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不気味な男  作者: 原始人
22/28

再会

今回は少し長めです。

三人称side




ローギス達は教会を出た後すぐに街を離れた。

今は、アイエスの街から少し北に戻っているところだ。




アイシャ「しかし、教会の司祭が悪魔を呼ぶなんてな~。」




麗奈「神に仕える身である者が、あんな事をするなんて嘆かわしい事です。」




麗奈は、今はもう司祭は亡くなっていないが、それでもかなり怒っていた。




アリス「たしか、あの司祭は永遠の命が欲しくて悪魔を呼んだのよね。」



ガイ「そういえば、そんな事を言っていたな。」


ガイも司祭が悪魔の血をすすれば、不老不死になれると言っていたのを思い出した。




ローギス「人間が悪魔の血を飲んでも、なにも効果はありません。下手をすれば、悪魔の仲間入りです。大方誰かにそそのかれたのでしょう。」




麗奈「あの司祭さんは、その誰かの甘言かんげんに、惑わされたのですね。」




麗奈が呟いた瞬間、ローギス達の目の前の地面から、魔方陣が浮かび上がる。




アリス「!!皆離れて!」



ローギスを除く全員が瞬時に魔方陣から、少し飛び退き後退する。




アリス「ローギス!何してるの!?早く離れて!」




ローギス「心配いりませんよ。この魔方陣は私の仲間のものですから。」


ローギスが呟いた瞬間、魔方陣から、人影が回転しながら飛び出てきた。




???「ローちーん!会いたかったよー!」



人影は回転しながら、ローギスの腹に抱き付いた。

ローギスは飛び付いてきた人影を、左手で抱きとめた。



ローギス「マイさん、お久し振りですね。いい子にしてましたか?」




マイ「勿論だよ!でも、ローちんがいなくて寂しいから、会いにきちゃった。」



ローギスとマイが話していると、さらに魔方陣から二人出てきた。




ロザリー「ローギスちゃ~ん、久し振りだね~。私も会いたかったんだからね~。」



ロザリーは走りながらローギスに駆け寄り、ローギスの右腕に自分の左腕を胸を押しつけながら絡めた。



ローギス「ロザリーさんもお久し振りですね。」


ロザリー「もう~、ローギスちゃんったら、一人で塔から出て行くんだもん、塔の皆が寂しがってるんだからね。」



ロザリーは両頬を膨らませながら言った。



ローギス「すみません、寂しい思いをさせましたね。」



ローギスはそう言いながら、ロザリーに絡められている右腕を少し上げて、ロザリーの頭を撫でる。

ロザリーは目を細めながら気持ち良さそうにしている。




ミラージュ「ちょっと二人とも、僕を置いて行かないでよね!。」




最後にミラージュがローギスの正面まで行くと、右手と右足を地面につき、左足は片膝を上げた状態でローギスの顔を見上げた。




ミラージュ「お久し振りですローギス様。私めもこうして貴方様に会いたくて馳せ参じました。」



ローギス「フフフ、ミラージュ、貴方は相変わらずですね。しかしそんなに堅くならなくていいですよ。」




ミラージュ「しかし・・」



ロザリー「ミラージュ!ローギスちゃんがそういってるんだから、良いの!分かった!?」



ミラージュ「分かったよ姉さん。」



ミラージュはかなり渋っていたが、ローギス様の命令であれば仕方ないと思い、立って姿勢を正す。




マイ「ローちんは、やっぱり良い匂いがするね~。」



マイはローギスの匂いをクンクンと嗅いでいる。


一通りの区切りが付くと今まで黙っていた、アリス達が口火をきった。




アリス「ちょっと!ローギスなんなのこの人達は!?」



アリスは叫んでいた。



アイシャ「そうだぜ!説明してくれよローギス!」




麗奈「そうですわね、ローギスさん、これはどういう事ですか?」



麗奈もローギスに説明を求めた。




ガイ「て、てめえは・・・」



ガイはロザリーを見て絶句している。




マイ「ねえロザリー、あそこのハゲのオッサン、ロザリーをずっと見てるよ、気持ち悪いよ~変態だよ~。」



マイはハゲのオッサンもといガイを人差し指で指しながら言った。




ロザリー「あら、あれは・・・ああ!思い出したわあの時の雑魚だわ!」


ロザリーには何やら思い当たるところがあるらしい。




ミラージュ「あそこにいる人達に教えてあげようよ。ローギス様がどのような存在なのかを。」




アリス「さっきから、何を言っているの貴方達!?」




ミラージュ「五月蠅いハエどもに教えてあげよう、ローギス様は世界で最も危険な塔の最上階の管理者であり、頂点に立っておられるお方だ。本来お前達のような者達が会っていいお方ではない。」




ミラージュはアリス達をゴミを見るような目で言った。




麗奈「冗談にしては、度が過ぎていますわね。

お灸をすえたほうがよろしいかしら?」




麗奈がそう言った途端、ローギスから途方もない殺気が出た。

ローギスから出ている殺気はあの魔将カインをも遥かに凌ぐ。もはや景色が歪むどころか空間自体が歪んでいた。




ローギス「貴様、今なんと言った?我が忠実なるミラージュに手を出すと申したのか?」




アリス(こ、怖い、それに寒い)



アリスはその場から一歩も動けずにいた。

恐怖のあまり少し失禁してしまっていた。




アイシャ(ば、化け物だコイツは、ローギスは、正真正銘の生粋きっすいの化け物だ)




アイシャも、恐怖のあまり口がガタガタとなっていた。




ガイ(馬鹿な!最初に会った時でさえ、化け物じみていたのに、今は完璧に化け物だ!くそっ目の前に親父の仇がいるってのに!)



