ボロ小屋到着
アソパがいるだろうボロ小屋へ到着する前に、ジャッジメントライトの連中が襲ってくるだろうとは思っていた。私の予想通り、奴らに襲われてしまったが、難なく返り討ちにすることができた。
「さ、先に進みましょう」
私がそう言うと、ギルドの戦士たちは少し遅れて返事をした。
それから私たちは再びアソパがいるボロ小屋へ向かって歩いて行った。戦いが終わって数分経過したが、次の敵が来る気配はない。現地で返り討ちにするつもりか? そのつもりなら、こっちもやるつもりだ。
(そろそろ町の外に出るぞ。奴らは変なタイミングで襲ってくるかもしれないから、気を付けろよ)
(はい。常に魔力を探知して歩いていますので、何かあっても動けます)
(そうか。だが、油断はするなよ。あいつらのことだ、こちらの予想を覆うような手で襲ってくるかもしれないからな。それに、今は幹部の一人がいる。ジャッジメントライトの戦士は、どんな手を使ってもアソパを守るかもしれないからな)
(奴らも必死だということですね。分かりました。油断しないように動きます)
ヴァーギンさんも幹部の一人が近いということか、心配しているようだ。誰かから心配されているほど想われているなんて、私は幸せ者だ。さて、そんなことを思っている場合ではない。私たちはアソパがいるであろうボロ小屋の近くにたどり着いた。今、ギルドの戦士の一人が望遠鏡を使ってボロ小屋の前を調べている。
「やはり小屋の入口付近に見張りらしきジャッジメントライトの戦士が多数います」
「どのくらい強いか分かるか?」
「魔力を解放していないため、奴らの強さは分かりません」
「そうか……どうしますか、エクスさん?」
ギルドの戦士たちは私にどうするか聞いてきた。いつの間にか、私がリーダー的ポジションに立っているようだ。
「そうねぇ。だったら真正面から行きましょう」
私の返事を聞いたギルドの戦士たちは驚いたが、ティノちゃんが何かに気付いてこう言った。
「私もエクスさんと同じ意見です。町中で襲われたんです。ジャッジメントライトは私たちがいずれ来るだろうと知っています」
「そうか。だから、忍び込んでも無駄か」
「その通りです。それじゃ、行きましょうか」
私は剣を持って、ボロ小屋に向かって走って行った。ティノちゃんは私の後に付いてきたが、ギルドの戦士たちは少し遅れて走り出した。
もし、俺がエクスと同じ立場だったら同じことを選択していただろう。ジャッジメントライトは俺たちがいることを知っている。こっそり移動しても無駄だと。だったら、真正面から戦うのみ!
「ん? うおっ! エクス・シルバハートだ!」
「隣にはティノ・オーダラビトもいるぞ! 町の中で襲われたのに……まさか、返り討ちにされたのか!」
「その通り! あんたらの仲間は私が倒したわよ!」
エクスはそう言いながら、二人の見張りの右腕を斬り落とした。奴らは後から痛みを感じ、その場に倒れた。エクスが攻撃を仕掛けた直後、サイレン音が鳴り響いた。
「どうやら、敵が来たら鳴り出すようですね」
「ボロボロな小屋なのに、そこんとこだけはちっきりしてるわねー」
ティノの言葉を聞き、エクスは周囲を見回した。すると、監視カメラが屋根の下にあることに気付いた。
「見てティノちゃん。こんな所に監視カメラがあるわ」
「本当ですね。よくもまぁこんなものが用意できますね」
「作ったか、壊れたカメラを回収して直して改造したのよ」
エクスはそう言いながら、両手でやってはいけないジェスチャーをやっていた。挑発のつもりだろう。そんなことをしていると、敵が来るのに。俺がそう思っていると、小屋の入口から大量のジャッジメントライトの戦士が現れた。
「来たかエクス・シルバハート!」
「ふざけたことをしやがって! 私たちジャッジメントライトを見下すなよ!」
「いくらお前が力を付けても、私たちには勝てないことを教えてやろう!」
