予感
サァと風に揺れるカーテンに、キラキラと反射する光。
その光が眩しくて目を細めた僕は、質問した時リーシャおばさんが、驚き目を丸めたことに気づかなかった。
「…ねぇ、レーヴ。レーヴはもしかして、勇者になりたいの?」
恐る恐ると僕に訊ねるリーシャおばさんは、困惑した顔を浮かべてる。
そんな顔を真っ直ぐ見つめながら、僕は口を開く。
「はい、僕は勇者になりたいんです。だから良ければ教えて欲しいな〜。なんて、あははっ。」
頬を掻きながら言う僕に驚き、目を丸くしている。するとリーシャおばさんは、ふぅと息を吐くと、立ち上がった。
「…では、その質問の答えは、神父様に聞きましょう。着いてきてくださいね。」
扉まで歩いていく、背中を慌てて追いかけ僕も部屋をでた。
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___長い廊下を歩き、ただ黙って目の前の背中を追いかける。
何か聞いてはいけない事だったんだうかと、通り過ぎる窓を見ながらふと外を見ると、この教会のシスターと村の子ども達が楽しそうに遊んでいた。
水魔法なのか水遊びをするシスター達から視線を外す。
"今はこんなにも平和なんだよな…。悔しいけどあの勇者のおかげかな"
そう思いながら、自問自答としているうちに、神父様の部屋の前まで来た。
コンコンコン
「神父様。シスターリーシャです。レーヴの件でお話がございます。」
そう言ったリーシャおばさんと神父様の部屋の扉をキョロキョロと見ていると、"どうぞ"と神父様の声が聞こえた。
失礼します、と入ってく姿に続き、僕も失礼しますと部屋へと足を踏み入れた。
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何かが変わるようなそんな期待と予感を胸に…。