音の正体
ある日、母が僕を抱っこして部屋を出た。
いつものようにお散歩かなと思っているといつもと景色の動き方が違う。
いつもは天井があって、外に出たのか空が見えてそこから木陰にはいるからか
木の葉が見えているようなそんな景色。
そしていつもの母の笑顔。
でも今日は部屋を出て天井から空へ景色が変わって、次の景色もまた天井だった。そして
いつもよりひときわ大きく
カンカン
カンカン
カンカンキーン
と音が鳴り響く。
おぉー、これは
音の正体がわかるのか?
僕はどきどきしながら
母に見せて見せて!と
言う
実際には
おギャーという音なんだけれど。
それでも母は察してくれたのか
あるいはもともと見せるつもりだったのか
部屋の中をぐるっと見せるように抱っこしてくれた。
おぉ
おぉーーーーー
おぉーーーー
僕は感動してしまった。
もう、いろいろと。
ドワーフたちが
金槌を使って
剣を鍛えている。
ファンタジー来たーーー!
興奮が止まらず
つまりは
やっぱり泣いてしまった。
どんなに想いを言葉にしようとしても
ぜんぶ
おぎゃーーー!
となってしまう。
でも感動がとまらない。
待ち焦がれたファンタジーの世界だ。
しかし母は今度は
怖かったと勘違いしたのか
大丈夫よ、怖くないわよと
いいながら
部屋を出てしまった。
あぁーもっと観たい。
と思えば思うほど
興奮して
泣いてしまう。
赤子の身体不便。
そう想いながらも
だんだんと母に部屋に連れ戻されベットにおかれる。
しばらくすると寝てしまった。




