ベルザインの塔(アンダーグラウンド)
今回また少し短いです。
???side
ベルザインの塔
ここは、世界で最も危険な塔の地下区域である。中には円卓があり、現在は12こある椅子のうち、現在は2人だけ座っている。
???「ふむ、中枢の奴等は出ていったか。もぬけの殻になるが大丈夫なのか?どう思うキリヤ?」
緑色の髪と眼をした、30代ぐらいのキリッとした顔だちの眼鏡をかけた男性が、つぶやいた。
???「ま、いいんじゃなーい。最上階の奴等が代わりに来るんでしょ。だけど、アイツらが中枢につくって事は大方、中枢にいた三人がローギスさんに会いにいったんでしょ。」
もう一人、金髪で青い眼をした男、いや男の子がいた。キリヤというらしい。
???「あのお方は、我らの希望であり頂点に立つ方だ。我らはあのお方に救われた者ばかり、会いたくなるのも頷けるというものだ。」
キリヤ「俺たちだって会いたいのに、あの三人てば自分達の仕事を、代理をたてていっちゃうんだもんな~、勝手だよね~。ルインもそう思わない。」
ルイン「仕方あるまい、しかし代理を立ててまでいくとはな。」
もう一人の男性ルインは、首を横に振りながら言った。
キリヤ「それにここにいるはずの、他の10人だって今はいないしね。」
キリヤは全くと言いながら、ため息をついた。
ルイン「あの10人も、ローギス様の命令以外は聞かないからな。ローギス様がここに戻ってくればあの10人も戻ってくるだろう。」
ルインがそう言った瞬間、塔が大きく振動した。
キリヤ「ルイン、どうやらお客さんのようだよ。」
塔に侵入者が入ってきたようだ。
ルイン「キリヤ、我らの居場所はそう簡単には見つからん。恐らく中枢の方にいってしまうだろう。」
ルインは上を指差しながら言った。
キリヤ「そうだね、じゃあ俺たちはゆっくりしてようか。」
キリヤはそう言うと、円卓の上に両足を組みながら乗せた。
ルイン「ああ、私も寝るとしよう。」
この二人、敵が侵入した状態でもゆったりとしている。
何故なら今まで侵入者が入ってきた事なんて、数えきれないから。
日常茶飯事なのである。
ギャァァ・・
どうやら侵入者は入ってすぐに、やられたようである。
今頃はモンスターに喰われているだろう。
この塔が何故、危険扱いされているか?それは、危険度SSクラスを遥かに上回るモンスターがウヨウヨいるせいである。
もう一つの理由が、50階ごとに配置されている塔の管理者のせいである。
管理者達の中には、塔に侵入してきた者達を、殺す事を生きがいにしているものもいる。
モンスターから逃れたとしても、管理者に殺されるのが侵入者の末路である。
それゆえにこの塔は、1000年たった今でも、危険視されていた。