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空中での戦い


 隠し部屋に到着した私は、先に到着したティノちゃんたちと合流した。結構広い隠し部屋だ。いろんな武器が置いてある。これさえあれば、反撃できる。


「さて、これで反撃を始めましょう」


 私がこう言うと、ギルドの戦士は私とティノちゃんにこっちへ来てくれと合図をした。ギルドの戦士の後をついて行くと、そこには大きな軍用ヘリコプターがあった。


「これってヘリコプターですよね? どうしてこんな大きな物が隠し部屋にあるんですか?」


「いざという時のために、数台隠し持っていたのだ。奴らもこのヘリコプターの存在は把握していなかっただろう。それに、この存在を知っているのはごくわずかの人物だけだ」


 ギルドの戦士はそう言うと、私たちにヘリコプターに乗るように指示した。


(エクス、これでデリートボンバーをばらまいた連中と戦えるぞ)


 と、ヴァーギンさんがこう言った。そうか。これさえあれば、空の上でデリートボンバーをばらまく奴らと戦える。奴らさえ倒せば、奴らはデリートボンバーの攻撃手段を封じることができる。


「さぁ、早く行きましょう!」


「ちょっと待っててください。エクスさん、クールに行きましょうや」


 ギルドの戦士はそう言うと、隠し部屋の壁にあるスイッチを押した。その後、大きな轟音を立てながら隠し部屋の天井が開いた。そして、ギルドの戦士はヘリコプターの中に戻り、操作を始めた。


「他のギルドの戦士たちに、この部屋の武器を使って戦えと伝えました。これで地上の戦いは大丈夫です。我々は空の上でドンパチしましょう! それでは行きますよ!」


「お願いします!」


 私がこう言うと、ヘリコプターが動き出した。さて、空の上での戦いになる。気を引き締めないと!




 私たちがヘリコプターに乗り込み、数分が経過した。ヘリコプターは猛スピードで上昇し、あっという間にかなり上に到達した。


「どこかに敵がいるはず。どこにいるか分かりますか?」


「待っててください……気を付けてください。結構いますよ!」


「上等! 外に出て戦います!」


「私も行きます!」


 私とティノちゃんは魔力を解放し、扉に近付こうとした。だが、ギルドの戦士は大声でこう言った。


「私がヘリを操って敵の近くまで動きます! 叩くのはそれからにしてください!」


 その言葉を聞き、私とティノちゃんは動きを止めた。その直後、ヘリは大きく動いてジャッジメントライトの連中がいるヘリに近付いた。奴らは私たちを見て、急ぎながらバズーカの用意をしていたが、そんなことはさせない。私は扉を開け、素早く剣を振るって奴らのヘリの扉を斬り壊し、中に入った。


「お邪魔します!」


「うわっ! エクス・シルバハートだ!」


「嘘だろ、ここに乗り込んでくるとは!」


「か……返り討ちにしろ!」


 いきなり私が突入したせいか、奴らはかなり慌てていた。そんな状態で戦えるはずがない。私は動揺した奴らに接近し、攻撃を仕掛けた。奴らは混乱していたせいか、まともに戦うことができなかった。


「うぐ……くそ……」


「強すぎる……」


「勝てないってこんなの」


 私に斬られた奴らは、情けない声を上げていた。そんな中、ティノちゃんの声が響いた。


「エクスさん! 後ろにいる人がデリートボンバーを使おうとしています!」


「分かったわ!」


 私は後ろを振り向き、私に向かってデリートボンバーを投げようとした奴に近付き、剣を振るった。私の剣はそいつの両腕を斬り落としたが、持っていたデリートボンバーを落としそうになった。


「うわっ! あぶなっ!」


 私は急いでデリートボンバーを受け取った。そのおかげで、爆発せずに済んだ。ふぅ、何とかなった。


 私は倒したジャッジメントライトの戦士共をギルドのヘリコプターに移動させ、ティノちゃんに奴らが使っていたヘリを壊してくれと頼んだ。奴らのヘリには大量のデリートボンバーが積まれている。ティノちゃんの魔法で攻撃すれば、奴らのヘリは跡形もなくぶっ飛ぶ。


