ローギス対青年
三人称side
アリス(なんで、こうなっちゃうのよ!?)
アリスはせっかく悪魔を倒せたのに、何故か今度はローギスと青年が、戦う事になって、少し混乱していた。
ローギス「てめえは、食堂で会った時から、血の匂いがプンプンしてやがった。」
青年「君、人に向かって匂うとは、失礼だね。」
青年はローギスにそう言いながら、ニタァと笑った。
ローギス(コイツ、本当に人間か?気配がまるで悪魔と正反対、さっき俺が言った天使というのはあながち、間違いじゃないかもな。)
ローギスが考え事をしていると、青年が自分の影に槍を突きたてた。
青年「影にはこういう使い方もあるんだよ、無槍流操影術第5章 槍流乱舞」
青年は自分自身の影に超高速で、何十回も突いた。
青年が自分自身に突き立てた槍は、なんとローギスの背後つまりローギスの影から出てきた!
ローギス「!!」
ローギスはそれを空中にジャンプしてかわす。
青年「伸びろ、神槍グングニル」
だが、青年が槍に伸びろと命じた瞬間、ローギスまで距離が届かないはずの槍が、本来の長さよりも伸びてローギスを襲ってきた。
ガイ(おいおい、なんだよあの槍は!)
ガイはローギスを襲った槍を見て、かなり驚いていた。
ローギスは伸びてきた槍を身体を捻り、かわして着地するが、さらに槍はローギスを追尾してきた。
どうやら青年が指を動かして指向性をもたせているようだ。
ローギスは青年に近付き、青年の真上を飛んで、背後をとる。
追尾してきた槍は青年の目の前まで迫ってきた。
青年「あはは、考えてること、まるわかりだよ。おおかた僕を、伸びてきた槍で自滅さすつもりなんでしょうけど、この槍は僕が変幻自在に操れるものなんだよ。」
ローギス「ああ、だからこうするんだよ!」
ローギスは青年に向き直り、姿勢を低くした体制から、青年の背中に魔力のこもった掌底をおもっきりかました。
青年「ッッ!」
青年は回避すらできずに、伸びてきた槍に串刺しにされ、教会の壁にはりつけにされた。
ローギス「クハハハハ!人間串団子の出来上がりだ!」
壁に串刺しにされた青年は、腹から大量の血を流している。
普通に考えれば確実に死ぬ量を流している。
ローギス「さて、帰るか。」
ローギスは突然帰ると言い出した。
アリス「ちょ、ちょっと死んでるんじゃないの?あれ。」
ローギス「まあ、普通だったら確実に死んでるが、大丈夫だ。」
ローギス(もしも、俺の考えているとうり、アイツが天使だったらこれぐらいでは死なん。)
ローギス「とにかく、帰るぞ!」
ローギスはそう言うと、全員を無理矢理、教会から出した。
???「フッ、手加減していたとはいえ、まさか我をここまで追い詰めるとはな。あのローギスという者、興味が沸いたぞ」
なんと言葉を発していたのは、教会にはりつけにされていた青年である。
腹から出ていた傷は既に完治している。
さらに青年の容姿は青い髪と目から、腰のしたまである白い髪と黒い眼に変わっており、顔だちも美しくなっていた。
青年「いずれまた、あいまみえようぞ。その時こそ、この天使セラスの全力を見せよう。」
青年もとい天使セラスはそれだけ言うと、教会から消えた。