危幾
アリスside
アリス(なんなのこの男は!?私の魔法を吸収したですって!?そんなの聞いた事ないわ!)
アリスは自分の魔法が吸収されたと聞いてかなり動揺していた。
アリス「ガイ、どういう事なの!?魔法を吸収する奴なんて初めて聞くわ!」
ガイ「ああ!俺はこれで2度めになるがな!」
ローギス「フフフ、そんなに珍しいですか、魔法を吸収した事が。」
ガイ「当たり前だ!そんな事をした奴は、過去に一人しかいねぇ!」
ガイは過去にも魔法を吸収する能力者が一人いた事を告げた。
ローギス「ほう、もしやそれはロザリーと名乗っていませんでしたか?」
ガイ「!! ああ、そうだよまさか知り合いなのか?」
ガイはまさかと思い問う。
アリス(このローギスとかいう奴、おしゃべりはこの辺でと言っておきながらさっきから、ずっと喋ってるじゃない。)
ローギス「彼女とは、旧知の仲でしてねえ。さて今度こそいきますよ、果たして貴方たちにこの攻撃が耐えれますかねえ。」
アリス・ガイ「!!!」
ガイ「アリス!最大限まで結界を張れ!俺も結界を張る!」
ガイはアリスに叫ぶ。
アリス「分かったわ!二重結界ね!同時に結界を張るわよ!」
アリス・ガイ「「かの者の侵攻を妨げん!!ディレイウォール!!」」
アリスとガイは同時に結界魔法を発動した。
アリスとガイを中心に紫色の半透明の結界が施される。
この結界魔法を発動出来る者は少なく、最上級の魔法でも跳ね返してしまう。
それを二人同時に発動したのだからほとんどの魔法は弾き返すだろう。
だが二人はそれでも油断はしない、何故なら敵の実力は未知数、おまけに得体が知れないときている。
一瞬でも隙を見せれば殺られるのは間違いない。
ローギス「さあ、滅びなさい!!《エターナル・アブソリュートゼロ!!》」
ローギスから計り知れない程の魔力が解放され、ローギスのまわりは魔力の暴風で吹きすさんでいる。
その魔力はアリスの魔力を遥かに上回り、それ自体が凶器となる。
ローギスの周辺からそこら一帯が徐々に凍り漬けにされていく。
そして遂にアリスとガイのいる場所まで、ローギスの魔力が到達した。
アリス「ガイ!気張りなさいよ!」
ガイ「分かってらあ!そっちこそ気ぃ抜くなよ!」
アリスとガイはお互いに鼓舞しあって、魔力を最大限まで引き上げる。
遂に結界とローギスの魔力が衝突した。その時の衝撃でアリスはコケそうになるがなんとか保てたガイもかろうじてだが、保てた。
アリス「くっ、なんて魔力なの!弾き返すどころか抑えるのが精一杯なんて!」
アリス(こんなヤバい奴なんて分かってたら、さっさとズラかってたのに!)
ガイ「はあ、はあ、くそ!ヤバいな結界に亀裂が入りだしたぞ。」
ガイは結界を見てそろそろ結界が崩れそうだと思った。
ローギス「フフッ、そろそろ危ないですねぇ。」
ローギスはかなり楽しそうだ。
アリス「ハァハァ、もうヤバいわ、持ちそうにない。」
アリスはそろそろ限界がちかいようだ。
アリスが力尽きそうになった時、ローギスの背後からなにかが飛んできた。
ローギスはそれを首を捻るだけでかわす。
その一瞬の間にローギスの両横から二つの影が走っていった。
???「結界を張り直すわよ!麗奈!」
赤い髪の女性が紫の髪の女性に言った。
赤い髪の女性は赤い半袖のシャツに赤い短パンをはいている。
麗奈「分かりましたわ、アイシャ。」
アイシャと麗奈は結界を張り直した。
麗奈 「大丈夫ですか?」
紫色の髪の女性が聞いてきた。服は白と赤が混じった巫女服を着ている。
アリス「間一髪ってとこね。でも助かったわありがとう。」
ガイ「俺からも礼を言わせてもらおう、正直危なかったからな。」
ガイも二人に礼をいう。
ローギス「フフフ、まさか背後からいきなり攻撃されるとは思いませんでしたよ。」
ローギスは眼を細めながら言った。
ローギスが先程、首を捻ってかわした物は弓矢であった。
アイシャ「今は、とにかくここから離脱することが先決だな。」
アイシャはアリスとガイを一瞥してから言った。
麗奈「そうですわね、あちらさんが待ってくれるとも思えませんし。」
麗奈はローギスを見ながら言った。
だがローギスに動く気配は無く逆にそれが余計にこちらの不安を煽る。
アイシャ「とにかくやるわよ、麗奈!」
麗奈「分かりましたわ、アイシャ!」
アイシャ・麗奈「「テレポーテーション!!」」
そして4人は一瞬で消えた。