儀式
ザ・ワールド!
時よ止まれ!
ネタを書く時は時間が止まればいいのに。
三人称side
教会
6人は教会の近くに待機していた。
やはり深夜だけあって、草葉のまわりは、鈴虫が鳴いていた。
アイシャ「じゃ、早速入って見ようぜ!」
アイシャはいきなり入ろうとした。
アリス「ちょっと!待ちなさい!」
アリスはアイシャの首根っこを掴んで、引き戻した。
アイシャ「ぐえっ、何するんだい!」
アイシャはカエルが潰れたような声をあげた。
アリス「私が昼間に信者の一人から聞いた話しを、忘れたの?」
アイシャはそういえば、夜中に教会から何か物音がすると言っていたのを、思い出していた。
アイシャ「ああ、悪い悪い。」
アイシャはすまなそうに謝った。
アリス「少し様子を見ましょう。」
しばらくすると、教会から何か物音がしていた。
麗奈「そろそろ、いいのではないでしょうか。」
ローギス「では、私が先頭で行きます。」
ローギスを先頭に教会の扉の前まできた。
ローギスが扉に手をかけて開けようとするが、
やはり閉まっている。
ローギス「ふむ、まあ当然ながら閉まっていますね。」
麗奈「どうするのです?」
ローギス「こうします。《アン・ロック》」
ローギスが教会の扉に人差し指と中指を向けて、呪文を唱えると、教会の鍵は地面に落ちた。
青年「開いたみたいだね。じゃあ今度こそ入ろうか。」
青年がそう言うと、
全員が教会の中に入っていった。
教会の中は深夜だけあって不気味である。
明かりは壁のステンドグラス越しに光る月明りだけである。
教会の最奥には、昼間に会った司祭が何やら、地面に魔方陣を描いて儀式のようなものを行なっていた。
ローギス「!! あれは!」
ローギスは何故か魔方陣を見て驚いていた。
アリス「どうしたの!ローギス!」
ローギス「あれは悪魔召喚の儀式です。」
ローギスはあれを悪魔を召喚するためのものだと言った。
アリス「何ですって!?」
ローギスがアリスにそう言うと、儀式の最中の司祭がこちらを振り向いた。
司祭「ククク、そうだ。これは悪魔を召喚するためのもの、私が永遠の命を得るためのな。」
ガイ「じゃあ、あの噂は本当だったんだな!?」
司祭「ククッ、ああ、あの噂は私自身が流したのだよ。」
なんと、司祭は自ら教会の悪い噂を流していたと言う。
麗奈「何故、悪魔を召喚しようなどと、しているのですか?」
司祭「悪魔を召喚して、その血を啜れば私は永遠の命を得られる。そのための儀式だ。
」
麗奈は信じられない思いで司祭を見ていた。
青年「ちょっといいかな、司祭さん?」
司祭「何かな?」
青年「司祭さんは今、永遠の命と言ったが、それなら女神の涙の事も、知ってるんじゃないのかな?」
青年は司祭に質問した。
司祭「ああ、あんなマユツバ物を探している暇は私にはなかったのでな。確かにあれも手にすれば不老不死になると言われているな。」
青年「そうか・・・」
青年は司祭の答えに、肩を落とした。
司祭「私が自らあの噂を流した理由は、こうやってたまに人が教会にやってくるからだ。」
アイシャ「どうして、わざわざそんな事をして、夜中の教会に人がくるようにするんだ?」
アイシャは心底疑問だった。
司祭「それはな、こういう事だ!!」
司祭はそう言って、壇上の床をめくり上げた。
全員「!!?」
なんとそこには、ミイラ化した死体が何十体もあった。
アリス「なんて酷い・・」
アリスはあまりのおぞましさに、顔を背けていた。
ガイ「これは、俺でもキツいな。」
ガイもかなり引いていた。
司祭「儀式に犠牲はつきものだ、つまりこのミイラ化した死体は、噂に釣られて教会にやってきた馬鹿どもだ!」
つまりは今まで深夜の教会にやってきた人達は、目の前の司祭によって悪魔召喚の犠牲に、なってしまったと言う事だ。
ローギス(しかし、悪魔召喚の儀式で必要なのは他人の命ではなく、本人の命、いくら死体を積み重ねたところで、意味を為さないはずです。)
司祭「今、ちょうど儀式が完成した。お前達は運が良い!悪魔召喚の儀式に立ち会えるんだからな!」
司祭は感激していた。ついにきたるべき時が来たと。
しかし、その思いが叶う事はなかった。
何故なら、魔方陣の下から勢いよく出てきた、鎖鎌が、司祭の首を切り裂いていたから。
司祭「ガボッゴボッ」
司祭は声にならない声をだしていたが、やがて地面に倒れ伏した。
司祭の最後はあまりにも呆気なかった。