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動き出したジャッジメントライト


 エンカがラゴンさんの小屋にやって来た。重要な話があるという。


「エクス、ジャッジメントライトが動き出した。ベトベムに向かって動いているのを衛星写真で写した」


 この言葉を聞き、私はやはりそうかと思った。


「あいつら、再びベトベムを攻撃するために動き出したのね」


「ああ。対策は練ってある。今すぐにベトベムに戻ることはできるか?」


「ええ。ティノちゃんの魔力で飛べばすぐに戻れるわ」


 私がこう言うと、話を知ったティノちゃんとラゴンさんが姿を見せた。


「話は聞きました。今すぐベトベムへ向かいましょう!」


「そうじゃの。あいつらがベトベムに到着する前に動くんじゃ」


 と、二人は焦るようにこう言った。エンカは頷き、私とティノちゃんの方を向いてこう言った。


「すぐに行こう。今ならまだ奴らはベトベムに到着していない。動くなら今だ!」


 その後、私とティノちゃんはラゴンさんにお礼を言った後、すぐに外へ出て行った。




 私たちは剣聖の森を出て、急いで村の外へ出た。そのすぐにティノちゃんにベトベムまで飛んで移動しようと言おうとしたが、周囲から魔力を感じた。


「おいおい……まさかジャッジメントライトの戦士か?」


「その通りだ! ギルドの戦士よ!」


 岩場の近くから声が聞こえた。ティノちゃんが魔力の塊で岩場を破壊すると、その後ろにいた連中が高く飛び上がり、私たちの前に着地した。


「我が名はゲッツー」


「私はカヨウ」


「僕はスイ」


「俺はモクヨービ」


「そして拙者はキヨウビ!」


「我ら、ジャッジメントライトの戦士のエリート部隊、ファイブウイーク!」


 ジャッジメントライトの戦士のエリートを自称している五人の戦士は、変な決めポーズを決めてこう言った。バカバカしい。


「ティノちゃん、こんな奴らの相手をする暇なんてないから、早く行くわよ」


「はい」


 私とティノちゃんはそう言うと、ゲッツーという奴が剣を投げて攻撃してきた。私はネメシスソードを使って剣を弾き飛ばし、ゲッツーを睨んだ。


「我らの怨敵、エクス・シルバハートとティノ・オーダラビト! お前たちをベトベムへは行かせんぞ!」


「私たちがギルドを監視しているのを気付かなかったのか?」


「おかげで、エクス・シルバハートとティノ・オーダラビトの足止めをできるよ」


 奴らの話を聞いたエンカは、舌打ちをした。


「クソッ! 知らない間に尾行されていたのか!」


「フッ。己の未熟さを呪うがいい!」


 ゲッツーはエンカに向かって攻撃を仕掛けてきたが、私が前に出てゲッツーの両手を斬り落とした。


「な……え……」


「やるんだったら相手になるわよ。ただ、腕か足をどっちか失うか、全部失うけど」


 私は茫然としている他の四人に対し、冷たい視線を送りながらこう言った。だが、ゲッツーは苦しそうにわめきながらも他の四人に向かってこう言った。


「動揺するなお前ら! 我はやられてしまったが、四対三の状況! 我らに分があるぞ!」


 ゲッツーの言葉を聞いた他の四人は、やる気を取り戻して私に襲い掛かった。


「どうしますエクスさん? 私も援護に入りますか?」


 ティノちゃんがこう聞いて来た。私はティノちゃんの方を向き、簡単にこう答えた。


「ベトベムに移動するための魔力を取っておきたいから、援護はいいわ」


「分かりました。変な奴らが相手ですけど、すぐに戦いは終わりますか?」


「すぐに終わるわ」


 私はそう言って、ネメシスソードを使って前にいるカヨウって奴を斬り倒した。


「カヨウ!」


「そんな……あっという間に二人がやられるなんて……」


「エクス・シルバハートの強さは本物だ! だが、勝てなければ倒せる相手を狙えばいい!」


 次の奴らの目的はエンカのようだ。エンカはため息を吐きつつ、襲い掛かって来たスイという奴の腹に向かって剣を突き刺した。


「悪いが、俺はエクスのように甘くはない」


「え……そんな……ガハッ!」


 スイはそう言いながら血を吐き、その場に倒れた。


「スイィィィィィ!」


「そんな、お前もやられるなんて!」


