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再びベトベムが戦場に


 足止めの戦いから数分が経過した。私たちは急いでベトベムに到着し、驚きの声を上げた。すでにジャッジメントライトの攻撃は始まっており、そのせいでいろんな所から煙が発生していた。あいつら、デリートボンバーを使ったのか? それとも、火の魔力でも使っているのか? それよりも、早くベトベムの中に入らないと!


「まずい、もう始まってる!」


「急がないと!」


 エンカは急いでベトベムの方に向かったが、私はエンカを止めてこう言った。


「エンカ、あんたは救助活動をお願い!」


「俺が? 俺も戦うぞ! まだ戦える!」


「戦うのは私だけでいいわ。今回の攻撃に、幹部の一人が関わってる」


 私がこう言うと、エンカは驚いた。


「幹部の一人って……おいおい、大物がいんのかよ」


「私はそいつを倒すわ。多分だけど、そいつが今回の攻撃を指揮している。そいつを倒せば、ジャッジメントライトは総崩れになるはず」


「速攻で終わらすために、いきなり頭を狙うつもりか。分かった。気を付けろよ」


 と言って、エンカは走って行った。私はティノちゃんの方を向き、顔を見た。


「行くわよティノちゃん。一気に片を付けるつもりで行くから!」


「分かりました!」


 会話を終え、私とティノちゃんもベトベムへ向かった。




 三年前の騒動があったため、その時の教訓を得てベトベムは対テロ用の対策を練っていた。騒動があった時のため、町の至る所に隠し兵器が用意されているのだ。私とティノちゃんが走って移動する中、ジャッジメントライトの戦士に襲われた。


「いたぞ! あいつらは……エクス・シルバハートとティノ・オーダラビトだ!」


「我らの怨敵だ! 確実に殺せ!」


 そう言って、ジャッジメントライトの戦士は持っていたアサルトライフルの銃口を向けたのだが、その瞬間にどこからかバルカンが放たれ、ジャッジメントライトの戦士を撃ち抜いた。


「あらら、あんな所にバルカン砲がある」


 私は置いてあった看板を見て呟いた。この看板はテロ騒動があった時のために、バルカン砲が隠されているのだ。もちろん、敵を倒したらすぐに看板は元の位置に戻る。


「バルカン砲を使うって……無茶苦茶なことをしますね。バルカンが建物を貫通するってことを考えないんですかね?」


 ティノちゃんは撃ち抜かれたジャッジメントライトの戦士を見ながらこう言った。私は建物を見て、こう言った。


「大丈夫みたいよ。どうやら、テロがあってもいいようにかなり頑丈な鋼鉄で作られているわ」


 私は近くの建物を触りながらこう言った。建物に使われているのはかなりいい鋼鉄だ。これなら爆発が起きても吹っ飛ぶことはないし、弾丸に撃たれても弾痕すら残らないだろう。


 その後、私とティノちゃんは急いで強い魔力の元へ向かった。だがその途中、ジャッジメントライトの戦士に襲われた。


「見つけたぞ! エクス・シルバハートとティノ・オーダラビト!」


「やはり来たな! 我らの怨敵よ!」


「お前たちをシクさんの元へは行かせん!」


 そう言いながら、ジャッジメントライトの戦士は持っていた剣で私に攻撃を仕掛けてきた。どうやら、今回のテロはシクの奴が関わっているようだ。


「いいことを教えてくれたわね。あの女が今回のテロの司令官ね」


「だからどうした? お前はここで散る運命なのだ!」


 ジャッジメントライトの戦士は攻撃をしながら私にこう言った。私は攻撃をかわしながら隙を見て、その戦士の足のすねを強く蹴った。


「あいだ!」


「やっぱり鍛えまくっても、そこを蹴られると痛いのよねー」


 私はそう言って、持っていた剣でその戦士の両足と右腕、左手を斬り飛ばした。


「これで硬い物がすねにぶつかっても、痛くないわね」


 攻撃を受けて悲鳴を上げる戦士に向かって、私はこう言った。そんな中、別のジャッジメントライトの戦士が私に襲い掛かった。だが、ティノちゃんが発した風によってその戦士は高く吹き飛ばされた。戦士が吹き飛んだ後、ティノちゃんは呆れたようにため息を吐いた。