ガイもローギスの殺気の前に一歩も動けなかった。ただし、目だけは、ロザリーを睨みつけていたが。




麗奈(あ、あああ・・)



ローギスの殺気を直に浴びた麗奈は、人格崩壊を起こしかけていた。




ロザリー「ローギスちゃん、もうこの辺で許してあげましょう。」



ロザリーはローギスの頬を指で、ツンツンとつついた。

やはりロザリー達は、ローギスの殺気を浴びても平気らしい。平然とした顔をしていた。

一番近くで殺気を受けていたというのに。




マイ「うん、ローちん、これぐらいでちょうどいいんじゃない。」




マイがそう言った瞬間、ローギスから出ていた殺気が霧散する。




アリス達はローギスの殺気から解放されたと同時に、へなへなと地面にへばった。

特に麗奈はハァハァと地面に手をつきながら、息を荒げていた。




ローギス「皆さん、申し訳ありません。しかし、この方達は私の大事な者達です。それを手を出すと聞いては我慢ならなかったのです。」



ローギスはそう言いながら頭を下げた。



アリス「しかし、あの塔に人がいたなんてね。驚きだわ。」



皆が多少落ち着いた頃にアリスが喋った。

ちなみにアリスは少し失禁したせいで内股ぎみである。



アイシャ「本当だぜ、しかも管理者なんているとはな。」




ローギス「当然です。放置すれば塔は荒れ狂います。そして管理者は一人や二人ではありません。ロザリーにマイ、ミラージュも塔の管理者です。」




ガイ「ロザリー!てめえがやった事は生涯忘れねえぞ!俺の親父を殺した事を!そして国を滅ぼしたてめえを!」




ガイはロザリーに叫んだ。



ロザリー「あら~、そんな事もありましたわね~。」



ロザリーは右手で口元を覆いながら、オホホホと笑っていた。



ガイ「てめえだけは!許さねえ!ぶち殺す!」



ガイが斧を掲げまさしく動こうとした瞬間、

ガイの頭はいつの間にかローギスに地面にたたきつけられていた。

そしてもう一人ミラージュがガイの背中に右足を乗せて押さえ付けていた。



ローギス「さっき言ったばかりですよね~。私の大事な者達に害する者は許さないと。たとえどのような理由があろうともね。」




ミラージュ「姉さんに手を出そうとするなんて、やはりゴミはゴミ箱に片付けるべきだな。」




ローギスとミラージュがそれぞれガイを押さえ付けながら、喋る。




ガイ「くそがっ離しやがれ!」



ガイはジタバタと暴れるがびくともしない。




ロザリー「ねえ、ミラージュ、そんなゴミは放って置いて私達の目的を果たしましょう。」




ミラージュ「ああ、そうだったね。コイツらのせいで危うく忘れるところだったよ。」




ミラージュはそう言うとガイの背中に乗せていた右足を戻すと、姿勢をただし、ローギスに向き直った。




ミラージュ「ローギス様どうか塔の方へ今一度戻っていただけないでしょうか?」



ミラージュは斜め45度に頭を下げ右手を胸の前にもっていきながら、言った。




ローギス「そうですね、退屈凌ぎは何時でもできますし、良いでしょう。塔に戻ります。」



ローギスはガイの頭に置いていた手をどけながら言った。




ガイ「プハッ、ぺッぺッ、このままてめえらを見逃すと思うのか?」



ガイは口の中に入った土を吐き出し、ローギス達を睨んでいた。




アリス「ガイ!止めなさい!」



アリスはガイに叫ぶがガイは聞く耳を持たない。



ガイ「うるせぇ!コイツら全員殺してやる!死にさらせ!『旋風烈火』」


ガイは大斧に炎を纏わせ振り回し、ローギス達に投げ付けた。




ローギス、ミラージュは大斧をそれぞれ飛び退きかわした。ちなみにマイは、ローギスにへばりついたままである。ローギスは斧をかわす時に、ロザリーから離れてしまったが。




ガイ「最初はなっからお前が標的だ!ロザリー!」



炎を纏った大斧が回転しながらロザリーの首を狙ってくる。




しかしロザリーにかわす気配はない。ロザリーの目の前まで回転してきた大斧を、ロザリーはなんと、なんのためらいもなく右手の人差し指と親指で、刃の上と下の部分を掴んで止めた。




ロザリー「所詮貴方は、この程度のゴミいえ、カスね。」



ロザリーはそう言うと、大斧を指の力だけで、砕いてしまった。




ガイ(何故だ!?あの大斧はあんなに簡単に折れるものじゃない!それも魔力を込めたやつを!)



ガイが考え事をしていると、ローギスの腹からいつ動いたのかマイがガイの右肩に手を置いた。




マイ「オッサン、もういいから死ね。」



マイは普段の表情からは、考えられない程の鬼の形相になると、ガイの右肩を握りつぶした。




ガイ「グギャァァァ!?」



ガイは人間とは思えないような、叫びをあげた。なにせマイの握力は軽く500kgは超える。

そんなものに、思いっきり肩を握られては、ひとたまりもない。



マイ「ア~ハハハハハハ!これでオッサンはもう斧を握れまい!」



マイはガイから離れて笑い狂っていた。



アリス(このままじゃまずいわ!ここから離脱しないと!・・そうだわ!あの魔法があるじゃない!)




アリス「皆!ガイの近くに集まって!」



ガイは右肩を潰されて動けないので、アイシャと麗奈をガイの周りに集めた。




アリス「いくわよ!《テレポーテーション!》」


アリスが魔法を唱えるとアリス達はどこかへと消えた。

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