「そいつを救たければ、すぐに病院に行くんだな。急所は外したが、失血死するかもしれねーぞ」


 エンカは残りの二人にこう言った。モクヨービと言った奴は立ち上がり、キヨウビに向かってこう言った。


「キヨウビ、お前はスイの治療をしてくれ」


「モクヨービ殿、お主は一人で……」


「ああ! 隊長やカヨウ、スイの仇を取る! エクス・シルバハート、覚悟しろ!」


 どうやら、モクヨービの狙いは私のようだ。


「うおおおおお!」


 モクヨービは私に向かって大剣を振り下ろした。魔力を使って戦うため、普通の剣と同じように振り回している。だが、動きは素人だ。すぐに動きを読むことができるし、対策を練ることもできる。


「あんたねぇ、そんな腕で私に勝てると思わないで」


 私は攻撃をかわしながらこう言った。その言葉を聞いたモクヨービは苛立ちをあらわにし、私に向かって走り出した。


「このクソ女! 俺の大剣で真っ二つにしてやる!」


「真っ二つになるのはあんたの大剣よ」


 私はそう言って、モクヨービが持つ大剣に向かってネメシスソードを振り下ろした。ネメシスソードはまるでバターを斬るかのように、モクヨービが持つ大剣を真っ二つにした。


「へ……え……え?」


 真っ二つになった大剣を見て、モクヨービは驚きのあまり鼻水を垂らしていた。みっともないわねー。


「そんな……これ結構な数の鉱石を使って作ったのに……」


「質が違うのよ。質がね」


 私はそう言って、ネメシスソードを振るってモクヨービの両腕を斬り飛ばした。斬られたモクヨービは悲鳴を上げ、その場に倒れた。さて、これで残るはあと一人。


「残ったのは拙者だけになってしまったか……」


 キヨウビは立ち上がり、変な形の剣を持って私たちを睨んだ。


「拙者一人でも、お主らを斬ってみせる!」


「無駄だと思うから止めた方がいいわよー」


 私はそう言ったが、キヨウビはその言葉を聞き流し、私に向かって走り出した。キヨウビの動きはとても早く、攻撃の速度も速い方だ。だが、私の方が強い。動きも予測ができる。まず、攻撃が当たることはないだろう。


「それ! それそれそれそれそれェェェェェェェェェ!」


 キヨウビは掛け声と共に私に攻撃を仕掛けているが、どの攻撃も私に当たることはなかった。


「グッ……強い……強すぎる!」


「私が強すぎるんじゃない。あんたらが弱いのよ」


 私はそう言って、キヨウビの両腕と左足を斬り飛ばした。さて、倒れた連中は近くの村のギルドに任せて、私たちはベトベムへ向かわないと!




 エクスたちは戦いを終え、すぐにベトベムへ向かおうとした。だが、ゲッツーという奴が笑い出した。


「無駄だぞ、エクス・シルバハート! お前らがいくらあがこうが、ベトベムへの攻撃を止めることはできん!」


「最初にやられた奴がうるさいわねー。どうせ、時間稼ぎに私たちの元に来ただけでしょ? ま、大した時間じゃなかったけど」


 エクスは呆れながらこう言ったが、ゲッツーの笑いは止まらなかった。


「十分に時間稼ぎができたさ」


「ふざけたことを言うな。お前らの仲間はまだベトベムから離れた場所にいるだろうが」


 エンカがそう言うと、ゲッツーは更に笑いだした。


「ギルドは何年経ってもバカだな。ジャッジメントライトはどこにでもいる。もしかしたら、ベトベムの中にもいるかもしれないぞ」


「ギルドの戦士の中にジャッジメントライトの関係者はいない。あの事件の後、全員処分されたぞ」


「ギルドの中ではない。ベトベムの市民の中にだ」


 その言葉を聞き、私たちははっとした表情になった。ギルドはギルド内の裏切り者やジャッジメントライトに繋がりがあった政治家、メディアの対策に追われていた。だから、一般市民への対応ができていない! まさか……そんなことで突かれるとは思ってもいなかった。もしかしたら、ベトベムへの攻撃はもう始まっているかもしれない!


「ティノちゃん急いで! ベトベムへ行くわよ!」


「了解しました! エクスさん、エンカさん! しっかり私につかまってください!」


 ティノちゃんの言葉を聞いた後、私とエンカはティノちゃんの手を握った。そのすぐ、ティノちゃんは魔力を解放してベトベムへ向かって飛んだ。


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