魔王
毎日更新できる皆さんは凄いとおもいます。
ローギス「さて、先程からこちらを覗き見ているのは、分かっていますよ。出てきたらどうですか?」
ローギスは何もない空間に話しかけている。
だが当然のごとく反応はない。
ローギス「そうですか、出てくる気はないのですか。ならば力ずくでも、出てきてもらいましょうか。」
そう言うと、ローギスの身体から赤いオーラのようなものが浮き出る。
ローギス「《ブラッディソード》」
何も無い空間から突如として赤く染まった剣が出現した。
そしてそれは、ローギスの手に収まる。
ローギスは何も無い空間に赤い剣を突き刺した。すると空間に亀裂が入り、最後には円形の空間が出来上がっていた。
ローギス「これでも、まだ出てきませんか?」
ローギスは円形の空間に問い質した。
すると円形の空間から突如として光りの閃光が溢れだしローギスを貫こうとした。
ローギスはそれを寸前で身体を捻りかわした。
だが、光りの閃光は途中で反転しローギスを追尾した。
ローギス「やれやれ、面倒ですねぇ。」
ローギスはそう言うと、右手を光りの閃光に突き出した。
ローギス「《ブラッディホール》」
ローギスは右手に縮小版のブラックホールを作り出した。
光りの閃光はブラックホールの中に吸い込まれてしまった。
ローギス「ご馳走さまです。」
???「ほう、あの攻撃を防ぐどころか、吸収するとは面白い奴だ。」
筋肉質な男が超然とした態度で円形の空間から出てきた。
髪は黒と紫が混じった感じで、眼は黒で吊り上がっている。
ローギス「やっと出てきましたか。待ちくたびれましたよ。」
ローギスはやれやれと首を横に振りながら言った。
???「さっきの奴等を見逃したのは、俺がいたのに気付いていたからか?」
ローギス「ええ、貴方がいつ動くかと思っていたのですがねぇ。」
???「そうか、それは悪かったな、では早速やり合おうかだが、その前に俺の名前を言っておこうか。」
???「俺はダラス、
99人いる魔王の中の一人だ。」
ダラスは名乗りを上げたが、その中に驚くべき事実を喋っていた。
それは魔王が99人いるという事だ。
もしそれが本当なら、
人間だけでは太刀打ちできなくなる。
ローギス「では私も、私はベルザインの塔の管理者、ローギスと言います。」
ダラス「何!お前あの塔の管理者なのか!これは驚きだ。まさかこんなところで、あの塔の管理者にあえるとはな。」
ダラスは心底驚いていた。何故ならあそこは、魔王達ですら危険視しているところだ。
ローギス「まあ、そうは言っても、私も管理者の一人と言ったところですがね。」
ダラス「そうかい、だが面白い戦いができそうだ。」
ダラスはそう言うと、残像すら残らないスピードでローギスに接近した。ダラスがローギスの背後から、心臓を抉り取ろうと左手を突き出した。
ローギスはそれをががんでかわし、今度は逆にローギスがダラスの心臓に剣を突き刺そうとした。
ダラスはそれをバックステップでかわした。
だがローギスの剣から赤い煙のようなものがでて、ダラスに纏わりついた。
ダラス「なんだ、これは?」
ダラスは赤い煙を見ながら不思議そうに言った。
ローギス「フフフ、その赤い煙は呪いですよ。
今まで殺した生物の数だけ幻覚を見る事になります。」
ダラス「悪趣味な技だな。」
しかしダラスはなんでもないかのように言う。
ローギス「フフフ、その技は人間だけではなく、昆虫などのあらゆるものの生物も含まれています。」
ダラス「おいおい、人間がこれを食らったら、永遠に幻覚を見そうだな。」
ローギス「大丈夫ですよ、私が任意で解除できますので。」
ダラスはなんでもないかのように喋っているが、既に幻覚の世界に入っている。
ダラスの眼には今まで殺した首や足、手がない人間がダラスを囲んでいる。
ダラス「このままじゃ、こっちがやられちまうな。仕方ない《ブレイン・コントロール!!》」
ダラスは強制的に、自分の頭を正常にする魔法を唱えた。
そしてダラスは辺りを見回すが、ローギスはいないようだ。
ダラス「・・・どうやら、逃げられたようだな。まあいい。またいずれ会う事もあるだろう。」
ダラスはそう言うと、その場から消えた。