「雑魚がうじゃうじゃと湧き出ますね。戦ってる暇はないのに」


「本当にそうね。本当は雑魚の相手を避けて先に進みたいんだけど……そうはいかないようね。見てティノちゃん。いつの間にか雑魚があんなにたくさんいるわよ」


 私は前を見てこう言った。いつの間にか、ジャッジメントライトの戦士たちが集まって来ていたのだ。それを見たティノちゃんはしつこいなと呟き、杖を構えた。


「いいかお前ら? エクス・シルバハートとティノ・オーダラビトをここで始末するんだ!」


「行くぞ!」


 ジャッジメントライトの戦士たちは、大声を上げて私とティノちゃんに襲い掛かった。私はネメシスソードに持ち替え、迫って来るジャッジメントライトの戦士を睨んだ。




 エクスがネメシスソードに持ち替えた。さっきも使っていたが、すぐに戦いが終わったため、しっかりと切れ味、威力を見ることができなかった。すぐに先に向かいたいという気持ちはあるが、ネメシスソードの威力を確認するいいチャンスだ。俺はそう思い、戦いの様子を見ることにした。


「斬られても私を恨まないでね」


 エクスはそう言って、接近してきたジャッジメントライトの戦士に向かってネメシスソードを振り下ろした。斬られたジャッジメントライトの戦士は何もなかったかのように動いていたが、しばらくして右腕がずれ落ちた。


「なっ……あ……え? 右腕がどうして……」


 右腕が落ちたことを察したジャッジメントライトの戦士は、悲鳴を上げてその場にうずくまった。仲間が斬られたこと、ネメシスソードの威力を察した他の戦士は動揺した。


「何だあの剣は……」


「恐ろしい……」


「マジかよ……あんなバケモンにとんでもない剣があるなんて……」


「か……勝てない。あんなのに勝てるわけがない」


 動揺したジャッジメントライトの戦士は戦意を失っている。後ろに下がっている。逃げるつもりか。


(エクス。あいつらは戦意を失っている。無駄な戦いをしたくなければ追いかけるな)


(そうですね。逃げてくれるならそれでいいですね。これで楽にシクの元に行けます)


(ああ。今やるのは雑魚の相手じゃなくて、このテロを企てたシクを倒すことだからな)


 俺とエクスはそう話をし、前を見た。ここはまだ町の中央部ではない。もし、シクがいるとしたらこの町の中央だろう。早くシクの元へ向かい、このテロを終わらせないと。




 ジャッジメントライトの戦士を追い払った後、私とティノちゃんは急いでシクを探した。探す中、ジャッジメントライトの戦士は私とティノちゃんを見つけて襲い掛かろうとしたのだが、ネメシスソードを見せたら怯えて逃げて行った。威力のことが伝わったんだろう。


「ネメシスソードのおかげで、無駄な戦いをしなくてもいいですね」


「ええ。本当にすごい剣を作ったと自分で思うわ」


 私はネメシスソードを見てこう言った。その直後、上から強い魔力を感じた。上を見上げると、シクが街灯の上に立っていた。


「よくもやってくれたわね、エクス・シルバハート」


「やーっと見つけたわ。おばさん」


 私がこう言うと、シクが近くに着地した。シクはすでに小剣を手にしていた。戦う支度を終えたようだ。


「ベトベムを攻撃して、再び弱体化させる計画を練ったのに。これ以上邪魔するとこの前のように痛い目を見るわよ」


「悪いけど、痛い目を見るのはあんたの方よ。あの時はアソパと戦った後だから、完璧な状態じゃなかったのよ」


「だから? あんたが完璧な状態でも、私に勝てる確率は低いわ」


「勝手にほざいてなさい」


 私はそう言うと、ネメシスソードを手にして襲い掛かった。私の奇襲を察したシクは後ろに下がったが、ネメシスソードの刃が小剣に当たり、小剣の刃を斬り落とした。


「なっ!」


「部下から聞かなかったの? この剣の切れ味を?」


 私の言葉を聞き、シクは歯を食いしばった。シクは魔力を解放し、折れた小剣の刃から魔力の刃を発した。


「この女! ここで絶対に殺してやるわ!」


「やれるもんならやってみなさい!」


 私はネメシスソードを構え、襲い来るシクを睨んだ。


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