に。なにが気になるかというと関西ヤクザ役の関西弁が下手なんだよ(笑)。

 特に某俳優が「あのバカ刑事!」などと「バカ」連発するの。いや、そこは関西人なら「アホ」でしょうと。まあ脚本を書いた北野監督が東京の人ですから、しょうがないか。

 あとねえ、あの映画は【本物】が出てるんだって。知らなかったよ、あとから聞いてビックリしちゃった。わたしはまだ死にたくないので、詳細はここには書きません。

 友和さん演じる加藤会長、神戸の某組織の代替わりの時にも似たようなことがあったそうで あ、誰か来た。



 北野武さんの映画って「余白」みたいなカットが、ドキドキしますね。そこは映像と文章の違いなのかなあ、文章で「無駄なシーン」って基本的に御法度だからねえ。


 二作とも観ていて思ったことは

「ストーリーの最初の場面」

「観ている人を引き込むタイミング」

「序盤から伏線をガンガン出す」

 などなど。


 他に私が見落としている部分があればお教えください。うふふ。よろしくね。










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