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ヘリに近付いた二人組


 ギルドが隠し持っていたヘリコプターに乗り込んだ私たちは、デリートボンバーを積んだジャッジメントライトのヘリコプターを破壊していった。そんな中、奴らのヘリから強そうな二人組がギルドのヘリの上に乗り込んだ。


 私とティノちゃんはヘリの上に移動し、にやにやと笑っている二人組の前に立った。


「何の用よあんたら? 他のヘリの上に移動した時はお邪魔しますとか挨拶はしないわけ?」


「悪いけど、俺たちはそんなに行儀はよくないんだよね」


「私たちはお前を始末しに来た。くだらないおしゃべりをしに来たわけではない」


「やる気は満々のようね。斬られる覚悟ができているようで」


「斬られる? バーカ。俺らはお前に斬られに来たわけじゃねーっての。殺しに来たんだよ!」


 ヤンチャそうな奴は、私に拳銃を向けて引き金を引いた。私は素早く剣を振るい、奴が放った弾丸を上へ斬り飛ばした。それを見ていた別の男が、ため息を吐いてこう言った。


「グレンサーさん。ここで銃を使うのは止めてください。弾丸がプロペラに当たったら、私たち助かりませんよ」


「それは運の話だろうがベムプー。今日の俺の星占いはトップだ。悪いことは起きねーって」


「星占い? いかつい顔をしているけど、占いなんて信じているのね。可愛い所があるじゃない」


 私はそう言いながら、グレンサーと言う奴に斬りかかった。グレンサーは銃を使って私の攻撃を防御した。こいつの銃はかなり固い。私の剣で斬れることはなかった。そんな中、ベムプーが左手の鎖を垂らし、魔力を解放した。


「エクス・シルバハート。あなたはここで死んでもらいます!」


 奴の武器は鎖か。それを使う奴なんて初めてだ! 私はそう思いながら、態勢を戻しながら飛んでくる鎖をかわした。


「甘いですね」


 奴がそう言うと、鎖の動きは途中で止まった。追尾できるのか。どんな態勢で避けても、奴の鎖は確実に狙った敵の体を貫くと言うわけか! いやらしい戦いをする!


「死んでください。エクス・シルバハート」


 鎖が私の左胸に向かって飛んでくる。だが、その前にティノちゃんが放った魔力の攻撃が、奴に命中した。そのおかげで、鎖は途中で落ちた。


「ありがとうティノちゃん」


「少し不安でした。でも、攻撃が間に合ってよかったです」


 私はティノちゃんの所へ戻り、助けてもらった礼を言った。その直後、グレンサーが銃を放った。ティノちゃんはバリアを張って奴の攻撃を防御した。


「エクスさん、あの銃使いは私がやります」


「お願いできる? 私はあの鎖優男を相手にするわ」


「はい。気を付けてください」


「ティノちゃんもね」


 私はティノちゃんにそう言うと、ベムプーの元へ向かって高く飛び上がった。




 鎖か。あまり鎖を使って戦う奴は見たことがないな。一体、どんな戦い方をするのだろう。俺はそう思いながら、エクスが戦う相手、ベムプーを観察した。エクスが優男と言ったため、顔はテレビで見る俳優のように整っている。服もジャッジメントライトの戦士と言うわけか、白を基準とした色合いだ。奴らが好きそうな色だ。


「さて、私があなたの相手をするようですね……あなたにはこれまで、いろいろと酷なことを受けてきました。その報い、払ってもらいますよ」


「犯罪者の片棒を背負っている奴が何を言うか。かかって来なさいよ優男」


 エクスはベムプーに挑発をしながらこう言った。奴は眉を動かしたため、エクスの言動に苛立っている様子を見せた。


「あまり私を怒らせない方がいいですよ」


「あんたを怒らせたらどーなるのよ? 世界が滅亡するわけ?」


「そんな大げさなことは起きませんが、あなたは命を失うことになりますよ」


「私が死ぬ? あんたに殺されるってわけ?」


「その通りですよ!」


 そう言って、奴は服の両袖から大量の鎖を放った。あいつ、袖の中にそれだけの鎖を忍ばせていたのか!


