ベルザインの塔(中枢区域)
???side
ベルザインの塔(中枢)
世界で最も危険な塔の中枢に清楚な感じの若い女性がいた。
???「ウフフ、ローギスちゃんったら、一人で塔から出ていっちゃうんだから~。」
その女性はシルクの白いワンピースに白いハイヒールを履いていた。
顔はキレイで整っており、髪は腰まで届くシャギーの銀髪で、眼は赤色である。
塔の中枢には、世界を見渡せるモニターがあり、女性はローギス達をというより、ローギスだけを見つめていた。
???「でも、しょうがないよローちんにはこの塔は退屈でしょうがなかったんだよ。そう思わない?ロザリー。」
最初のモニターを見ていた女性は、ロザリーと言うらしい。
ロザリー「むう~、まあ確かにローギスちゃんには、ここのモンスターは退屈凌ぎにもならなかったしね~。そう言うマイだって、ローギスちゃんがいなくて寂しいんでしょう?」
ロザリーにマイと呼ばれた女性は肩ぐらいまである金髪で赤い眼をしていた。
さらに驚くべき事に、この女性は身長が130cmぐらいしかなかった。
顔は可愛らしい感じである。
マイ「うん、早くローちんには戻ってきてもらわないと。」
???「だったら、僕達もこの塔から出たらいいんだよ。それなら二人も愛しのローギス様に会えるんだから。」
どうやらもう一人男性がいたらしい。
ロザリー「良い事言うじゃない、流石は我が弟ミラージュだわ。」
ミラージュと呼ばれた男性は、ロザリーと同じ銀髪で赤い眼をしていて、中性的な顔だちをしている。
ミラージュ「何を隠そう僕もローギス様には、会いたかったからね。」
ロザリー「でも、そうなると、この中枢区域を空ける事になってしまうわ。」
ロザリーは中枢区域を空ける事が心配なようだ。
ミラージュ「大丈夫だよ、最上階の管理者を二人呼ぶから。」
マイ「げ、アイツらをここにつけるの?」
何やらマイは嫌そうである。
ミラージュ「確かに僕も嫌だけど、アイツらがいれば、ここはまず安心だよ。たとえ頭のネジが外れてる奴等でもね。」
ロザリー「仕方ありませんね~。じゃあミラージュ、呼んでもらえる?」
ロザリーはミラージュに頼んだ。
ミラージュ「分かったよ姉さん。モニターから呼び掛けるよ。」
ミラージュはそう言うとモニターの下にある、コントロールパネルを操作した。
???「キャハハハハ!なんだいミラージュ、アンタが私を呼ぶなんて珍しいね。」
モニターから紫色の髪と眼をした妖艶な感じの美しい顔の女性が、出てきた。
ミラージュ「やあ、サキア、僕達は今からこの塔を出るんだ、そこで最上階の管理者である、君ともう一人に中枢の方に回ってほしいから、連絡をいれたんだ。」
ミラージュはモニターの女性に向かって、お願いした。
サキア「キャハハハハ!アンタ、この私にいつお願い出来る立場になったんだい!?」
サキアは笑ってミラージュのお願いを、一蹴した。
ミラージュ「そう言うと思ったよ。だからこうしよう、僕達が戻る時にローギス様を連れて帰ってくる。それでどうだい?」
ミラージュがそう言うとサキアの笑いが、ピタッと止まった。
サキア「だったら間違いなく連れて来るんだよ。私もローギスには、会いたいんだからな。」
どうやらローギスがサキアの抑止力に、なっているようだ。
ローギスの名前が出た途端にしおらしくなった。
ミラージュ「交渉成立だね。じゃあもう一人にもよろしく言っといてもらえるかい。」
サキア「分かった分かった、アイツにも言っとくよ。まあ、アイツもローギスの名前を聞けば飛んで来るだろうよ。」
ミラージュ「頼んだよ、それじゃ、行こうか姉さん、マイ。」
マイ「は~い、早くローちんに会えると良いなあ。」
マイはローギスと会うのが楽しみでしょうがないといった感じだ。
ロザリー「ウフフ、マイったらそんなにはしゃいで。」
ロザリーもマイと同様で楽しそうだ。
ミラージュ「じゃあいくよ!」
最後にミラージュが指を鳴らすと、三人の足元に魔方陣が浮かび上がり、三人は魔方陣に吸い込まれていった。