「では魔力を使いますが、もう少し離れてください」


「了解」


 ティノちゃんの声を聞き、ギルドの戦士はヘリを奴らのヘリから遠ざけた。距離を確認したティノちゃんは、火の魔力を奴らのヘリに当てた。その瞬間、物凄い轟音と共に大爆発が起こり、奴らのヘリは跡形もなく消滅した。


「うわー、ピアノタワーのことを思い出すわー」


(あの時は大変だったな)


 私とヴァーギンさんは、改めてデリートボンバーの破壊力を確認した。ピアノタワーの時もすごかったが、あの時よりも爆発の破壊力が上がっている気がする。いつの間にか、奴らは更にデリートボンバーの改良に成功したようだ。


「では、次に行きましょう!」


「お願いします。ティノちゃん、この調子で奴らのヘリを壊すわよ!」


「はい!」


 その後、私たちは奴らのヘリに近付いては戦い、ヘリの破壊を行った。




 下での戦いはどうなっているのだろう。魔力を探知しているが、エクスたちの知り合いの魔力を感じるし、ギルドの戦士の魔力を強く感じるため、被害は及んでいないと俺は思った。隠し部屋にあった武器が、彼らの手助けになっているのだろう。それならそれでいいが。


 さて、俺たちが空に上がって数分が経過したが、たった数分で奴らのヘリの数はかなり減っていた。どうやら、上空からデリートボンバーを扱う奴らには、戦う力がなかったのだろう。エクスが剣を持って襲い掛かっても、やられるだけだったし。


 だが、この調子で話は進まないだろう。あいつらも自分たちの仲間が倒されていることは把握している。いずれ、強敵がこちらに向かってくるだろう。


「ん? また敵のヘリが来るようね。ティノちゃん、構えて」


「は……はい」


 エクスは敵の気配を察したようだ。周囲を見回すと、こちらに向かって敵のヘリらしき影が近付いている。


(敵は俺たちに向かって近づいている。俺たちと戦うつもりだ)


(そうですね。ま、攻撃するつもりなら、こっちもそのつもりで戦います)


(気を付けろよエクス。最近、俺たちに戦いを挑むジャッジメントライトの戦士は強くなっている。油断は禁物だ)


(はい)


 エクスは緊張した顔つきで俺に返事をした。どうやら、こっちに近付いてきている奴らはそれなりに強いようだ。俺を使う可能性もある。俺も、エクスが勝つためにいろいろとアドバイスをしないとな。


 そう思っていると、奴らのヘリが近付いてきた。奴らのヘリの上に二人立っている。その時点でかなりの魔力を使っているようだが、あの二人の顔には余裕の色がある。かなり強いかもしれぬ。そう思った時、あの二人は飛び上がって俺たちが乗るヘリの上に着地した。


「うわっ! 何だ何だ!」


「敵のヘリの上に立っていた奴がこっちのヘリに飛び移ったみたいです!」


「うわぁぁぁぁぁ! 滅茶苦茶な人たちですねぇ!」


 エクスたちは驚きの声を上げていたが、それよりも大きな声を捕らえたジャッジメントライトの戦士が出していた。


「た……助けてくれェェェェェ!」


「あの人たち、俺たちを始末しに来たんだ!」


「嫌だ! 俺は死にたくない! 助かるって言うからジャッジメントライトに入ったってのに! 捕まったら用なしかよ!」


 ジャッジメントライトの戦士たちの叫びを聞き、私はため息を吐いた。奴らが捕まった仲間を始末するため、戦士を出すことは何度もあった。今回は、私たちを始末すると同時に、捕まったこいつらも始末するつもりだ。そんなことはさせない。


「ティノちゃん、私と一緒にヘリの上に来れる?」


「えと……はい。覚悟を決めました」


「よろしい。それじゃあ、私について来て」


「はい」


 私はギルドの戦士から了解を貰い、ヘリの扉を開けて上へ移った。ヘリの上には、へらへらとした顔で私とティノちゃんを見ている二人の男がいた。


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