「へー。袖の中にこんな大量の鎖があるなんて思わなかったわ。犯罪者より、手品師になった方がいいんじゃないの?」


 エクスはそう言いながら、飛んでくる鎖の攻撃から身をかわしていた。ヘリの上で戦いにくいだろうと俺は思っていたが、どうやらそうではなさそうだ。エクスはいつものように動きながら攻撃をかわしていた。


「クッ、まるで猿のような人ですね。そんなにちょこまか動くとヘリの上から落ちますよ」


「ご安心を。私はそんなへまはしないわよ」


 と、エクスはどや顔でこう言ったが、足を滑らせてヘリの上から落ちそうになった。それを見たベムプーは驚いた表情をしたが、すぐに元の表情に戻った。


「言った直後に転落するとは……私たちの怨敵も情けない最期を迎えたようですね」


「勝手に殺さないでよ」


 エクスの声を聞いた奴は、驚いた表情をした。エクスは魔力を解放して空を飛んでおり、そのおかげで落下しなかったのだ。


「そんな……」


「隙あり!」


 動揺した隙を突いて、エクスは剣を振るった。だが、奴はエクスの攻撃を察知し、後ろに下がった。


「くっ……うぅ……」


「下がったようだけど、攻撃は当たったみたいね」


 と、エクスは剣を奴に向けてこう言った。剣先には少量の血が付着している。奴は完全に攻撃を避けたわけではないのか。


「おのれ……くっ……」


 奴は左肩を抑えながらエクスを睨んだ。どうやら、エクスの剣先は奴の左肩に命中したようだ。


「正義を意味するこの純白の服を汚したな! お前は悪だ! 私がお前を倒してやる!」


 どうやら、自分がダメージを受けたことよりも、服を汚されたことが奴を苛立たせたようだ。奴の右手から、五本の鎖がエクスに向かって放たれた。


「そんなに鎖を放って大丈夫? あんたの攻撃、見切ったわよ」


 エクスはにやりと笑ってこう言った。そして、飛んでくる鎖を見て剣を振るい、次々と斬り落とした。


「な……あ……」


「あんた、鎖を隠し持つことに関しては超一流だと思うわ。だけど、鎖を相手に向かって放つだけじゃ、芸がないわよ」


「かっ……あっ……」


 どうやら、奴はエクスに自分の技の弱点を指摘されたようだ。話を聞いて、奴は深く動揺している。この戦い、エクスの勝ちだな。


「あっ……あ……あはは……アーッハッハッハ!」


 突如、奴が笑い出した。どうしたのだ? 負けを察して、おかしくなったのか?


「油断しましたね! 私の技がただ放つだけだとは思わないでくださいよ!」


 もう一つ、奴には技があるのか! 俺もそうだが、エクスもかなり驚いた表情をしている。奴が言っていることは嘘ではない! そう思っていると、エクスが斬り落とした鎖が宙に浮いた。


「なっ!」


(何かが来る! 気を付けろエクス!)


 俺はエクスに向かって叫んだが、それより先に斬り落とされた鎖がエクスの体を縛った。


「なっ! あああっ!」


「残念でしたねぇ。私の鎖は魔石で作られているんですよ。だから、私が魔力を使って攻撃しても、鎖の中に私の魔力が残っていれば、自由自在に動かせる」


「グッ……なかなか卑しいことを考えるわね」


「卑しい? 戦いに卑怯も卑しいもありませんよ。勝利こそが全てですから」


 奴はそう言ってエクスに近付いた。奴の右手には、大きな火の玉が発していた。


「このままあなたを焼き殺します。残極な殺し方は私のプライドが許しませんが、あなたの存在を放置したら、いずれジャッジメントライトを滅ぼしてしまう。出る杭は打たないといけませんからね」


 そう言いながら、奴はエクスに火を近付けた。まずい、このままだとエクスが焼き殺される!


(エクス! 何かこの状況を打破するアイデアとかないのか?)


(安心してくださいヴァーギンさん。ちゃーんとアイデアはあります)


 何と、エクスは何か策を持っているようだ。よく見ると、エクスの左手の中に奴の鎖の破片が握られていた。それがこの状況を打破する道具なのか?


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