混乱
「神父様…。本物の勇者って、僕は勇者じゃないんですが…。」
少し落ち着いて考えても、謎は増えるばかりで、頭が回らない。
神父様の言葉に混乱してる僕に気付いてたのか、神父様とリーシャおばさんは落ち着きを取り戻したようで、
「あぁ、すみません。先走ってしまいまして。あなたはまだ本物の勇者ではないんですよ。」
「ごめんね、レーヴ。私達嬉しくてつい、はしゃいでしまったの。」
何を先走ったのか、2人の言葉に益々混乱してしまう。
"順を追って話しましょう"と言う神父様の言葉で、僕達3人はソファへと腰を下ろす。
リーシャおばさんが淹れてくれた甘めの紅茶を飲みながら、気持ちを落ち着かせる。
神父様も1口飲む、僕に向き合う。
"はぁ、何を言われるんだろう…。"
そんな気持ちを誤魔化すよう、もう1度カップに口をつけた。
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___「まずは、先走ってしまい申し訳ありません。初めから説明していくと、レーヴ。あなたは勇者になれる素質があるんです。それを私達はもう本物の勇者が現れたのだと思い発言してしまったのです。」
「えっ?素質って…。僕、魔獣と戦った時もないですし、剣すら触った時もないんですよ?なのに、本物の勇者って言うのは…。それに、あの時の勇者はどうなるんですか?」
"本当に状況が分からないんだけと"と思いつつ、そろそろ帰らないとなと、どこかで考えていた。
「はい、知ってますよ。あなたは毎日のようにこちらに来ていましたからね。ねぇ、レーブ。この国には 、6歳になった時、、子ども達が"選定の儀式"を受けるは知っていますよね?」
"選定の儀式"とは6歳を迎えた子どもが必ず受ける儀式であり、適正魔法、適正職など、何を極めて、何がその子に合っているかを、神様に判断してもらう儀式の事だ。
「はい、もちろん。僕も4年前に受けましたから。具体的には覚えていませんが。」
「えぇ、実は、覚えてないのは君があの日意識を失ったからだったんです。」
意識を失った…。僕はあの日の事を少しだけ思いだそうとしてみた。
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"はぁ、母さん大丈夫かな。心配してないかな"