あの時のジェスチャーを、あいつらはしっかりと見てしまったようだ。だとしたら、あれだけ怒るのも当然だ。現れた戦士たちは怒声を上げながらエクスに襲い掛かった。
「死ねェェェェェ!」
「そんな姿勢じゃあまともに攻撃できないわよ」
エクスはジャッジメントライトの戦士の攻撃をかわし、腹に強烈なボディブローを放った。攻撃を受けた戦士は嗚咽し、その場で倒れた。
「おお。たった一発で……」
「剣だけではなく、格闘技にも通じているのか」
エクスの戦いの様子を見ていたギルドの戦士たちは、驚きの声を上げていた。ティノは魔力を解放しながら、ギルドの戦士たちの方を振り返った。
「感心している暇があるのなら、一緒に戦ってください。まだ敵はやって来ますよ」
ティノの言葉を聞き、ギルドの戦士たちは慌てながら武器を構え、襲ってくるジャッジメントライトの戦士を睨んだ。
「行くぞ! ギルドの底力を見せてやるぞ!」
「おう! あんな奴らに負けてたまるか!」
ギルドの戦士たちもやる気を出し、ジャッジメントライトの戦士に向かって走り出した。
小屋の前でこれだけドンパチしているから、アソパやそれに近い連中も私たちがいることに気付いているだろうな。まぁ、町での話を奴らはすでに察している可能性が高いから、とっくに気付いているかもね。
「うおおおおお!」
前の方から、ジャッジメントライトの戦士が斧を持って私に迫って来た。私はそいつの首に向かって蹴りを放った。攻撃を受けた戦士は小さな悲鳴を上げ、手にしていた斧を手放してしまった。斧が地面に倒れた後、その戦士もゆっくりとした動きで地面に倒れた。
「今のはあまり力を込めてないんだけどな。そんな蹴りで気絶するなんて情けないわねー」
私は呆れながらこう言った。周りを見ると、他のジャッジメントライトの戦士は私とティノちゃんを無視し、ギルドの戦士に向かって走っていた。
「私とティノちゃんと戦ったら負けるから、逃げるつもりね」
「ギルドの戦士の皆さんが大変ですね。すぐに援護に行きましょう」
「ええ。奴らを倒さないと」
私とティノちゃんは二手に分かれ、ギルドの戦士を襲うジャッジメントライトの戦士に攻撃を仕掛けた。
「へっ? うわぁっ! エクスが来た!」
「何が何でも追い返せ! それか逃げろ!」
「ダメです! 私たちだけじゃあ太刀打ちできませぇん!」
一人のジャッジメントライトの戦士が情けないことを言った後、私によって両腕を斬り飛ばされた。
「勝てないからって、他の人を襲うのはあまりよろしくないわねー。あんたら、正々堂々と戦うってことを知らないのー?」
私は相手がイラつきそうな態度でこう言った。ジャッジメントライトの戦士は私を睨んでいるが、襲い掛かろうとはしない。私に勝てないから襲わないのだろう。
「グッ……貴様……私たちをバカにするなよ」
「バカなことしかしない奴に向かって、他に何て言えばいいの? バカ以外に何もないじゃない。おバカさん」
私の言葉を聞いた一人のジャッジメントライトの戦士は、叫び声を上げながら私に襲い掛かった。
「お前だけは殺してやる! エクス・シルバハート!」
「止まれ! そんな挑発に乗るんじゃない!」
挑発を受けたジャッジメントライトの戦士は、仲間の声を聞かずに私に襲い掛かった。怒りで動いているせいか、どんな動きをするか分かる。私はそいつの攻撃をかわし、両腕と片足を斬り落とした。
「ギャアアアアア!」
そいつは悲鳴を上げながらその場に倒れ、転げまわった。
「な……あ……」
仲間があっという間に倒されたこと、自分たちの実力では私に勝てないことを察したのか、他のジャッジメントライトの戦士は私を見て、体を震わせた。私はにやりと笑い、剣を向けてこう言った。
「大人しくすれば、痛い目に合わないわ。ギルドの監獄で己の罪を反省しなさい」
私の言葉を聞き、ジャッジメントライトの戦士はギルドの戦士に向かって両手を差し出した。
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